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2023/12/05

連休中は薪ストーブ使わず

 ← 望月昭秀編『土偶を読むを読む』(文学通信) 「土偶の正体」は果たして本当に解き明かされたのか? 竹倉史人『土偶を読む』(晶文社)を大検証!  参考:「『土偶を読むを読む』はどうなっていくのか――編集余滴 - 文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社

 日月と連休。連休となると、あっけなく生活のリズムが崩れる。時間の感覚は時計やカレンダーに縋るしかない。読書のほうも進むかと期待したが、薪ストーブの薪販売店探しや落ち葉塗れの庭掃除、連休の三日分のブログ日記書き、昼行燈の創作などで案外と慌ただしい。

 自宅で読んでいるのは、マリオ・バルガス=リョサ作の『フリアとシナリオライター』 (河出文庫)と桃崎 有一郎著の『武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世』 (ちくま新書)を交互に。バルガス=リョサはさすが達者な語り手。 (12/05 12:01)

 この連休中は薪ストーブは使わず。まだ本当に寒い時期はこの先が本番。準備だけはしておく。

 望月昭秀編の『土偶を読むを読む』(文学通信)を2日(土)に読了。望月昭秀、金子昭彦、小久保拓也、佐々木由香、菅豊、白鳥兄弟、松井実、山科哲、山田康弘、吉田泰幸らが執筆。

「考古学の実証研究とイコノロジー研究を用いて、土偶は「植物」の姿をかたどった植物像という説を打ち出した竹倉史人著『土偶を読む』(晶文社)は、NHKの朝の番組で大きく取り上げられ、養老孟司ほか、各界の著名人たちから絶賛の声が次々にあがり、ついに学術書を対象にした第43回サントリー学芸賞をも受賞。」

 吾輩も早々に話題の竹倉史人著『土偶を読む』(晶文社)飛びつき、安直にも素直に鱗が落ちる思いがしたものである。

 一方、考古学の専門家の評価は厳しいか無視。

「考古学の研究者たちは、今、何を研究し、何がわかって、何がわからないのか。専門家の役割とは一体なんなのか、専門知とはどこにあるのか。『土偶を読む』を検証・批判することで、さまざまな問題が見えてくる。本書は、縄文研究の現在位置を俯瞰し、土偶を読み、縄文時代を読む書でもある。」ということで、吾輩も望月昭秀編『土偶を読むを読む』を読んだのである。

 読めば読むほど考古学の専門家らの研究成果に基づく検証批判に納得させられた。望月昭秀編『土偶を読むを読む』は土偶を含めた土器など考古学の現状の一端を伺い知れてよかった。

 本書の中のどの章も参考になったが、別けても「考古学・人類学の関係史と『土偶を読む』吉田泰幸」がこの話題を広く眺めていて参考になった。

 また、「実験:「ハート形土偶サトイモ説」望月昭秀」は、竹倉史人流のイコノロジー擬きを援用しての<実験>で、こうして言い切ってしまったら吾輩の如きど素人は素直に納得するだろうな。

【『土偶を読む』の検証は、たとえれば雪かきに近い作業だ。本書を読み終える頃には少しだけその道が歩きやすくなっていることを願う。雪かきは重労働だ。しかし誰かがやらねばならない。(望月昭秀)...はじめにより】が印象的である。

 この<騒動>を契機に一層論議が深まればいい…が、土偶の作り手が語ってくれるはずもなく、研究はまだまだ続いていくのだろう。 (12/05 11:47)

 

 青柳 いづみこ著の『グレン・グールド: 未来のピアニスト』 (ちくま文庫)を読み出している。やはり面白い…が、活字が細かい。夜に車中で読むのは辛い。自宅で読むことにした。 (12/04 23:03)

 

 ← 桃崎 有一郎 著『武士の起源を解きあかす ─混血する古代、創発される中世』(ちくま新書) 「武士はどこでどうやって誕生したのか。日本を長期間統治した彼らのはじまりは「諸説ある」として不明とされていた。古代と中世をまたぎ、日本史最大の謎に挑む。」

 桃崎 有一郎著の『武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世』 (ちくま新書)を4日(月)読み出した。期待以上の面白さ。

 内容案内: 「武士はいつ、どこで、生まれたのか? 七世紀ものあいだ日本を統治してきた彼らのはじまりについては、実ははっきりとした答えが出ていない。かつて教科書で教えられた「地方の富裕な農民が成長し、土地を自衛するために一族で武装し、武士となった」という説はでたらめで、都の武官から生まれたという説は確証がなく、学界は「諸説ある」とお茶を濁す。」

 へぇそうなんだの連続。

 武士と云えば刀の他に弓馬。では、弓馬とは? 弓矢の術と馬術ではない! <馬>は、騎馬での弓術であり、<弓>は馬上じゃない弓術のことだとか。

 活字のみの300頁以上の新書版。頁数の制約があるんだろうが、少しは図か表か写真が欲しい。面白いんだが、軟弱な我輩には、やや窮屈かな。 (12/04 23:24)

 後で気づいたが、少しは図や表はある。活字が多くて埋もれていた。索引はない。参考文献は一応あるが、索引はない。 (12/05 06:15)

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