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2023/07/16

履き心地良好

 ← 白井 聡/雨宮 処凛著『失われた30年を取り戻す 救国のニッポン改造計画』(ビジネス社) 「嘲笑と冷笑だけが武器!? 国境をこえ、貧乏人で連帯? もはや焦土からの再出発しかないのか? (中略)結婚も出産もできないロスジェネはユーチューバーになるしかないのか」

 白井 聡/雨宮 処凛著『失われた30年を取り戻す 救国のニッポン改造計画』を16日早朝読了。ほとんどを仕事の合間の待機時に読んだ。自宅で読むと頭がカッカしそうで、車中で細切れで読んでよかったかも。読んでいて絶望的な気分に陥りがちだしね。

 本書のターゲットは、ロスジェネにあるようだ。

 ロストジェネレーション(失われた世代)に定義があるのかどうか(当然ながら文学史上の事柄は度外視)。本書では、「日本の1990年代のバブル崩壊以降の就職氷河期世代の別称」のようだ。

「就職氷河期 - Wikipedia」によると、「1991年(平成3年)のバブル崩壊による日本国内の経済的な不景気(不況)・グローバル化の進展による価格競争の激化・技術革新による世界的な労働構造変化が同時期に起こった中、終身雇用、年功序列賃金に支えられてきた日本型雇用システムを揺るがすとともに、社会保障制度から排除される大量の若年層を生んだ。」

「若年非正規雇用の増加は、就職氷河期だけに限った一時的な問題にはとどまらず、グローバル化による人件費削減圧力と技術革新による分業の中で生じつつある長期的かつ構造的な問題である。」

 昔、ちょっと流行った言葉を誤用気味に使うと、新たな内向の世代か。政治的に行動しようとか連帯しようといった発想は浮かばない。小泉政権など新自由主義経済や政治の推進側が便利に使った、自己責任が強く圧し掛かっていて、自分が今恵まれないのは全て自分が運がないか、努力が足りないからと考える。政治や社会、経済の構造的な歪みの産物であり、その渦中でまさに蟻地獄状態にあるという発想がない。自分の中のプライドが高く、己の傷を曝け出すことができない。晒す時は、ナイフで垢の他人を、あるいは自らを傷つける。

 本書は『失われた30年を取り戻す 救国のニッポン改造計画』と題名だけは勇ましいが、本書では段々トーンが下がって行って、「嘲笑と冷笑だけが武器!? 国境をこえ、貧乏人で連帯? もはや焦土からの再出発しかないのか? (中略)結婚も出産もできないロスジェネはユーチューバーになるしかないのか」なのである。

 SNSなどを駆使して活路を見いだす方策をこそ探求し論議してほしかった。政治を、政権を変えない限り、活路などありえない、そのための出口戦略を語らないと、ただの放談に終わってしまう(終わっている)。

 テレビなどマスコミでは、ロスジェネ世代の誰彼が事件を起こさないと話題にはならない。が、現実は深刻な隘路で呻いていると知るべきだろう。

 

 白井聡は、「1977年東京都生まれ。思想史家、政治学者、政治学者。京都精華大学教員」で、各章受賞の気鋭の評論家・学者。

 雨宮処凛は、「フリーターなどを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。2006年からは貧困問題に取り組み『生きさせろ! 難民化する若者たち』(2007年、太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞」といった方。一時期、右翼の活動家でもあったことが。その体験談などが面白い。ヘイトスピーチする奴って、案外と単純な発想なのか。切羽詰まってもいる。

 

【速報】富山県と石川県で線状降水帯が発生 災害危険度高まる 2023年7月13日 0時59分 (07/13 01:14)

 ついに我が富山も。地下道など冠水。路肩で水が噴水してた。山の方が大変のよう。…こういう日に限って夜中過ぎに富山駅から新高岡駅へのやや長距離の仕事。高岡は市街地でも随所で冠水などの被害があったが、幸い、向かった先も途中の道も大過なかった。 (07/13 01:16)

 ← 『scripta 紀伊國屋 spring 2023』(紀伊國屋書店 出版部)

scripta 紀伊國屋 spring 2023』(紀伊國屋書店 出版部)を通読した。書店では必ず出版社の宣伝冊子を貰ってくる。これまではパラパラ捲るだけだったが、それでは勿体ないと、読書メーターに登録し通読することに。

 気になる本(情報)が目白押しだが、悲しいかな手にしえる本はほんの僅か。それでも、知見を広められるのは悪くないはず。いずれも高名な書き手。

 能楽師の安田登の連載は、漢文が題材。面白いが何故能楽師の方がこうした話題を? その他、文芸評論家の斎藤美奈子、哲学の津崎良典、編集者の都築響一、写真家の長倉洋海、編集者・食文化研究家の畑中三応子など。

 以下、目次だけでも示しておく:

目次
外古典のすすめ9 年下男子との破滅的恋愛~ラディゲ『肉体の悪魔』の巻 斎藤美奈子
ROADSIDE DIARIES 移動締切日32 都築響一
未来を生きるための漢文11――臥薪嘗胆 呉越の戦い 安田 登
ご家庭のファッションフード8――日に日によくなる味と質、やっと戦後が落ち着いた 畑中三応子 
そして繊細の精神は光を放ち 新連載――死 津崎良典
book review――『岡村昭彦を探して』 長倉洋海

 

 スティーブン・ブディアンスキー著の『クルト・ゲーデル』を読み出している。晩年は被害妄想に苦しみ、最後は体重30キロほどに。個人的な性分もあろうけど、ユダヤ人排斥の凄まじさもあった。アインシュタインのような友がもう少し長く寄り添っていたら違う人生もありえた? (07/13 01:20)

 ラッセルの「数理哲学入門」に言及。高校時代に読んだ。さらにラッセルの自伝。これは学生時代に。ピアニストのルビンシュタインの自伝共々天才の発想を強烈に印象付けられた。 (07/12 13:34)

 ちなみに本書も索引なし。訳者による解説もあとがき(まえがき)もない。ソフトカバーも含め、コストを抑えるため? まさにペーパーバック版。内容がいいだけに淋しい。 (07/12 03:40)

 

 ← 昨年庭で見掛けたこの昆虫、昨日、束の間の晴れ間にみかけた。名前、忘れた。(昨年、ゲンゴロウか、と呟いたのは内緒だ。) 庭ではカナヘビやらいろいろ見掛ける。野鳥も各種。デジカメ 欲しいな。最新のスマホは望遠とか、瞬時の撮影もできる? (07/14 14:37)(頂いたコメントに)ありがとうございます。コガネムシですね。「黄金虫は金持ちだ~♪ 金蔵建てた蔵建てた~♪」って童謡を思い出しました。金蔵 建てたいです。 (07/14 17:33 画像は昨年のもの)

 白井 聡/雨宮 処凛著『失われた30年を取り戻す』を三日前から車中にて。こういう本は、読むべき本。失われた……政権が奪い去った30年。今のままじゃ、まだ10年は沈下していく。来年か再来年は大増税、且つ介護福祉医療年金教育科学研究崩壊。 (07/15 20:28)

 昨日 靴を買ったからか(スマホで店を検索した)この画面下にも靴店の広告。もう靴は買ったんだから、今更 宣伝しても遅いんだって。 (07/12 13:16) なお、三日ほど履いて、その履き心地はまずまず。踝が傷むってこともない。(07/16 15:45)

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