自分を褒めたくなる
← チェーホフ/著『チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集II―』(松下裕/訳 新潮文庫) 「本邦初訳を含め、すべて新訳。」
月曜日、閻 連科作の『硬きこと水のごとし』を読み始めた。『愉楽』以来の二作目か。圧倒する熱気とパワーに負けそう。新作かと思ってたら、もう数年前の作品。
今日は休日で、外出以外は、本書とホイジンガの『ホモ・ルーデンス』と『scripta 紀伊國屋 spring 2023』に明け暮れた。
ルドヴィコ・アリオスト作『狂えるオルランド』 9000円以上! 手が出ん! 岩波か筑摩か講談社か平凡社か、文庫に入れてくれ! 復刊希望者結構あるとか。 (07/10 23:04)
ホイジンガ著『ホモ・ルーデンス』 (中公文庫プレミアム)…なんで本書に索引がない? 立派な学術書だよね。 (07/11 01:55)
チェーホフ作の『チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集II―』を6日(木)に読了。『チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集I―』に引き続き。チェーホフは医者。とことん医者。多くの患者に無料で。作家業で一本立ちできても最後まで医者。そんな彼だからこそ幅広い世界(階層)の人々を知る。素っ気ないほどに描かれていても愛情とユーモアを嗅ぎ取れる。感想など不要。やっぱりチェーホフ、大好き。
← ウィーダ/著『フランダースの犬』(村岡花子/訳 新潮文庫) 「ルーベンスに憧れるフランダースの貧しい少年ネロは、老犬パトラシエを友に一心に絵を描き続けた……。豊かな詩情をたたえた名作。」
ウィーダ作の『フランダースの犬』を9日(日)に読了。 あまりに高名でいつしか読んだような、あるいは今更読むのかという思いばかり募る。「ルーベンスに憧れるフランダースの貧しい少年ネロは、老犬パトラシエを友に一心に絵を描き続けた……。豊かな詩情をたたえた名作」というもの。もっと若いうちに読んでおけばよかった作品。今の自分が読んでも詩情に浸れる。
本書には、「ニュルンベルクのストーブ」も併載。こちらは、名陶工ヒルシュフォーゲルによる陶器ストーブが、あるいはそのストーブへの深い執念…思いこそが作品のテーマ。最後は王様の配慮でのパッピーエンドとなる。童話風な話の展開だが、さすがに読ませる。前者は悲劇で終わっているが、こちらはハッピーエンドなのにとても印象的。
← ユベール・マンガレリ 著『おわりの雪』(田久保 麻理 訳 白水Uブックス) 「山間の町で、病床の父と、夜こっそり家を留守にする母と暮らす〈ぼく〉は、ある日、古道具屋の鳥籠のトビに心を奪われる。季節のうつろいのなかで描かれる、生と死をめぐる美しい寓話」
10年前に本書刊。初版のまま店頭にあった。 書店で粗方買う本は選んで籠に入れていたのだが、去り際ふと目にして衝動買い。普通、売れないと返品されるとか。2刷りにもなってない。よくもまあ残ってた。
「山間の町で、病床の父と、夜こっそり家を留守にする母と暮らす〈ぼく〉は、ある日、古道具屋の鳥籠のトビに心を奪われる。季節のうつろいのなかで描かれる、生と死をめぐる美しい寓話」というもの。本作品の何よりの売りは、作者マンガレリの織り成す作風自体にある。
淡々とした叙述が続くのだが、静謐そのものといった作風が何とも胸に迫る。一読したら忘れられなくなるだろう。
訳者じゃないが、こういった作品を訳して紹介できるのは、訳者冥利に尽きるんじゃなかろうか。
吾輩も全く未知の作家の本によくぞ手を出したと、自分を褒めたくなる。
7月10日……日本は納豆の日だが、世界はナトーの日。NATOの日。そんな中、アメリカはクラスター騨をウクライナへ。ロシアと同じ穴の狢に。日本はドサクサに紛れて武器輸出解禁へ。我輩は、納得の行かない日だな。 (07/10 23:01)
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