ナイチンゲールのローズ・ダイアグラム
← 鎌田浩毅著『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』(角川新書) 「次代に遺すべきものを問う、思考を深める不朽の最終講義と不磨の一級資料が並び立つ!人気教授による白熱の最終講義」
昨日の休日は晴れ、しかも空気が乾いているのか風が心地いい。お出かけ日和だが、せいぜい買い物に終始し、あとは庭仕事。例によって生ごみをコンポストに捨てに行っただけなのに、気が付いたら昼前から三時間も。サンダルに無帽、素手、マスクなし、部屋着のまま。雑草取りもだが、伸びた枝葉を剪定。
高枝鋏や剪定鋏を使用し始めたため、さすがに、途中から手袋を着用、そこだけはせっかちな吾輩も成長した?
これだけやっても、他人の眼には変化が気付かれないだろう。例によって近所の人は誰も声を掛けない。黙々とやるだけ。草臥れ果てた。今読んでる坂崎重盛著の『荷風の庭 庭の荷風』荷風の理系の眼、江戸から明治にかけての街並みの変化や自然観察の虫、記録魔ぶりを描いた書だが、都内の植物をも随筆や俳句の形で記録にとどめている。
吾輩は、帰郷して父母に変わって自宅の庭を世話を兼ねて観るようになって植物への関心は深まった。生来物ぐさなもので、雑草退治など面倒なのだが、必要に迫られるうちに考え方の変更を迫られてきた。拙稿も、「雑草をめぐる雑想」「狐の牡丹…雑草のこと」など多数。
そうはいっても、もっと本が読みたいね。
鎌田浩毅著の『揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義』を22日(月)に読了。同氏の著は、『地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために』(講談社ブルーバックス)に次いで二冊目か。後者については、巨大地震や噴火の差し迫った危機に鑑み、高校で物理学などと併せた総合学科として地学をこそ必修にすべきという感想を書いた。
著者は、日本は「大地変動の時代」に突入と真っ先に説いている。富士山を含めた20の火山がスタンバイ状態だとも。
地球温暖化は自明でないとして、 「異常気象」の「異常」は人間にとっての異常だ、とか、地球は氷期に向かっているとも説いている。
本書は最終講義の内容を綴ったもの。但し、来し方をしみじみ語るのではなく、「振り返っている時間はない! 未来に向けて私が伝えたいこと」が熱っぽく語るもの。警世の書、危機感の書なのである。喫緊の課題、我々にできることは、「減災の意識を持つ」ことで、地元のハザードマップを確認し、いざとなったら何処へ逃げるか、身近な人たちと確認し合うことだろう。
著者の経歴:「東京都生まれ。(中略)1987年、東京大学より理学博士の学位を取得、(中略)通商産業省地質調査所主任研究官、米国内務省カスケード火山観測所客員研究員などを経て、1997年より京都大学大学院人間・環境学研究科・総合人間学部教授。2021年、京都大学名誉教授。同年、京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授。2021年3月10日、京大教授としての最終講義が行われた」…その成果が本書だ。
← マーカス・デュ・ソートイ/著『数学が見つける近道』(冨永星/訳 新潮クレスト・ブックス) 「長い歴史の中で数学が発見した思考の節約術を用いて、時間をもっと豊かに使おう。パンデミック時代の新しい人生の楽しみ方も教える、ユニークな科学エッセイ。」
マーカス・デュ・ソートイ著の『数学が見つける近道』を22日(月)に読了。一般向けサイエンス書は好き。数学もマストアイテム。ソートイの書も、世界的ベストセラーの『素数の音楽』を始め、『知の果てへの旅』『レンブラントの身震い』など翻訳書は欠かさず読んできた。本書の刊行も新聞で知った。
著者は、「1965年ロンドン生まれ。オクスフォード大学数学研究所教授、リチャード・ドーキンスの後任として「科学啓蒙のためのシモニー教授職」も務める。英ロイヤル・ソサエティ・フェロー。(中略)2001年、ロンドン数学学会が40歳以下のもっともすぐれた数学研究者に授与するバーウィック賞を受賞。」
ただ、本書は宣伝文句によると、「長い歴史の中で数学が発見した思考の節約術を用いて、時間をもっと豊かに使おう」というもので、いわ「数学者が贈る、思考の「倍速術」」という。正直、吾輩は近道など要らない。歩く道を楽しみたい。道草だって構わない。今更近道して何処へ行く?
が、行き当たりばったりで固く閉じた扉を開けようとしているんじゃなく、実はただの壁だったじゃ、笑い話にもならない。人生は短いし、要点を突いて進めば展望が広まり迷妄の中ではひたすら閉じていくばかりなのを一挙に打開できることもある。
本書を読んでいて、ああそうか! という<発見>や気づきが多数あって、付箋も何枚も貼ってしまった。都市に人口が集中するのも、数学的に解析可能だという。だとしたら国々が抱える一極集中の問題はどう解決したいいのか。
フローレンス・ナイチンゲール が戦場での兵士の死者数を劇的に減らした実績。誰も否定できない。ヴィクトリア女王や政府関係者の前でどうやって減らしたのかをプレゼンテーションする機会を得られた。その際に示したのが彼女が考案し示したローズ・ダイアグラムだった。これには居並ぶ旧弊な、今更面倒なことはしたくない連中もびっくり。大きく動き出した。
「ナイチンゲールと統計」など参照。きっと看護師を目指す人なら学ぶはず…?
他にもメビウスの輪が原理のジェットコースター:「Grand National - Blackpool Pleasure Beach」の説明も面白い。
往時評判になった「六次の隔たり」も話題に。「全ての人や物事は6ステップ以内で繋がっていて、友達の友達…を介して世界中の人々と間接的な知り合いになることができる、という仮説」で、吾輩のように友達の少ない人間でも四次ほどで時の総理と繋がれる。繋がりの深さ強さを問わない限りだが。
ということで、世の中も数学の眼で見ると全く違って見えるのは面白い。
皐月の花ロードには今一つ勢いが足りない。日中 日が射さないのがネックなのか。我輩の開花を切望する熱い思いを知らないわけじゃなかろうに。 (05/25 10:44)
← 皐月。近所の人が、こんな柄の大きな皐月の花は珍しいと、花を3輪ほど持ってった! (05/25 19:47)
洗濯2回。庭仕事たっぷり。夾竹桃がもう咲き出してた。雪柳などの剪定、雑草……。シャワーのあと、ウエルシアで水など確保。スーパーで買い物。睡眠不足で最早 限界。二度寝。夕方になってやっと暫しの読書。家の掃除はパス。台所の流しだけ磨いた。 (05/25 19:45)
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