「蜷川新右衛門」ゆかりの城跡へ
← 児玉 聡 著『オックスフォード哲学者奇行』(明石書店) 「ゴシップからはじめる不真面目な英国哲学入門。アンスコム、ストローソン、パーフィット、ケンブリッジのウィトゲンシュタイン……明晰で分析的な文章の裏にある、哲人たちの一風変わった人生とは」
児玉聡 著の『オックスフォード哲学者奇行』を17日(水)に読了。「Webあかし」でほぼ毎月連載していた「オックスフォード哲学者奇行」を書籍化したもの。ひたすら読みやすく仕立ててあり、仕事の合間にさくさく読めた。
内容案内によると、「ゴシップからはじめる不真面目な英国哲学入門。アンスコム、ストローソン、パーフィット、ケンブリッジのウィトゲンシュタイン……明晰で分析的な文章の裏にある、哲人たちの一風変わった人生とは」というもの。
いずれも一流の哲学者らだろう。高校生の頃からラッセル、ついでウィトゲンシュタインに魅了された吾輩は、ついには大学も西洋哲学科へ。眼中にあるのは、ウィトゲンシュタインのみ。本書で取り上げられるいずれの俊英もウィトゲンシュタインの周りの哲学学者群像という認識。実に僭越で浅薄な評価。彼らの本はほとんど読まなかったはず。ウィトゲンシュタインも、彼の本は読んでも、彼をめぐる本は伝記以外は読まなかった。
本書の著者「児玉 聡(こだま さとし、1974年 - )は、日本の倫理学者。京都大学大学院文学研究科教授。功利主義を中心とした英米道徳哲学史と生命・医療倫理学の研究を専門とする」というが、情けなくも本書で初めて知った方。著書は読んだことがないし、2011年度和辻賞受賞ってことも、今日初めて気づいた次第。
扱われるのはいずれも錚錚たる優れた面々だが、門外漢にはマニアックな人材と映るかもしれない。吾輩は、自分が軽視(ほぼ無視)していた研究者群像を今更ながら知ることが出来て今更ながら不勉強…不明を恥ずるしかない。
← 永井 荷風著『日和下駄 一名 東京散策記』(東都書房)
永井 荷風著の『日和下駄 一名 東京散策記』を19日(金)に読了。父の蔵書。箱入り。大著ではないが、敢えてゆっくり一週間を費やして読んだ。
原書は大正三年から一年あまり 三田文学での連載。つまり1911年の頃か。明治維新の我武者羅な近代化の陰に埋もれていった、消え去りゆく東京の面影を追う。実に味わい深い叙述が続く。
が、知られるように1923年に関東大震災。壊滅的惨状。だからこそ昭和(戦前)になって復刊。だけど15年戦争で再度潰滅。
原書は大正三年から一年あまり三田文学に連載したものを(大正四年)一巻本にしたもの(当初は岩波文庫か)。原書は大正三年から一年あまり三田文学に連載したものを(大正四年)一巻本にしたもの。
手元にある箱入りの本は、昭和32年の刊行に際し、昭和31年から32年に東京各所で撮った光景を背景の著者近影25枚が加えられたもの。永井荷風の作品は戦時日記も含め文庫入りしたものは一度ならず読んできた。この「日和下駄」は恐らく初めて。
永井は高身長。その彼が日和下駄を履き蝙蝠傘を持って歩く。目立つ! 彼は東京の空模様は変わりやすく信用がならない、だから傘は手放せないと。男心に秋の空、それとも国の施策とも。
内容紹介によると、「「一名 東京散策記」の通り「江戸切図」を持った永井荷風が、思いのまま東京の裏町を歩き、横道に入り市中を散策する。」として、以下が続く:
「「第一 日和下駄」「第二 淫祠」「第三 樹」「第四 地図」「第五 寺」「第六 水 附 渡船」「第七 路地」「第八 閑地」「第九 崖」「第十 坂」「第十一 夕陽 附 富士眺望」の十一の章立てに、周囲を見る荷風の独特の視座が感じられる。消えゆく東京の町を記し、江戸の往時を偲ぶ荷風随筆の名作。」
武内桂舟画「泥水清水」、江見水蔭、昇亭北寿、歌川国直、などを知った。拙稿「日和下駄……東京散策…嘗ての東京」参照。
← 一休さんに登場する「蜷川新右衛門」ゆかりの城跡…… 「ホーム / 曹洞宗 瑞龍山 最勝寺 | 富山市蜷川」
「蜷川新右衛門」ゆかりの城跡……今は「最勝寺」をブラッと訪ねてきた。まだ真冬だったある日、チューリップテレビの特集で、「「一休さん」の名脇役…新右衛門さんはスーパーエリートだった!文武両道の横顔も明らかに…子孫は格闘家の武蔵さん」といった情報を得ていた(
「「一休さん」の名脇役…新右衛門さんはスーパーエリートだった!文武両道の横顔も明らかに…子孫は格闘家の武蔵さん | 富山県のニュース|チューリップテレビ (3ページ)」より)。
「谷内良徹(たにうち・りょうてつ)和尚によりますと鎌倉時代、源頼朝に仕えていた宮道親直(みやじ・ちかなお)が、京都から越中蜷川に移り住み、姓を蜷川に改めたのが蜷川氏の始まりとされていて、蜷川氏代々の菩提寺として建立されたのがこの最勝寺と伝えられています。 最勝寺 谷内良徹和尚: 「数えて8代目に当たるのが蜷川新右衛門さんのモデルになったと言われている蜷川親当(ちかまさ)公」」(上記番組より)。国道41号線を富山駅から南下すると、「蜷川」とか「最勝寺」という交差点を通過する。蜷川も気になるが、最勝寺は国道からは見えない……でも国道沿いに立派な塀の家は見える……あれが寺なのか……分からない……一体どこに寺がある……という十年来のもどかしさが本日解消!
我がスクーターも買い物以外の走行は昨年晩秋以来。バイクもストレス解消かな。
そもそも何故、蜷川親当が蜷川新右衛門さんのモデルになったのか? (05/21 20:32)
← 実は元々はある郵便物の不在未達の通知票を2部も投函されていた、その郵便物(クレジットカード)を引き取りにバイクを走らせた。その郵便局が我が家からは最勝寺と同じ方角にあった……だったら富山市には数少ない、観光巡りの場所だと。 (05/21 20:12)
マーカス・デュ・ソートイ著の『数学が見つける近道』 (新潮クレスト・ブックス)を十日ほど費やして読了。同氏の翻訳本四冊目。代わって、ハリー・クリフ著の『物質は何からできているのか アップルパイのレシピから素粒子を考えてみた』( 熊谷 玲美訳 柏書房)を読みだした。かのLHCに関わった物理学者の同プロジェクトのドキュメント風な本。いま自宅では、坂崎重盛著の『荷風の庭 庭の荷風』という文系の本を読んでいるので、理系っぽい本を選んだ。
← 訪ねた時は人影なし。折角なのでお賽銭箱に五百円玉一個投入。蜷川家の御先祖さまの冥福を祈る。そういえば、高校一年の時の同級生に蜷川という名の可愛い子が居た……けど学期の途中、何処かへ転校していったなー。転校の直前、サッカーの練習にも見学に来てたっけ。五年ほど前、一休宗純の「狂雲集」 (柳田聖山 中公クラシックス)を手にしたっけ。日本人の手になる漢詩(漢文)で最高に難解だった。柳田聖山氏の精細な解説も読む気になれなかった。とてつもない人物だったのだろう。 (05/21 20:46)
坂崎重盛著の『荷風の庭 庭の荷風』を読んでたら、富士川英郎なる名前。高校から大学にかけての頃、リルケの翻訳本で世話になってる。が、同氏はドイツ文学だけじゃない日本の漢文学など幅広く活躍された方と、今更ながら知った。 (05/22 04:09)
柳湾先生纂輯『林園月令』(万笈堂、天保二[一八三一]年序)。都合八冊あるらしい。柳田國男が年少の頃より愛惜していた書。
上掲書にて館柳湾纂輯『林園月令』を知った。 (05/22 04:18)
日本のクイズプレイヤー、タレントの伊沢拓司って、あの伊沢蘭軒と関係ある? 考え過ぎ? (05/22 04:27)
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