安藤昌益『自然真営道』に手を付ける
← 『バルテュス(新装復刊)』(阿部 良雄/与謝野 文子 編集(2001/05発売)白水社) 「バルテュスの世界への案内書。バルテュスに魅せられた詩人・文学者たちによって語られたオマージュと多数の図版を集めて、巨匠の全貌に迫る!」
29日(土)は休みだった。日中は快晴ではないが晴れていた。午前中の畑での草むしりや落ち葉拾い作業で疲れ、日中は読書…本を手に寝落ち。コンビニの女子店員の相変わらずの意地の悪さ(吾輩への接客はしない)の不快感を洗い流したくて、夜、三年ぶりの自宅の風呂での入浴再開二回目。やはり本を片手に寝落ち。
『バルテュス』(新装復刊 白水社)の読了後は、山口昌男著の『「敗者」の精神史』と『太陽庭と家シリーズ〈4〉数寄屋の庭 (1980年)』を楽しんだ。
ついにというか、ようやくというか、安藤昌益の『自然真営道』 ( 野口 武彦 (翻訳, 解説) 講談社学術文庫)に手を付けた。二週間じゃ読み切れないね。中央公論社の日本の名著シリーズの一冊で、1971年に出ていたようだ。当時は世界の名著シリーズをフォローするのにやっと。日本の名著には大学生になって親鸞や新井白石など折々。サボっているうちについに半世紀も経過。
今日は、管 啓次郎 の解説だけ読んだ。それだけでも興味深いし、もっと早く読むべきと痛感。凄い思想家が日本には居た。こういう人物をこそ、テレビは採り上げるべきだ。…なんて偉そうなことは恥ずかしくて言えないね。
『バルテュス(新装復刊)』を読了。「バルテュスの世界への案内書。バルテュスに魅せられた詩人・文学者たちによって語られたオマージュと多数の図版を集めて、巨匠の全貌に迫る」といった本。
二部構成になっていて、一部は澁澤龍彦ら日本の書き手。二部はアントナン・アルトーなど海外の書き手:
1 危険な伝統主義者(渋沢龍彦)
バルテュス譚詩(酒井忠康)
ヴェネツィア滅ぶべし(阿部良雄)
バルテュスとクールベ(阿部良雄)
伝統のしずかなる挑発(与謝野文子) ほか金井美恵子や吉岡実、渡辺守章など。
2 ピエール画廊におけるバルテュス展(アントナン・アルトー)
バルテュスに(ピエール・ジャン・ジューヴ)
ラルシャンの記憶(ピエール・ジャン・ジューヴ)
「街路」(ピエール・ロエブ)
バルテュスに(ポール・エリュアール) ほかピエール・クロソフスキーやガエタン・ピコン、オクタビオ・パス、アルベール・カミユなど。
オマージュ集なので、図版はそこそこにあるが、白黒でやや本文の言及を図版で確かめるには中途半端。そこはネットでってのが便利と云うべきか。
そのオマージュ文の大半は、バルテュスをほとんど掴めきれてない。というか掴めるのか、理解できるのか。あるいはそもそも言語化できるのか。絵画作品はそうしたものと云うと身もふたもないが、バルテュスはどの画家より常識的理解の外に屹立している。カフカやら持ち出して理屈を付けるのが関の山。ほとんどの書き手はバルテュスの世界を前に舞い上がってる。
バルテュスは、ネコ好きで画面の中にしばしば登場する。その目はやばい眼光を放っている。観るものを警戒している嫌っている怯えている? 本人はスーラとかクールベを尊敬していることは夙に知られている。だからか、彼らに絡めて謎解きを試みる書き手が多い。吾輩には牽強付会に感じられた。
それでも、「伝統のしずかなる挑発」(与謝野文子)など地に足のついた論考が散見されて救われる思いがした。付記すると、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』へのバルテュスによる挿絵の数々が面白い。案外とこの辺りにバルテュスワールドへのとば口があるのかもしれない。
ふと観たテレビ、「リアルすぎる油絵」画家・三重野慶さんの特集だった。こういう画家が近年日本でも目立ってきた。吾輩も関連する本は少しは手にしてきた。三重野氏は一つの作品の制作に数か月も費やすとか! YouTubeで豊富な情報が。
リアルな凄い絵を描く画家は数々。水彩、鉛筆等:「写実絵画 画家リスト – 写真のような絵画を描く写実画家一覧・美人画/風景画多数掲載」 (04/29 20:42)
『バルテュス(新装復刊)』を数日前より読んでる。明日にも読了か。バルテュスを展覧会で観たことがあるかどうか、記憶に定かじゃない。ただ、その個性ある作風に魅せられ、画集は即入手。当時は、自分には全く未知の存在だった。特異な少女愛の作風なのかとも思ったが、そうでもない。作品の世界に安易には入ることは叶わない。
バルテュスの画集(トンボの本だったか)、持ってたはず…なのに、見つからない。上掲書はバルテュス論集で、白黒の絵(画像)が載ってるだけ。悔しい。カラーの絵、見たいの。ネットで見るしかないか。 (04/29 18:13)
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