外出もしたい読書三昧もいい
← ジェニー・クリーマン【著】『セックスロボットと人造肉―テクノロジーは性、食、生、死を“征服”できるか』(安藤 貴子【訳】 双葉社) 「「性愛」「肉食」「生殖」「自死」。それはテクノロジーの、最後のフロンティア。」
月曜の今日(既に昨日だが)は、快晴。外出日和。だけど出かけたのは昼前の歯医者さんだけ。やはり朝方まで仕事で、いつものように午後の二時過ぎまでは寝てしまう。三時頃になってようやく少しは頭もすっきりして読書できそうに。
自宅で読むのは、バロウと高山の本。
昨日は、「一昨日辺りから読んでるジョン・D・ バロウの「科学にわからないことがある理由―不可能の起源」と高山宏の「鎮魂譜: アリス狩りVII」と、このボルヘスとが微妙に架橋してる。高山の本を読んでるはずが実はバロウだったり。このありえないトライアングルを更にあり得なく(その実有り得)させているのがルイス・キャロル。……ライプニッツに解きほぐしてもらう?」なんて呟いた。休日の今日はどっぷり読書三昧したいが、雑用が多すぎてどこまで望みどおりになるか、分からない。
ジェニー・クリーマン著の『セックスロボットと人造肉―テクノロジーは性、食、生、死を“征服”できるか』を4日(土)に読了。「性愛」「肉食」「生殖」「自死」という何れも興味深いテーマ。「科学と倫理の境界でゆらぐ、21世紀の性、食、生、死。生命倫理、暴走する資本主義、ジェンダーとフェミニズム、気候変動、管理社会、ウェルビーイング……様々な命題が複雑に絡み合う最新技術開発の最前線で、気鋭のジャーナリストがその進歩や課題、あるいは華やかなシリコンバレーの起業家たちをはじめとしたプレイヤーの虚実を5年にわたって現場取材し、21世紀の「人間性」のゆくえを考察した、グレーな近未来ガイド。」
著者は、イギリスのジャーナリスト、ドキュメンタリー製作者ということで、分かりやすく興味深く書いてくれている。やや著者の<健全な>価値観、常識に囚われすぎの感は否めないが、我々一般の常識の立場からの最新テクノロジーの実情を迫ってくれている。というか、ややはったりめいた起業家も多いようという心証を抱いておられると感じる。
本書には写真図版の類いは一切載ってない。「高性能AIを搭載し、あなたの欲望をすべて叶えるロボットは「完璧な伴侶」になりうるか?」なんて、どんなものか見たくてたまらなかったが、そこはネットで検索すると、ありあまる動画が見つかる。凄いね。
人工の肉や自殺の問題も興味深いが、「妊娠も出産も、代理母すら必要ない人工子宮による生殖は本当に女性たちを社会的に救うのか?」は、そもそも女性の存在の否定につながりかねないという指摘もあって、かなりショッキングかもしれない。
問題の理解というより、議論の題材という意味で本かもしれない。
高性能AI搭載のセックスロボットや培養肉に人工子宮、自死カプセル。倫理的な懸念をよそに開発は想像以上に急ピッチで進んでいる。テクノロジー推進する業界の多くは男性主導なのも気になる。ユートピアなのかディストピアなのか。
← 谷口義明/著『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』(光文社新書)「ブラックホールはいつ生まれ、どのように育ち、どのような運命を辿るのか。そして、宇宙はなぜブラックホールを造ったのか。現代天文学が描く、宇宙の過去・現在・そして鮮烈の未来予想図」
谷口義明著の『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』を3日(金)に読了。宇宙論の本は読書で好きなジャンル。
予てより気になってならない謎の<存在>であるダークマター。「暗黒物質(ダークマター)は天文学的現象を説明するために考えだされた仮説上の物質。”質量を持つ”、"物質とはほとんど相互作用せず、光学的に直接観測できない”、"銀河系内に遍く存在する"といった性質が想定される。間接的に存在を示唆する観測事実はあるが、直接的な観測例は無く、ダークマターの正体も不明である」。
正体不明となるとなおのこと、知りたい。
「原始ブラックホールは MACHO に分類される。これらはダークマターの良い候補物質」という説がある。「原始ブラックホールは 10-8 kg (プランク質量程度の、いわゆる「プランクの遺物」) から、太陽質量の数千倍を超える初期質量を取りうる」からである。
但し、「宇宙の歴史の中で非常に初期 (典型的にはビッグバン後1秒未満) に形成されるからである。しかし、様々な天体物理的あるいは宇宙論的な観測によって原始ブラックホールの存在量への厳しい制約が与えられており、原始ブラックホールが取りうるもっともらしい質量の範囲では、ダークマターの全体に大きく寄与している可能性は否定されている」という(以上、「原始ブラックホール - Wikipedia」参照)。
ダークマターは発見されてようやく20年の謎の存在。今、その正体の解明に向け研究が急ピッチで進んでいる(らしい)。最新のダークマター研究、関連するかもしれない原始ブラックホール理解の現状を知りたくて、関連書を物色したが、適当な本が見つからなかった。谷口義明著の『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』が比較的新しい本なので、読んでみた。肝心の点はほとんど触れられていなかったが、本書はこれはこれで面白かった。
「私たちのお母さん!?暗黒物質「ダークマター」探しの挑戦【博士の20年vol.4】 - サイエンスZERO - NHK」などを参照。
谷口義明は、「1954年北海道生まれ。東北大学理学部卒業。同大学院理学研究科天文学専攻博士課程修了。理学博士。東京大学東京天文台助手などを経て、現在、放送大学教授。専門は銀河天文学、観測的宇宙論。すばる望遠鏡を用いた深宇宙探査で、128億光年彼方にある銀河の発見で当時の世界記録を樹立。ハッブル宇宙望遠鏡の基幹プログラム「宇宙進化サーベイ」では宇宙の暗黒物質(ダークマター)の三次元地図を作成し、ダークマターによる銀河形成論を初めて観測的に立証した。」
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