本然の世界へ回帰?
← マリオ・バルガス=リョサ 著『官能の夢―ドン・リゴベルトの手帖』( 西村 英一郎 訳 マガジンハウス 1999) 「美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチートの三者がつくる世界を対位法的な構成で描く、巧緻を極めたエロティックな物語。「継母礼讃」の続編。」
マリオ・バルガス=リョサ 作の『官能の夢―ドン・リゴベルトの手帖』を29日(水)読了。内容案内によると、「美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチートの三者がつくる世界を対位法的な構成で描く、巧緻を極めたエロティックな物語。「継母礼讃」の続編。」と。
本書は、古書店で偶々見出した本。こんな本が見つかるなんて。本書を読んでて初めて、「継母礼讃」の続編と知った。遅きに失したが、逆に言えば前篇を読む楽しみができたとも(← 強がり)。
表紙は、エゴン・シーレ『赤い布に横たわる裸婦』(1914年)。今、東京で正しくシーレ展が真っ最中。それに合わせたわけじゃないが、全編シーレ塗れと云っても過言じゃない。二十歳の頃にシーレに圧倒された吾輩は、奴の世界に溺れたらやばいと、恐れをなしたものが、そこは大人のリョサ、果敢に溺れてみせる(ギリギリまで翻弄され戯れてみせる)。
美少年フォンチートが狂言回し(トリックスター)の役を憎たらしいほどに果たしている。夫婦はとことん翻弄される。カネに不自由しない夫婦、性の宴は共に狂奔するほどに堪能してきた二人。ありふれた不倫なんかじゃ不完全燃焼の日々を度し難い。
下手するとありがちなエロ本になりかねない世界を、さすがのリョサは最後まで飽きさせずに…どころか一層の深みへと引き摺り込んでくれる。それでいて最後は…内緒。
マリオ・バルガス=リョサは、めぼしい作品は大概読んできた。が、これまた古書店で発掘した傑作『悪い娘の悪戯』で、おや、政治や社会経済への関心は薄れ、私的な世界に没頭かと驚いたものだが、本作『官能の夢―ドン・リゴベルトの手帖』でその思いを一層強められた。感激した。文学の形を借りて大人の官能の夢を極限まで果たしたんだね。(羨ましいの意味で)あんたは偉い!
吾輩は、ガルシア・マルケスについては、翻訳されたものは、ほぼ全て読んできた。それに比してリョサはやや関心は薄かったか。だからこうした大人の作品を見逃す失態を演じる。それにしても、マルケスもリョサも晩年は本然(?)の世界に戻るんだね。
← 29日の夜中の光景。さすがに人影も疎らに。桜見物は仕事の際に夜桜見物で。庭を見て回れば椿や水仙、馬酔木、木瓜、アオキ、隣家の木蓮、梅の芽吹き、柿の芽吹き、ネーブル……などなど有り余る植物鑑賞できる。…なんて、強がってみせる。誰か素敵な人と散策したいもの。 (03/30 20:45)
今日は休み……晴れ。桜見物日和。が、洗濯。ついで30日に一度の内科医院へ。まずまずの経過。一旦 帰宅しスーパーへ。帰宅して庭を見て回る……までもなく、落ち葉拾いに雑草毟しり。 (03/30 20:30)
30分で切り上げるつもりが、休みだしと、庭の手入れを更に。サンダル履きで素手で。陽射しがきついが無帽。さすがにトングを持ち出した。そこだけは我ながら自分を褒めてとらす。
手先じゃなくトングで雑草の根っ子までほじくり反す。今日は生け垣の外まで。溝(どぶ)の中まで。底には落ち葉だけじゃなく、泥が溜まってる。ミニシャベルで底を掻くように浚った。
気が付けば汗がダラダラ。部屋着のまま、一時間半も庭仕事。ほとんどウンチングの姿勢。下半身だけは鍛えられる? (03/30 20:40)
← 車道沿いの細長い花壇にユキヤナギを植えてる。三重カナメの赤にコラボしようと。が、近隣の雪柳を観て気付いた。この木は育つ。細長い花壇を圧倒する可能性がある! 三重カナメだってでっかくなる。高さは剪定で対処できるが、根元や根っ子は? このまま育つと、土台のコンクリート壁が破壊されそう。帰郷した15年前既に随所に罅割れが目立っていた…。 (03/30 21:19)
昨夜、L.ヴィトゲンシュタイン著の『反哲学的断章』 (丘澤静也訳 1982年)が不意に読みたくなった。アフォリズムの極のような哲学倫理の書。時折そんな発作が起きる。で、書棚を物色したが見つからない。ダブるのを覚悟で買わないとあかんのか。クソッ。 (03/29 22:16)
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