雄姿を眺めるだけ
← レマルク/著『西部戦線異状なし』(秦豊吉/訳 新潮文庫) 「飛び交う砲弾の下に無数の青春があった――。不朽の反戦文学。」
自宅では、休みだった昨日は、レマルク作の『西部戦線異状なし』を20日(月)に読了し、ユゴー作の『ノートル=ダム・ド・パリ(下) 』(岩波文庫)を読み続け(下記参照)、イアン・スチュアート著の『世界を支えるすごい数学: CGから気候変動まで』(河出書房新社)にて数学の深淵に圧倒されていた。
一方、昨年初冬にバイクに被せてきたカバーを取った。車体出現。念のため、エンジン点火。バッテリー上がりもなし。昨日は午前中は晴れていた。いよいよバイクで買い物へ…と勇んでいたのだが、昼前から天候が急変。雄姿を眺めるだけに終わった。
レマルク作の『西部戦線異状なし』を20日(月)に読了。大半を仕事の車中で読み、残り80頁ほどとなったので、あとは自宅で。一言、傑作。本作品について感想など無い。一言、傑作だと言っておく。
レマルクは、ジャーナリスト出身だとか。雌伏の十年を経て1929年に本作品を発表、一躍世界的な作家の一人として注目を浴びた。その後も数々の作品を書いたが、反戦などといった政治的主張とかじゃなく、ジャーナリストが身を以て取材した戦場の悲惨の現実を赤裸々に描くことに徹している。
内容案内には、「第一次大戦における一兵士ボイメルとその戦友たちの愛と死を描いた本書は、人類がはじめて直面した大量殺戮の前で戦慄する様を、リアルに文学にとどめたものとして、世界的反響を呼び起こした」とある通りだ。文章も歯切れよく分かりやすい。それでいてまさに戦禍だからこその理不尽な現実を想う茫漠呆然たる心中の表白の言葉にも随所で出会ってしまう。
二十歳に満たない若者たちが(戦況の悪化に連れ十代半ばの少年もがほとんど訓練もなしに最前線へ送り込まれていく)、戦場で体験した青春という光と影。
本書の終わり結語が皮肉が効いていてあまりに素晴らしい。「1918年夏、焼け爛れた戦場には砲弾、毒ガス、戦車、疫病がたけり狂い、苦熱にうめく兵士が全戦場を埋め尽す中にあって、冷然たる軍司令部の報告はただ「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」。」
今もウクライナにおいて、それどころか地震禍のシリアやトルコにあってすら戦禍の真っただ中である。日本は無邪気にもアメリカの戦略に呑み込まれ、戦争に加担する国になろうとしている。日本の政治指導者が戦争を知らないいかに無知な世代になってしまったかを想わざるを得ない。
ところで小生は本作を読む切っ掛けは、現状の世界や日本の危うさを思ってのことではなかった。過日読了したベッセル・ヴァン・デア・コーク【著】『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』(柴田 裕之訳 紀伊國屋書店)にて、本作品の一文が引用されていたのだ。この本は、第一次世界大戦での戦傷者たちのトラウマ体験の訴えも縷々取り上げられていて、その中でレマルクのこの作品に言及されたわけである。
(松本零士氏の訃報に接して書いた昨日の呟きに頂いたコメントへのレス)日本の漫画文化は実に豊かですね。自分の心も豊かにしてくれたかな。郷里を離れている間に多くの漫画本が処分されてしまった。貴重な心の財産だったのに。 (02/20 21:41)
ユゴー作の『ノートル=ダム・ド・パリ(下) 』(岩波文庫)をその下巻も半ばまで読んできて、遠い昔 確か違う題名で本作を読んだことを思い出した。身につまされる思いで(我が身のこととして)辛いながらも読んでた……。あれから我輩は、一向に成長してない。 (02/20 22:58)
状態が変わってない……というより殻の中に閉じ籠ってる。外が風景か光景。人が見えない。音声も匂いもない……人間味が伝わってこない……顔が見えない……無味無臭……金属音のような高周波だけが満ちる無の宇宙。際限のない縮小。真空ですらない時空。 (02/21 03:21)
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