『フランダースの犬』が読みたくなった
← 安部公房/著『砂の女』(新潮文庫)「砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編」
ウィーダ作『フランダースの犬』 (新潮文庫)のだいめいを久々目にした。半世紀ぶりか。モームの短編集の一篇にて、語り手が傑作だと言及。遠い昔、アニメで観た……子供向けの本作も読んだことが……? 改めて村岡花子さんの訳で読みたいな。いつ手に入るやら。 (02/02 14:47)
そういえば、昔、犬に絡むドラマを数々見たような。『名犬ラッシー』『名犬リンチンチン』『南極物語』『ハチ公物語』などなど。イヌが主役か重要な脇役って、当時もテレビドラマの定番だったのか。
安部公房作の『砂の女』を四十年以上ぶりに読んだ。大学三年目(教養課程の三年目)に英文学で何故か『第四間氷期』の英訳本がテキストに。その影響か、安部公房の作品をいろいろまとめて読んだ。『箱男』『他人の顔』『壁』などなど。
本書の印象は、これこそ芥川賞に相応しいというもの。読むのに苦労したような。楽しめなかった気がする。今回、久々に読んで案外と(?)面白かった。
ストーリー的には、内容案内にあるように、「砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開」というものだが、実に語り口が上手い。
砂の穴の底で住み暮らす女に囚われるが、なんとか脱出して自由な空気のある世界へ脱出を試みる。が、藻掻いた果てに見出したものはあまりに意外な<幸福>だった。難解な表現や言葉など使わず、エンタメ系の小説かと思えるほど、時に通俗的なのだが、気が付けばある種の形而上的世界で呆然としている自分を見出す。
とにかく、先入観なしに読めば楽しめる傑出した作品だ。
← 庭先の棕梠。こんなヒョロヒョロの木(?)なのに強風や豪雪にも耐えられる不思議。棕梠箒や棕梠束子は我が愛用品。棕梠は驚異の植物だ。 (02/02 16:36)
先月の一番は、なんといってもチャールズ・C.マン著の「魔術師と予言者――2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い」だ。気象変動や環境破壊あるいは保存を巡っての科学者たちの熾烈な格闘。知れば、気候変動の危機なんてデッチ上げだなんて言えなくなる! 2023年1月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:5706ページ ナイス数:6139ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ 「吾輩の2023年1月読書まとめ - 読書メーター」
このほか小泉八雲の大著、日本共産党研究、斎藤幸平の新著、安部公房の「砂の女」、自閉症の本……などなど充実した読書が出来た。 欲を言えば、もっともっと読みたい。ま、高望みはないものねだりか。 (02/02 16:33)
サマセット モーム作『ジゴロとジゴレット: モーム傑作選』 (新潮文庫)を昨日から読み始めた。まだ二篇目の途中だが、つくづくモームは短篇も巧者。世間の表も裏も知り尽くしている感がある。 (02/01 15:59)
こんな本のあることに先月、書店で気が付いた。迂闊だ。
← 雪の季節は除雪の季節。降雪の小休止。植木から雪の塊も落とさないと、というわけで、雪原をラッセルし、サツキなどのザラメ状になっている冠雪を竿で叩き落した。 (01/31 19:03)
べッセル・ヴァン・デア・コーク著の『身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法』を相変わらず読み続けている。
本書で教えられるのは、幼少期に主に親や兄弟など親族に虐待を受けた(あるいは妻が夫に暴力を被るのを子供が目撃する)事例のの想像以上の多さ。家庭が守りと育ての場でないとしたら、子供は出口なし。 (02/01 19:31)
読み出して八日め。3分の1ほどに。日々深く静かに……激しく深甚に感動。 (02/01 15:57)
大江 健三郎/古井 由吉対論の『文学の淵を渡る』 (新潮文庫)を車中で読み続けている。吾輩にはかなりハイブロー。
大江健三郎は今日が誕生日。おめでとうございます。88歳。(ありえないだろうけど)大江が長生きの秘訣なんて本は出さないよね。 (01/31 19:31)
大江 健三郎/古井 由吉対論の『文学の淵を渡る』で知った、川崎長太郎の「夜の家にて」が。アマゾン(旧)で検索するもヒットせず。 (01/30 20:26) 彼らは川崎長太郎を高く評価しているだけに読みたい。
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