60年代は<砂>の時代だった ? !
こうなったら当時の砂絡みの作品を更に探した。アッター……と云っていいのか分からないが、「アラビアのロレンス」はまさに舞台は砂漠。62年の作品。これもいい作品だった。
更に意地になって探すも思い当たらず。『八月の濡れた砂』が浮かんできたが、これは70年代始め。好きな曲(映画)なんだが。
これらの砂絡み作品群(?)に相関(影響)関係はあるだろうか。時系列からは松本清張作品が筆頭だけど、世界的影響というと、安部公房の「砂の女」の存在感を思わざるを得ない。ま、夢想空想妄想の類いだね。
映画「砂の器」の冒頭で:「つくっては壊れを繰り返す砂の器のように人の幸せは儚いもの」「砂で作った器には、何を入れようとしても絶対に満ちることはない。いずれ壊れ崩れていくのが砂の『宿命』だから」…時代の世相を背景としているのだろう。
松本清張の「砂の器」が安部公房の「砂の女」に何かしらの刺激を与えたってことは……ないか。
ちなみに、「砂漠」と「沙漠」の異同は?
調べたら、「「沙」は古くからあった字で、「砂」は後世に作られた字。 「沙漠」は由緒正しい表記で、「砂漠」は現代ふつうの表記。 「沙」は1976年に人名用漢字に加えられるまで表外字でした。 意味に違いはありません」だって(「「沙漠」と「砂漠」の違いを教えてください。 ... - Yahoo!知恵袋」)。
但し、「「沙漠」とは、降雨量が少ないため、植物が生育しない。砂や小石ばかりの不毛土地を言います。「砂漠」とは、大陸で雨が少ないため植物が育たず砂ばかりの地」という意見も。文字が違うことで意味合いや使い方も異なってきたのか。
(頂いたコメントに)□☆さん なるほど日本じゃ高度成長の時代。特に東京近辺では東京オリンピックで首都高やら新幹線。千葉などの山を取り崩し、海や川の砂を掘り起こし。東京砂漠だったんですね。砂はまさにその象徴。
(頂いたコメントに)◎▽さん 多分、『デューン・砂の惑星』は続編も含め観てない。好みの映画なのに。『砂の本』や『怒りの葡萄』。後者は一昨年だったか再読しました。『砂の本』は知りません。あとで調べてみます。『砂の器』は映画館でも、テレビでも観ました。傑作です。『この子の七つのお祝いに』は観てない。観たいものです。「アメリカの演歌で、このダスト・ボウルを歌った哀歌」は聴いてみたい。アメリカの歌は基本 砂漠というか荒野っぽいですね。
(頂いたコメントに)ホルへ・ルイス・ボルヘスの『砂の本』は未読。読みたい本登録。『青いマリーヌの集まり』は知りません。聴けばこれか!と分かるかな。これも調べないと。どの国も右派タカ派は貧困層や欲求不満層に媚びる政策を掲げる。トランプも維新もN党も。要は既存の政党が取り零してる声を代弁するかのよう。既存の政権は既得権死守と旧弊な社会像や道徳観の墨守に終始。情けないばかり。 (02/05 04:52)
(ちゃんとした結論というわけじゃないが、60年代から70年代に懸けて「砂」絡みの作品群が生まれたのは、砂っぽく埃っぽかった時代の世相を反映してそうだということ。研究者ならもっと深掘りできそうなテーマだ。ちなみに、砂絡みの情報を検索していたら、ヴィンス・バイザー著の『砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか』を発見。読みたい本登録。)
過日読了した大江 健三郎/古井 由吉対談の『文学の淵を渡る』 (新潮文庫)は実に内容深いものだった。最終章の「漱石100年後の小説家」も興味深かったが、「言葉の宙に迷い、カオスを渡る」や「文学の伝承」などは考えさせられるヒントが多々。特に「『古事記』以来の日本語の文学のスパンで考えると、今後最初に消滅してしまうのが近代文学なのだろうと思います」という大江の発言(に至る対談の流れ)は何か深甚なる思いを抱かせる。
だからというわけではないが、及ばずながら『古事記』には解説書研究書現代語訳も含めこの四半世紀触れてきた。これからも。『平家物語』じゃないが、原文の音韻抑揚から感じ取れるものは翻訳では伝わらない。近代文学ということじゃなく、我々の言葉を紡ぎ出すしかない…という平凡で当たり障りのない結論覚悟しかないのだろう。
といって吾輩には到底消化しきれない。受け止めきれないのが情けない。
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