休日は休日にあらず
← 坂野徹 著『縄文人と弥生人 「日本人の起源」論争』(中公新書) 「縄文/弥生人モデルが二〇世紀後半に定着するまで、(中略)様々な説が唱えられてきた。(中略)近年はゲノム解析により、縄文/弥生人の図式もゆらぐ。起源を訪ねた研究者たちの足跡を辿り、日本人の自画像を描きだす。」
21日の土曜日は休日だった。が、二度の洗濯、買い物、庭での落ち葉掃き、畑での初のネーブル収穫、収穫したネーブルの親戚への送付、この三日間分のブログ日記など雑用多々。仕事より忙しい。
読書はお蔭で思ったようには進まない。坂野徹 著の『縄文人と弥生人 「日本人の起源」論争』を読了し、斎藤 幸平著の『ゼロからの『資本論』』 (NHK出版新書 )を読み出した。合間には、息抜きに伊坂 幸太郎作の『ゴールデンスランバー』 (新潮文庫)を少々。後者は一気読みしたかったが、そうもいかなかった。
坂野徹 著の『縄文人と弥生人 「日本人の起源」論争』を22日(日)に読了。縄文人と弥生人をめぐる「日本人の起源」論争がこれほど錯綜してきたとは驚きだ。そもそもこの縄文/弥生人モデルすら近年のもの。本書によると、「縄文/弥生人モデルが二〇世紀後半に定着するまで、(中略)様々な説が唱えられてきた。(中略)近年はゲノム解析により、縄文/弥生人の図式もゆら」いでいるというから、門外漢なれども目が離せない。
錯綜ぶりに眩暈しそうだった。吾輩には、「土偶の謎が解けた ! ?」のほうが楽しいか。
縄文/弥生人の図式もゆら」いでることに関しては、昨年夏、藤尾慎一郎 著『日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす』(中公新書)を読んだばかりだ(「隔靴搔痒の読書が続く」参照)。
吾輩としては最近の縄文ブームも偏見というか思い入れが過ぎていると思える。まるで梅原猛や岡本太郎らの論調そのものだ。
縄文への関心は長くて、ブログにても「群盲 縄文という巨象を撫でる」「蛍光で浮ぶケルトと縄文か」「阿久(あきゅう)なる縄文遺跡をいつか見ん!」「山野井徹著『日本の土 地質学が明かす黒土と縄文文化』に学ぶ」「縄文サンバにカエルコールに(後篇)」などなど数々の記事がある。
なお、著者の坂野徹は、「東京都生まれ 。1986年九州大学理学部生物学科卒、1994年東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論専攻博士課程単位取得退学、2005年「日本人類学の軌跡 1884-1952年」で学術博士。日本大学経済学部教授」という経歴の方(Wikipedia参照)
← 中北浩爾 著『日本共産党 「革命」を夢見た100年』(中公新書) 「戦前から高度成長期にかけて多くの若者や知識人を惹きつけ、巨大な政治的磁場を作った日本共産党。(中略)本書は、一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した百年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え同党の全貌を描く。」
中北浩爾 著の『日本共産党 「革命」を夢見た100年』を20日(金)に読了。「一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した百年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え同党の全貌を描く」という内容で、読了に十日以上を費やした。昨年、結党百年だったとか。
日本共産党は怖いとか一緒に政権を組むことはありえないとか、排除の論理…感情は連合からも示される。
野党支持ならまだしも、共産党を支持するなんてという排除拒否の感情は吾輩にもいつからか強烈に浸み込んでいる。洗脳されているとすら云えそう。シンパというだけで村八分にされることも…。
自民党の幹部が共産党は暴力の本音を今も持っていると、テレビの公開番組で公然と言い放ち、司会者はそんな討論に関係のない難癖を素直にスルーする。
百年の歴史には負、暗黒の歴史があるのも事実。ソ連や中国の影響力があった昔の話。今の時代には、論外だろう。
戦前、世の中が侵略戦争への道を突き進む中、共産党員は幹部を始め反対の姿勢を貫き、多くの党員が縛に付き命を奪われていった。国民の中には反対の人もいたのだろうが、そんな声をあげることはなかった(「「根拠なき誹謗中傷」/茂木発言に批判広がる」参照)。
吾輩の中には、共産党への畏怖の念があると同時に頑なで融通が利かず、自分たちだけが正しい堅苦しい集団というイメージが頑固に残っている。共産党員資格を剝奪されたり離脱した共産党崩れ連中の、だからこその感情剥き出しの共産党を敵視する姿勢の頑なさ。
世の中に今、アメリカに追随し、中国を敵視する風潮が醸成され、防衛費というより軍事費の倍額増加を座視する人も増えている。ロシアによるウクライナ侵攻とされる戦争が昨年二月末から大本営発表風にマスコミで連日連夜報じられている。明らかな洗脳だろう。
ロシア憎し一辺倒の報道に疑いを持たない、持つのは異常だという風潮は怖い。こうして世論が形成されていくのか。正論を吐くのは世間知らず?
本書は内容案内によると、「近年、野党共闘による政権交代を目標に据える。政権を担える事実上の社会民主主義政党になったのか、今なお暴力革命を狙っているのか」をも扱っている。結論的には暴力革命など論外の党になっているというが、では今の日本共産党に排除の論理や感情を打破しえる展望が描けているかというと、著者ならずとも見えているとは言い難い。
なお、著者の経歴は、「中北 浩爾(なかきた こうじ、1968年9月28日 - )は、日本の政治学者。専門は日本政治史。一橋大学大学院社会学研究科教授。英ラウトレッジ"Labor History"誌最優秀論文賞受賞」(Wikipedia参照)。
← 山茶花は咲いては散る、散っては咲くを繰り返している。椿はほとんどが蕾。開花がちらほら。
今年初めてシャンプーで洗髪。1ヶ月ぶり。確か師走に床屋さんで。 (01/21 21:50)
ヤスパースなんて哲学者の名前が読書メーターに。懐かしい。学生時代、齧ったっけ。ハイデガーのアクの強さには比べようもない。 (01/21 18:58)
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