孤独な宇宙の旅人
← スティーブ・シルバーマン著『自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実』(正高信男/入口真夕子訳 ブルーバックス) 「現代は自閉症が増えている ! ? 天才や起業家には自閉症的傾向が多い!?20世紀初頭に研究が始まった自閉症。さまざまな誤解と偏見を経て脳科学的に理解されるまでをたどりながら、「自閉症スペクトラム」と呼ばれる人たちの真の姿に迫る。」
書庫を漁ってたら、なにやら懐かしいものが。もしかして…。手に取ってみたら、高一の三学期に書いた日記だった。学生時代、郷里を離れた吾輩は、親に覗かれるのを怖れて二十歳までの日記は手紙(高3の夏に書いた父母への、何故大学は哲学科を志望するか…といった長文の手紙もあった)も含めて全て燃やした。台所の外にドラム缶があって燃えるゴミを処理していた。そこで一気に。
今となっては惜しい気がする。一番、感受性の強かった時期で、だからこそ誰にも読まれたくなかったことも赤裸々に。もう、何を書いたかさっぱり覚えていない。ところが、高一の三学期のメモ帳風な日記が残っていた! 日記の書き始めで、メモ書きだけど、へえーと赤面。結構、必死だったし健気だった。
(二十歳以降の日記は他人を意識して、多少は無難に書くようになった。時には敢えて崩した字で書いたり。)
高校時代のある時期からの日記は大学ノートに書いていた。そのノート類は(二十歳までの分は)すべて燃やした。
今日見つけた日記帳はメモ帳に毛の生えたような小ぶりな手帳。だから見逃したのかもしれない。
高1は自分にとって一つの画期(わずか半年のサッカー部体験も思い出深いが、この日記帳にはサッカー部を止めようか、いつ辞めることを告げようかと迷っている吐露もメモってある)。シャーロッテ・ブロンテの『ジェイン・エア』を読んで文学に開眼した。中学生の頃からトルストイやロマン・ロランなどを読んできたが、ブロンテの小説を読んで本物を実感した。一度、文学に限らず水準以上の作品を読むと、ありきたりな作品は読めなくなる。
以後、文学もだが哲学へ関心が移っていった。世界の名著シリーズを刊行順に読んで行ったり。
山内 マリコ著の『ここは退屈迎えに来て』 (幻冬舎文庫)と、合間にスティーブ・シルバーマン著の『自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実』 (ブルーバックス)を読んで過ごした。『ここは退屈迎えに来て』は短編集。恐らくは富山市を舞台。若い子には退屈な町なんだろうな。やがて目先の生活に追われ落ち着いていくのだろう。
もっと若いころに読んでいたら、ひりひりする感じが味わえたかもしれない。でも、自分の人生とはまるで違う。
快晴の一日。バイクてツーリングしたい陽気。午後遅めの時間に、自転車を転がして買い物に。立山連峰が傾き始めた日に照らされて稜線がくっきり鮮やか。積雪もあって赤味の混じる白と険しい崖の黒との濃淡が、まさに冬の時期ならではのコントラストを見せる。
写真に撮りたくて、開けた場所に来たら、ちょっとでも山に迫ろうとするが、そうすると住宅街の屋根やマンションが邪魔になって山並みが沈んでしまう。常願寺川か神通川の土手に立てば絶好の絵が撮れるだろう…が、そんな元気は最早ない。
耐震診断を当局か専門家に依頼するか、ずっと迷ってきた。その前に相続の問題をどうするか。段取りが分からない。相談する相手もいない。という状態でこの十年グズグズ。打開すべき。
ガス代の請求が来た。今までの倍額。やはり二口コンロの不具合が効いてる。ラーメンを作るのに、指でスイッチを押し続けるなど、かなり過剰にガスを使ってる?
テレビドラマ『相棒』の再放送が終わった。必ず録画して観てきたのだが。「相棒」への羨望。人気のない心の空漠。
はぐれ惑星は何処へ向かう。地球もいつかははぐれ惑星になる。凍てついた宇宙の中の凍てついた大地。いや大地なんて云うのもおこがましい。震撼するしかない闇の宇宙の塵ですらない。でも、その奥底には生命の欠片がしぶとく生き延びている可能性もある。
はぐれ惑星は通常の惑星の二倍もあるとか。みんなはぐれていくのだ。孤独な宇宙の旅人。偏在し、宇宙を迷い続ける。なんて孤独なんだろう。孤独という言葉など通用しない。無ですらない。
[以上すべて、1月11日の夕方に書いた。]
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