ここは退屈迎えに来て…ここって富山のこと?
← ジョン・D・バロウ 著『科学にわからないことがある理由 -不可能の起源-』(松浦俊輔 訳 青土社) 「宇宙論における「人間原理」の第一人者が、宇宙の神秘、最先端テクノロジーから宗教、芸術、政治まで、あらゆる分野の〈不可能〉を精査し、科学史上最大の謎にして、人間の知的探求の原動力である「不可能」という核心的問題に肉薄する。」 昨日買ってきた本の一冊。もう20年以上前に出た本。彼の本は見逃さずに読んできたから、本書も図書館本で読んだかもしれない。でも彼の本なら再読の甲斐がある。
外出以外は、庭仕事もほぼしなくて、二度に渡る洗濯の他は、居眠りと二冊の本を代わる代わる読んで過ごす休日。
その二冊とは、小泉 八雲著の『日本―一つの試論』(恒文社)とスティーブ・シルバーマン著の『自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実』 (ブルーバックス)とである。
八雲の本は数十年来、書庫に温存(?)してあった。八雲の中では知られていない(読まれていない)本。冒頭からは、平田篤胤や賀茂真淵、本居宣長らの書を参照に日本人論を語っている。嘗ての日本。明治のある時期までの日本、八雲が見聞きした頃の日本人は、そうだったのかと(やや眉唾気味に)読んでいた。が、段々、八雲の探究に引き込まれていく。16世紀後半のキリシタンの布教が齎した日本の危機の様、信長秀吉家康がどのように対処したかの記述は、既に素養ある人には常識に類する話なのだろうが、面白い。
シルバーマンの書は、訳者に曰くつきのものだが、それはそれとして、自閉症研究や治療の歴史は、時に悍ましいものがあって、優生思想など心胆を寒からしめるものがある。自閉症に限らず生まれながらに(あるいは育っていく中で)心身に<個性>を持つ子ら(あるいはその親や周囲の人たち)の暗澹たる扱いは、銘記すべきと思う。
ジョン・コルトレーンのCDを2枚昨日ブックオフで入手した。何を選べばいいか分からなかったが、聞く限りどちらも当たり。楽しめている。クラシックの方は微妙かな。既に持っているクラシックのCDの枚数は少なくて、聴く選択肢が少なかったのが、若干でも広まって嬉しい。
昨日買ってきた山内 マリコ著の『ここは退屈迎えに来て』 (幻冬舎文庫)は、作家が富山市出身ということで。富山市は退屈という作家の正直な気持ちが描かれている? それは読んでみないと分からないが、自分についてはほぼ孤立した生活を送っていて、退屈どころじゃない。無味無臭の味気ない日々。語り合う人もいない。
テレビというと、『相棒』を録画して観るくらい(あとはNHKの特集番組とか)。「相棒」が好きなのは、自分が相棒…でなくとも、語り合える心の友を求めているからに違いない。叶わぬ夢なのだろうが。
小説を書くということ。真正面から課題に向き合わないといけない。その覚悟が自分にあるか、改めて問われている。
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