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2022/12/07

火のないところに煙は…

 ← 横山秀夫著『クライマーズ・ハイ』(文春文庫) 「85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者らの濃密な一週間。会社や親子など人間関係を鋭く描いた新境地作品」

 横山秀夫作の『クライマーズ・ハイ』を6日、自宅で読了。書店で表紙画像を観て買った。吾輩が買った本の表紙には、北関東新聞の「日航ジャンボ機墜落炎上」なる大見出しの記事が一面となっている新聞画像が。御巣鷹山での墜落現場の写真が載っていて、まだ煙が燻っている。

 横山秀夫原作のテレビドラマは、「第三の時効 」「陰の季節」「半落ち」などを録画で何度となく見てきた。脚本や演出、訳者の演技もいいのだろうが、原作もしっかりしているに違いないと思ってきた。ようやく手にした。

「85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者らの濃密な一週間。会社や親子など人間関係を鋭く描いた新境地作品」と銘打たれているが、期待に違わぬ傑作。

 事故当時、某テレビ局が生存者の発見…ヘリコプターに吊り上げられる様子をリアルタイムで放映していたのを観たのは今も印象的。その名前も未だに覚えている。

 ノンフィクション作家・後藤正治の解説によると、作者の横山秀夫はこの当時、地元群馬の上毛新聞の記者で、「事故の模様を、おそらくもっとも深く知り、受け止めたジャーナリストであったろう。」

 横山秀夫は、事故から十七年後、渾身込めて作品化した。作品化するのに十七年! 多言は不要だろう。傑作なのは言うまでもない。 (12/08 18:25)

 

 今日(日)は休み。雨なので庭仕事はない。外出も上記したように頓挫。ほぼ終日、洗濯二回はルーティーンとして、あとは居眠りに読書、合間には気分転換に書庫の整理を少し。  読んでいるのは、レベッカ・ウラッグ・サイクス著の『ネアンデルタール』と、横山 秀夫著の『クライマーズ・ハイ』 (文春文庫)である。ともに裏起毛パンツを買いに行った際に、書店に立ち寄っての衝動買い。

 前者は、「ホモ・サピエンスと交配した「わたしたちにもっとも近い人類」。その文化や暮らしを、最新の研究をもとにいきいきと描く」というもの。ネアンデルタール研究は、近年加速している。ネアンデルタール像は一変したといって過言じゃないとか。サイクスの筆は軽快。ただし、やや文学調かも。

 後者の横山 秀夫は初読み。テレビドラマの原作作家という認識だったが、いずれ読みたいと思い続けてきた。書店で、本作品がジャンボジェット機墜落事故に絡むものと知り、即ゲットした。

 元は2003年に単行本で出ていたのだから、ファンならとっくに読んでしまっているのだろう。小生もテレビドラマは観た。ちょっと先入観が入りそうで、ややためらいがあったが、そこは横山作品だし、事故にも思い入れがあるので、敢えて読む。 (12/05 02:16)

 

 ← 横山秀夫著の「クライマーズ・ハイ」 読了。傑作を読んだ余韻冷めやらぬままに庭へ。モミジの葉っぱはほぼ散り果てた。裸木となって越冬。 (12/06 15:46)

 倉沢 愛子著『増補 女が学者になるとき: インドネシア研究奮闘記』 (岩波現代文庫 )を仕事の合間に車中で読み続けている。 
 インドネシア研究者の回想録。インドネシアについての知識はほぼ皆無。ふと、ブンガワンソロなる歌を思い出した。
『ブンガワンソロ』は、1951年制作の日本映画。市川崑が新東宝で撮った最後の作品(この後、東宝に復帰した)。市川崑監督 出演者 池部良 森繁久彌 伊藤雄之助 久慈あさみ 新東宝公開 1951年10月19日。太平洋戦争終結前夜のインドネシア・ジャワ島を舞台に、日本軍の脱走兵と彼に恋心を抱く村の娘の悲恋を描く。 (Wikipedia参照)
 生前の作品だし、映画は観てないはず。曲……歌だけかろうじて。懐メロで? ラジオで? 脳裏に物心つく前に刷り込まれていたようだ。

 著者の倉沢 愛子のことは尚更 知らない。本書にしても、読書メーターじゃなく、書店の岩波文庫の書棚で発見したもの。
「人物: 大阪市生まれ。東京大学在学中から日本占領期のインドネシア史を研究対象とした。その後、インドネシア研究の世界的拠点であるコーネル大学大学院に留学。後に、同大学で博士号を取得。同博士論文は『日本占領下のジャワ農村の変容』として日本で出版され、1992年のサントリー学芸賞を受賞した。 その後、視点を現代のインドネシア社会に移し、現地での生活とフィールドワークを通じて、開発政策の中で変容していく庶民の地域生活を分析、研究している。」

 本書には若い頃の近影数枚。美人。スタイルいい。読むモチベーション⤴⤴
 同氏は前向き。怖いもの知らずなのか、研究のためだからだろうが、知らない地域へも若い身空で一人で飛び込んでいく。現地取材での研究。こういう方がいるんだな。女性学者の草分け的存在。 (12/05 23:18)

 ← ネーブル豊作。今年は我が家も含め何処も柿などが豊作。だからか、ネーブルにチョッカイ出す野鳥も眼中にないのか、啄まれる被害も少なかった。さて、収穫するか…面倒。さすがにネーブルは近所に見掛けない。欲しい人は勝手に持ってって!  (12/08 12:02)

 レベッカ・ウラッグ・サイクス著の『ネアンデルタール』を読み出して一週間。ようやく三分の一に。ネアンデルタール研究最前線。ネアンデルタール像が近年 劇的に変貌。多様な石器どころか木製の食器まで。骨器も。面白い。 (12/08 11:56)

 火のないところに煙は……。非のないところに政治は……。日のないところに影は……。死のないところに生は…。 (12/08 16:45)

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