人より自動運転がまし?
← 倉沢愛子 著『増補 女が学者になるとき インドネシア研究奮闘記』( 岩波現代文庫) 「インドネシア研究の第一人者として知られる著者の原点とも言える日々をみずみずしい筆致で綴った半生記。」
今日木曜日は休み。雨がち。霙が降ってもおかしくない寒さ。折々晴れ間も覗くが、すぐ時雨れる。今日の分の食料は確保してあるので、買い物へも行かずに済む。洗濯を二度。乾燥も洗濯機で。
仕事は決して忙しいわけじゃないが、昨夜も雨中の仕事で疲労した。その疲労を取るため、居眠り三昧の一日。合間合間に、レベッカ・ウラッグ・サイクス著の『ネアンデルタール』(筑摩書房)やら、レミギウシュ・ムルス作の『あの日に消えたエヴァ』 (小学館文庫)をとっかえひっかえ読んで過ごした。後者はポーランドのベストセラーだとか。
ポーランドというと、シェンキェヴィチの『クォ・ヴァディス』や、スタニスワフ・レムの『完全な真空』『ソラリス』などを読んできた。未読だが、イェジ・アンジェイェフスキの『灰とダイヤモンド』などは有名だろう。
倉沢愛子 著の『増補 女が学者になるとき インドネシア研究奮闘記』を仕事の合間に車中にて読んできた。七日の夜半過ぎ、読了。
書店の岩波文庫コーナーで見出した。同氏のことは全く知らない。インドネシア研究なる分野があることも知る由もない。ただ、読書でも欧米に偏りがちな傾向に偏頗さを感じ、日本の古今の本はもちろんだが、韓国や中国、東南アジアなどアジア圏の本も読まないと、という一環の読書。
人物・来歴を観ると:「大阪市生まれ。東京大学在学中から日本占領期のインドネシア史を研究対象とした。その後、インドネシア研究の世界的拠点であるコーネル大学大学院に留学。後に、同大学で博士号を取得。同博士論文は『日本占領下のジャワ農村の変容』として日本で出版され、1992年のサントリー学芸賞を受賞した。その後、視点を現代のインドネシア社会に移し、現地での生活とフィールドワークを通じて、開発政策の中で変容していく庶民の地域生活を分析、研究している。」(Wikipedia参照)
著書に、専門書は無論だが、『アカデミアを離れてみたら――博士、道なき道をゆくアカデミアを離れてみたら――博士、道なき道をゆく』などがある。どうやら本書が一番ポピュラーな書らしい。
内容案内によると:「インドネシア研究の第一人者として知られる著者の原点とも言える日々を綴った半生記。体当たりで挑んだジャワのフィールド調査、アメリカ、オランダでの課題漬けの留学生活、博士論文執筆と就職、そして結婚、離婚、再婚……。著者の歩みは日本のインドネシア研究の発展過程と重なる。大学を退職し、70代半ばを迎えた今日の心境を綴った「補章 女は学者をやめられない」を収録。」
手付かずの分野(先の戦中に日本軍が為した占領や軍政下での実情が日本でも現地ですらきちんと研究されていなかった)を様々な方の協力を得ながらだとしても、我輩には無謀に思えるほどのヴァイタリティで危ない地に分け入るその研究熱心さには頭が下がる。妊娠出産と研究時間の制約の中で初の論文を仕上げる辺りはドラマチックでもある。
本書については、既に言わずもがなな感想を呟いている:「本書には若い頃の近影数枚。美人。スタイルいい。読むモチベーション⤴⤴ (中略)怖いもの知らずなのか、研究のためだからだろうが、知らない地域へも若い身空で一人で飛び込んでいく。現地取材での研究。こういう方がいるんだな。女性学者の草分け的存在。」
先覚者、まして女性というハンディを負っての奮闘ぶりは、今もってガラスの天井という厳しい環境にある若手女性研究者らにも励ましとなるだろう。
← 成田悠輔著『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』(SB新書) 「断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは日本は何も変わらない。これは冷笑ではない。もっと大事なことに目を向けようという呼びかけだ。何がもっと大事なのか? 選挙や政治、そして民主主義というゲームのルール自体をどう作り変えるか考えることだ。ゲームのルールを変えること、つまり革命であるーー。」「22世紀の民主主義 | SBクリエイティブ」
成田悠輔著の『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』を8日の午前、読了。大半を仕事の合間に車中にて読んだ。最近、マスコミに登場する機会も増えているようだ。ただ聞いていて発言の内容も主旨も理解が及ばなかったので、せめて本の一冊くらいは読んでおこうかと。
著者は、「日本の経済学者、起業家、論客。イェール大学助教授、一橋大学特任准教授、東京大学招聘研究員、半熟仮想株式会社代表取締役。専門はデータ・アルゴリズム・数学・ポエムを使ったビジネスと、公共政策の想像とデザイン」(Wikipedia参照)
「断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは日本は何も変わらない。(中略)これは冷笑ではない。もっと大事なことに目を向けようという呼びかけだ。何がもっと大事なのか? 選挙や政治、そして民主主義というゲームのルール自体をどう作り変えるか考えることだ。ゲームのルールを変えること、つまり革命であるーー。」(本書要約より抜粋)
「『22世紀の民主主義』(成田悠輔/著)|要約書評|BOOK-SMART」を参照すると、「私とイェール大学・須藤亜佑美さんが行ったデータ分析では、世論に耳を傾ける民主主義的な国ほど、今世紀に入ってから経済成長が低迷しつづけている。「民主世界の失われた 20年」とでも言うべきこの現象は、中国と米国を分析から除いても、G7諸国を除いても成立するし、どの大陸・地域でも見られる。グローバルな現象である」という。
著者は本書の要約において、以下のように主張する:「無意識民主主義は大衆の民意による意思決定(選挙民主主義)、少数のエリート選民による意思決定(知的専制主義)、そして情報・データによる意思決定(客観的最適化)の融合である。周縁から繁りはじめた無意識民主主義という雑草が、既得権益、中間組織、古い慣習の肥大化で身動きが取れなくなっている今の民主主義を枯らし、22世紀の民主主義に向けた土壌を肥やす。」
この要約を本文で説明しているのだが、吾輩には理解できなかった。AIを徹底活用し、政治家は着ぐるみのパンダで十分…。なるほど、今の国会議員の劣化を観ていると、憂える思いはなしとしないが、それでも世の中は欠点多き人間が支えていくしかないと、老兵は思うのだが。
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