観る前に飛ぶんだ
← 富山市内某所。拙稿「由緒ある八田橋が危ない」参照。その八田橋の数年に渡った工事も今では完了し、周辺の光景は一変した。
フィリップ・ジュリアン著の『世紀末の夢―象徴派芸術』を読了しての、かなり長文のメモを書いた。書き上げ直前、誤ってWindowsの窓を消してしまった。焦った。でも、数々の失敗があって、復元可能のはずと試したら、ちゃんと元の作成中の画面が浮上。さすがというか、皆さん、同じ失敗を重ねてらっしゃるんですね。だからこその復元ソフトの標準装備。 (10/24 20:42)
ヘレン・ピルチャー著の『Life Changing:ヒトが生命進化を加速する』(化学同人)を月曜、読み出した。昨年出ていたらしいが、先月、書店で発掘購入。今は本書と和田利男著の『漱石の漢詩』 (文春学藝ライブラリー)とを交互に。
後者では、漱石の漢詩への傾倒ぶりを筆者は説明する。熱心だが、数としては作られた漢詩の数は多くない。
だからこそ、少年時代、若いころ、そして晩年と、漢詩を通じて漱石の人生の、心境面でのダイジェストを垣間見る思いがする。
則天去私に至る境涯の変貌ぶりが赤裸々に。それにしても漱石の素養の凄さ…今更だけど。
[観る前に飛ぶんだ]
沈黙の宇宙。闇の奥に佇む湖の誘惑。眠りに陥る寸前の恐怖に似た感情の委縮。何を怖れて居る。溺れる苦しみ? 何を今さら。あるのは真っ赤な、それこそ燃え上がる炎の揺らめきに過ぎないのだ。際限のないぬめぬめした壁面の洞窟を潜り抜ければ、待っているのはお前の夢の躯。
ガラスの粉塵のような惨状に、どう凝視しても躯には見えないだろう。思い切って寝転んでみることだ。全身にラメのような輝きにのたうち回るに違いない。睡魔の奴の高笑いが聞こえるだろうぜ。
そう、お前に熟睡など許されていない。耳元で、それとも脳髄の中で銅鑼の音が鳴り響いてやまない。肉の身のはずが、粉砕されたコンクリートの瓦礫の、あの味も素っ気もない震撼とした牢獄の沈黙に呻くだけ。
格子の隙間からは何が見える? そうか、相変らずの沈黙の闇か。お前の成長のなさも病膏肓だな。
さあ、一緒に飛び降りようぜ。手に手を取って、飛び込むんでやるよ。観る前に飛ぶんだ。崖下へ。宇宙へ。
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