食事は腹八分目にしないとね
← 編著者 ロバート・キャンベル『日本古典と感染症』(角川ソフィア文庫) 「病をどう受け止めどう立ち直ったのか?古典文学からせまる書き下ろし15章」
常日頃、食事は腹八分目を心掛けてる。が、昨夜は食べ過ぎた。牛肉たっぷりのカレー(ライス)。日頃口にしたことのない高級品。頂き物だけを食べればいいのに、冷蔵庫の残り物を片付けようと…。日中の庭仕事の疲れを取ろうと…。憂い!
ロバート・キャンベル編著の『日本古典と感染症』を5日(月)読了。自宅で。
「医学や科学が現代よりも発達していなかったころ、人々は未知の感染症をどのようにとらえたか。感染症はいかにして広がり、そしてその困難の中、人はどのように希望を見出していったのか。『万葉集』に残る天然痘の挽歌、『源氏物語』に描かれるマラリア、『方丈記』養和の飢饉、『徒然草』などが描く流言蜚語、江戸時代の三密回避「疱瘡遠慮」、夏目漱石と腸チフスほか。約1300年間の記録をたどり感染症の地平を見わたす書き下ろし論集。」
ロバート・キャンベルの本を読みたいと予てより思っていた。同氏の論考も載っている。そこへタイムリーな内容の本。本書は21年の2月に刊行。そう、新型コロナパンデミックの真っ最中。感染症をテーマに日本の過去1300年の記録を辿っている。
同氏の妹は米国のCOVID‐19治療の拠点病院で医療カウンセラーとして働いており、窓外にPCR検査のテントがあり、遺体を運ぶトラックがあり、実際に彼女の大切な同僚も亡くなっているとか、
感染症と我々は呼称するが、嘗ては正体が不明だった。悪鬼の仕業。瘴気のなせる業。医師もいたし、薬師もいたが、庶民は神や仏に縋り祈るしかなかった。見えない敵。得体の知れない何かの蔓延。我々には想像を絶する恐怖だったろう。今こそ、書かれるべきテーマだろう。この観点から古典を読み返すと、理解が深まる気がする。
← 中村紘子著『アルゼンチンまでもぐりたい』(文春文庫) 「国際ピアノコンクールの舞台裏、演奏旅行先でのエピソード、世界のピアニスト達の不思議な生態など、失敗談から辛口の文明批評まで。エスプリ溢れる三十九篇のエッセイ集。」(解説:檀ふみ)
中村紘子著の『アルゼンチンまでもぐりたい』を車中で楽しんだ。3日(土)読了。再読。97年刊の第1刷。文庫入りを待っての入手だったようだ。当時、図書館通いの日々。本を限度いっぱい借りると同時に、CDも二枚は借りていた。主にクラシックかジャズ。当然、中村氏のCDもしばしば。
学生時代だったか、何かのクラシックの演奏会場で見かけた女性に何処か面影が似ていたことも、同氏のファンになった一因か。
つい先日、同氏の本(『チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代 』(中公文庫))を読んだばかり。書庫を引っ搔き回していたら、ひょいと本書が出現。これは読むしかない。頭がよく、音楽理解や価値観がしっかりしていて、自在な表現をひたすら楽しんだ。
← 吉行淳之介 (著)『私の文学放浪(1979)』 (角川文庫)「父エイスケの記憶、学生時代の思い出から、肺結核、第三の新人、芥川賞まで、自身の文学観をエピソードを交えて綴る、瑞々しい回想録」
吉行淳之介 著の『私の文学放浪』を3日(土)に読了。父の書庫にあったが、吾輩の蔵書の気がする。入手したのは、81年の5刷。吉行の作品の一つ2つは読んだが、いい読者とは言えない。題名と内容に惹かれて手を出したか。
大学卒業後、フリーターをしていたが、誘われるがままにサラリーマンになった頃だ。日和った自分に嫌気がさしていた。自分に喝を入れる気もあったか。
内容は、「父エイスケの記憶、学生時代の思い出から、肺結核、第三の新人、芥川賞まで、自身の文学観をエピソードを交えて綴る、瑞々しい回想録」といったもので、同氏の独自な歩みが瑞々しく生々しく。
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