愛しの和菓子・求肥は何処に
← 大岡信著『肉眼の思想 - 現代芸術の意味』(中公文庫 1979年6月) 背表紙:「現代芸術は今大きな過渡期の瀬を渡っている。その瀬の荒い流れ、大小さまざまな波にもまれつつ、自分の位置を確かめ、全体の展望を得ようと努力している一人の抒情詩人の顔貌と思索と批評の書」 表紙・扉 の絵は、白井晟一。解説は飯島耕一。
書店に寄ったら、本を買うのは当然として、栞と出版社が毎月出す冊子も貰ってくる。今回は、岩波書店「図書」吉川弘文館「本郷」小学館「STORY BOX」集英社「青春と読書」新潮社「波」の5冊。これらを読むのも楽しみ。……全部は読めないな。 (09/29 23:06)
書店のあとは、好きな和菓子を買いに地下の食堂街へ。
29日は快晴の休日。庭仕事日和だが、久しぶりに自転車を転がして書店へ。三か月ぶりか。書店の敷居が高い。古書店にも行きたい。庭仕事は最少に。先日の剪定で庭に散在している枝葉を拾い集め、植木の根元などに撒いた。
日中は、居眠りや洗濯(二度)、上記の外出に費やし、肝心の読書は進まない。ポール・デイヴィス著の『生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く』を60頁ほど。中身が濃い。それと、今日買ってきた、待望の文庫入りしたユヴァル・ノア・ハラリ著の『ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンス…』を早速読み出した。
大岡信著『肉眼の思想 - 現代芸術の意味』を28日に読了。90年に買って読んだ本。今回は久々の再読となる。
以前、「大岡氏の本はいろいろ読んできたが、80年代後半に入手した『抽象絵画への招待』 (岩波新書)が、絵画については刺激的で影響を受けた。ポロック、クレー、ミロ、ヴォルス、デュヴュッフェ、フォートリエなどなどの作品を見て回った。89年の一月からは、ポロックの作品(画集)などを横目に創作に励んだ。大岡氏の現代芸術への展望も変遷したのだと感じる。 いろいろ参考になることはあったが、大岡氏のレトリックを堪能させてもらった。」と書いたことがある。
背表紙には、「現代芸術は今大きな過渡期の瀬を渡っている。その瀬の荒い流れ、大小さまざまな波にもまれつつ、自分の位置を確かめ、全体の展望を得ようと努力している一人の抒情詩人の顔貌と思索と批評の書」とある。
古書扱いで、ネットでは詳しい情報は得られなかった。表紙・扉 の絵は、白井晟一。解説は飯島耕一である。
せっかくなので、目次を列挙しておく:「現代の創造 序にかえて」「技術時代の美術」「文学は救済でありうるか」「日本語の中に独創性を求めて」「イメージ時代の中のデザイン」「舞台空間における時代の形象化」「言語芸術には何が可能か」「公衆はどこにいるのか」「未来芸術への模索」「現代美術の中心と辺境」「美術に国境はないか <ことば>の普遍と特殊」「季節と文明 日本画私観」「現代のリリスム」「武満徹をめぐる二、三の観察」「三人の現代芸術家」
大岡氏の目配りの広さ深さが際立つ。中でも、「武満徹をめぐる二、三の観察」が秀逸だった。武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」を予感していたかのような文章だった。
富山で和菓子の定番は、月世界本舗「銘菓 月世界」とかいろいろあるが。吾輩の定番は、創業180年になる大野屋の和菓子。それは、万葉の歌人・大伴家持の歌に因んだ代表銘菓「とこなつ」。
それと、天保3年(1832年)創業の志乃原の代表銘菓「江出の月」との二品。
和菓子で一番好きなのは、求肥(ぎゅうひ)。「求肥とは、粉状のもち米や白玉粉に、水飴または水や砂糖を入れ練り上げたもの」のようだ。お餅と似て非なるもの。中国発祥だとか。その求肥にも各種あるが、吾輩の好きな求肥は、店頭ではなかなか見つからない。
遠い昔、親戚の誰かが我が家への手土産に持参したのを食べたのが、病み付きに。滅多に口にできなから、猶更恋しい。地下街の和菓子売り場にも目当ての求肥は見つからなかった。久しく目にも口にもしていない。
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