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2022/07/07

心ならずも本の纏め買い

 ← 佐藤正午 作『岩波文庫的 月の満ち欠け』(岩波文庫) 「選考委員たちを唸らせた熟練の業.第一五七回直木賞受賞作,待望の文庫化.(特別寄稿:伊坂幸太郎)」

  昨日は大和デパート(地下食品売り場)に用があった。そのついでというわけでもないが、せっかくなので、紀伊國屋書店へ。纏め買いするつもりはなかったのだが。近所にあった書店は次々に消滅し、会社や買い物帰りにブラッと本屋に立ち寄るという楽しみが消えてしまった。

 近所の小さな本屋で何か一冊を手にして帰る楽しみ。商店街自体が衰退している今日、仕方ないのだろう。淋しいことだ。

 佐藤正午 作の『岩波文庫的 月の満ち欠け』を今朝未明読了。最後は退屈で流してしまった。肌合いが合わない。伊坂幸太郎ら作家陣も称賛するのだから、優れた作品なのだろう。

 だが、推理小説に限らず、「月のように死んで,生まれ変わる」というから輪廻転生なのだろうか、こういった純粋小説からは食み出す意匠を採り入れる作品の通弊として、人間探求の切っ先の鋭さが撓んでしまう気がしてしまう。

 書き手として小細工に神経が奪われていると感じる。直木賞なら泥臭くてももっと人間味を描いてほしかった。

 

 ジャック・モノー著の『偶然と必然―現代生物学の思想的問いかけ』 40年以上昔だったか読んだ。再読もしたはず。今以て読むに値する書。

 いま読んでるチャールズ・コケル著の「進化の物理法則」にて言及。洞察の鋭さが際立つ。書庫に遺ってるかな。 (07/08 00:52)

 

 ロバート・キャンベル編著の『日本古典と感染症』 (角川ソフィア文庫)も昨日買った十数冊の一冊。

「『万葉集』に残る天然痘の挽歌、『源氏物語』に描かれるマラリア、『方丈記』養和の飢饉、『徒然草』などが描く流言蜚語、江戸時代の三密回避「疱瘡遠慮」、夏目漱石と腸チフスほか。約1300年間の記録をたどり感染症の地平を見わたす書き下ろし論集。」だとか。

 ロバート・キャンベルだからこそ集められた執筆陣。世に出る機会を得たというべきか。(07/07 23:46)

 

 稲垣 栄洋,三上 共著の『身近な雑草の愉快な生きかた』(ちくま文庫)も昨日買ってきた本の一冊。

 物……雑草なんて。まして雑草の本を読むなんて。日々雑草に悩まされてるからだよ。

 我輩は、京都などの寺の閑寂な庭に憧れる。が、小さな違和感も。雑草も落ち葉もない、掃き清められた庭。選び抜かれた植物相。選別の思想。排除の論理。そんなエリート意識ギリギリな雰囲気。

 薄汚れた存在など拒絶されそうな気がする。 (07/07 23:06)

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