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2022/05/08

棕櫚のえげつなき性

 ← 立野幸雄著『越中文学の情景―富山の近・現代文学作品』(桂書房)「東は朝日町小川温泉を舞台にする泉鏡花「湯女の魂」、西は庄川町を舞台にする水上勉「その橋まで」堀田善衛・小寺菊子ら出身作家を含む60作品を地域別に紹介、その文学背景を情感豊かに描く。読書や文学散歩の導きに格好の書」

 昨日の日記にも書いたが、回覧板を回しに外へ出たら、車道沿いの用水路に落ち葉が溜まっていることに気付いた。落ち葉掃除。段々、エスカレートして、夾竹桃の剪定など、気が付いたら一時間半も庭仕事。部屋着サンダル素手で。作業着に着替えての本格的な作業は控えめにしている。その代わり、随時、一時間前後の外仕事をする。体への負担を軽減するため。よほど、本格的な作業の必要な時は、覚悟を決めてやる!

 

 立野幸雄著の『越中文学の情景―富山の近・現代文学作品』を連休中の四日、読了。

 本書については、折々呟いてきた。以下、羅列的にピックアップ:

 仕事の合間に読んでたが、中身の充実ぶりに、昨日から自宅で。日本の文学の深さを富山の文学事情から。惜しむらくは(装丁の質素さは置くとして)索引が、ないこと。内容からして必須(但し、目次が充実してる)。あと、有名無名な作家が多数。それはいいのだが、(我輩の素養のなさはさておいて)未知の作家の名前(漢字表記)が読めない! 一部地名も。

 我が郷土ゆかりの小説を知りたくて、半ば資料集のつもりで読み出した。とんでもなかった。多数の作品が簡潔にダイジェストされてて、凝縮された短編集みたい。失礼な言い方ながら、掘出し物の本。

 柏原兵三 「坐棺」が誉められていた。夭逝の芥川賞作家。「長い道」が素晴らしい小説。「坐棺」は、読書メーターで検索しても見付からなかった。短編集に入ってる? (講談社文芸文庫の「徳山道助の帰郷・殉愛」に所収と教えていただいた。)

 

 ← 棕梠がおもしゅろい! 今の時期は、棕櫚の蕾や開花を観ることが出来る。ウニの実のような黄色の蕾。えげつないほどに露骨な性。 参照:「シュロ/しゅろ/棕櫚 - 庭木図鑑 植木ペディア

 

 ← 田中冬二『田中冬二著作集』(黒部市立図書館)

 

 つい先日、立野幸雄「越中文学の情景」を読了した。朝日新聞に同氏は「ぶらり つれづれ」なるエッセイを連載している。歴史の痕跡を訪ねて富山県内各地を巡るもの。我輩は、この連載で現在 大島絵本館の館長でもある同氏を知り、ファンになった。 

 今日の朝刊の「ぶらり つれづれ」での話題は、青洲の墓が富山にある、その謎を巡って。紀伊国生まれの青洲の墓が、何故 富山市の海岸寺にあるのか。 本書は50年ほど前の刊。当時は話題になり、幾度も映画・舞台・テレビドラマ化もされた。我輩もテレビドラマは観たが、有吉佐和子の本作は読んでない。 

参考:有吉 佐和子著『華岡青洲の妻』 (新潮文庫)

 

「銀行員として働きつつ、郷愁をテーマに多くの詩作を行う。専ら旅を題材とした詩を作り、山国や北国の自然、日常生活を初々しい感覚で表現した叙情詩集「青い夜道」(昭和4年)を発刊。多作ではなくマイナーポエットとも評されるが、一貫して日本の自然や生活に根ざした詩を作り続け、吉行淳之介は象徴的に「青い夜道の詩人」と評している。詩作のほか散文や俳句も手がけている。堀口大學らと交友関係があった。」 

 地元富山の作家詩人を読む一環。冬二は父の任地福島市で生まれた。父は今の黒部市生地町生まれ。母やえ(え はや行のえ)は、水橋生まれ。母の母は、安田銀行の創始者安田善次郎の妹。だからか、大学卒業後、安田銀行に入社。詩集「青い夜道」が有名。

 詩は、「だれにもわかりやすいことばで、だれにもわかる、そして、しかもだれにでも容易に書けないようなものが望ましい。」

 この冊子の表題は、「田中冬二著作集」だが、「田中冬二作品集」だと思う。(05/06 13:51)

 

ほしがれいをやくにおいがする 

ふるさとのさびしいひるめし時だ 

板屋根に石をのせた家々 

ほそぼそとほしがれいをやくにおいがする 

ふるさとのさびしいひるめし時だ 

がらんとしたしろい街道を 

山の雪売りが ひとりあるいている

 

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