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2022/04/14

雨の休日の過ごし方

 ← マーク・ミーオドヴニク (著)『Liquid 液体 : この素晴らしく、不思議で、危ないもの』(,松井信彦 訳 インターシフト (合同出版)) 「体液から地球の芯を流れる液体金属まで、石器時代の道具から最先端のラボオンチップ医療革命までーー 液体をめぐる人類の発見とイノベーションの物語」

 昨日の日記にも書いたけど、「雨の庭を散策するのも楽しい。木々や草花がしとしとする雨で水浴びをしてる、その快哉の声が聞こえてくるようだ。今日は休み。しかも雨。晴れてたら自転車で美術館などへ、なんて寝床では想ってたが、取り止め。その代わり庭仕事も堂々サボれる」。という次第で、14日はひたすらまったり(というか寝て)過ごした。といっても、洗濯を2回やったし、台所のゴミを片付けたりはしたけどね。

 マーク・ミーオドヴニク 著の『Liquid 液体 : この素晴らしく、不思議で、危ないもの』を13日読了。本書を巡っては折々呟いてきた。「水」についての本を買いたかったが、その前にこの「液体」をテーマの本が目についてしまい、ついゲットした。

 書き手のマーク・ミーオドヴニクは、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)の「材料と社会」学部教授で、英国王立協会マイケル・ファラデー賞を受賞という人物。専門性はもちろんだが、恐らくは一般向けの語りでも優れていると期待して手にした。

 内容の章立ての一部を示すと:

・文明を進化させた接着剤
・ボールペンは液体工学の天才が生んだ
・液体x結晶の「液晶」って?  
・飛行機のパワフルな燃料が爆発しないわけ 
・最高においしいコーヒー・紅茶とは? 
・液体石けんはアイデアの宝庫 
・呼吸できる液体&人工血液
・地球は液体の惑星だ 

 

  話は筆者がジェット旅客機に登場し飛行し、無事着陸するまでを、いかにも材料工学の専門家らしい着眼点ならではの視点で微に入り細に入り語っていく。登場すると、アナウンスで離陸前の機内安全に関する説明が始まるが、専門家の目からしたら語っていない、(あるいは敢えて)触れない安全に絡むあれこれに気付いてしまう。

 まずはジェット燃料であるケロシンの、ニトログリセリンの比ではない爆発的燃焼力について縷々。ついで機内で出される飲み物…お酒を廻って。エタノールとメタノールの異同など興味深く。

 ついで機内から垣間見える海ということで、水そして海水について。水の熱容量や波の持つエネルギーを巡って。

 さらに専門家が気になるのは、機体のこと。翼は本体に接着してあることから、モノをくっつける技術の高めることで文明は進化したと語っていく。以下、材料工学者の目からはジェット旅客機での逐一が語りの対象となるわけである。ドラマ「相棒」の右京さんなら気になるだろう、「最高においしいコーヒー・紅茶」についての蘊蓄は面白い…が、吾輩はもうインスタントで結構のタイプで参考にはしないだろう。

 付箋を付け出したらキリがなかった。個人的に興味深かったのは、今話題の量子コンピュータより今は液体コンピューティングの話だった。全くの初耳である。

 ただ、「水」の章はあったが、肝心のほぼ万能の溶液である水の秘密は語りの対象になかったことが残念。

 

 ← 青柳いづみこ 著『六本指のゴルトベルク』(〈解説〉中条省平 中公文庫) 「小説のなかに取り込まれた数々の名曲。無類の読書家でもあるピアニストが、音楽がもたらす深い意味を読み解く」

 青柳いづみこ 著の『六本指のゴルトベルク』を14日読了した。まずは筆者の履歴が凄い。「青柳/いづみこ ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程修了。1989年、論文「ドビュッシーと世紀末の美学」により、フランス音楽の分野で初の学術博士号を受ける」…まだまだ続く。そんじょそこらの書評家など足元にも及ばない。

 内容案内の「小説のなかに取り込まれた数々の名曲。無類の読書家でもあるピアニストが、音楽がもたらす深い意味を読み解く」は伊達じゃない。吾輩の感想など無駄だし僭越だろう。

 思うのは、楽器の一つも弾けたらいいなとか、学生時代の最後頃の一年通っていたピアノ教室の日々への悔恨(先生の名前はは今も覚えている。美人だったなー!)。カネが続かなくて止めたけど、練習だけは続けておけばよかったとか、せっかく楽譜が読めるようになったんだから、その能力だけは温存しておけばという、これまた痛恨事。今はCDやラジオで音楽を楽しむだけ。悲しからずや、嗚呼。

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