雑草盛りはいかがでしょうか
量子コンピュータもだが、テレボーテーションも実現されてしまった。サイエンスはまさに日進月歩。
つまり、SF作品で描いても、公表されて数年以内には科学的には陳腐とまでは言わないとしても、リアル世界で応用段階にあったりする。
実際、この短編集の中で、映話装置が出てくる。今日では、リモート会議も互いの顔を見ながらのスマホ会話も日常になっている。中学時代はSF少年だった吾輩が、高校生の頃にはその熱が冷めたのも、世界文学への開眼(?)体験があったこと、ポピュラーサイエンス本ではあるが、最先端の科学に接すると、もうSFなんかじゃないぞと、あっさりと早計にも見限ってしまったことにある。
それでも、SF本の世界は今も厳然としてある。人気を誇っている。スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』なんてとんでもない作品もある。スタンリー・キューブリックが製作・監督した、映画「2001年宇宙の旅」を初めて見たときの印象は今も鮮やかである。あのモノリスは何だ? 音楽音痴の吾輩に、リヒャルト・シュトラウスやらアラム・ハチャトゥリアンらの音楽を耳鳴りほどに刻ませたものだ。
その上で、レムと比べるのも見当違いと思いつつも、イーガン作品を振り返ると、やや物足りない。坂村健氏の解説も空しく、我輩にはイーガン作品の面白さは味わいきれなかった!
← 車道沿いの細長い花壇に、雑草盛り。そんじょそこらの活け花など目じゃない! 昔は、ペチュニアなど一年草の花の苗を植えていた。でも、毎年、新たに買う(植え替える)ことに疑問を持つように。……さすがにこんな雑草盛りに至り着くとは思いもよらなかったな。 (04/29 12:47)
今日はやたらと寒い。暖房使ってる。酒が飲めたら酒で体を暖めたい。余談だが、アルチュール・ランボーは、生まれつきアル中で乱暴だったから、この親がこの名前を付けたとか。あるいは異常な寒がりだったので、アル中で暖房と名乗ったとも。根拠はないが。 (04/29 19:04)
← 義江 明子 著『女帝の古代王権史』(ちくま新書)「古代天皇の継承は双系的なものだった。卑弥呼、推古、持統に焦点を当てて古代王権史を一望。男系万世一系という天皇像を書き換える。」
義江 明子 著『女帝の古代王権史』を金曜日夕方に読了した。義江 明子の書は初めて。
本書の内容は、「卑弥呼、推古、持統…、古代の女性統治者/女帝はどのような存在だったのか。かつては「中つぎ」に過ぎないと考えられていたが、この四半世紀に研究が大きく進み、皇位継承は女系と男系の双方を含む「双系」的にものだったことがわかった。七世紀まで、天皇には女系の要素も組み込まれていたのだ。古代王権史の流れを一望し、日本人の女帝像、ひいては男系の万世一系という天皇像を完全に書き換える、第一人者による決定版」に尽きる。
男系天皇や女系天皇の問題が云々される今日、ジェンダー史・女性史視点から女帝論をリードしてきた義江明子の本は、我輩にとっても、世間にとってもまさにタイムリーな書。門外漢の吾輩が言うのも僭越だが、史料批判も徹底しており、広く読まれるべき本と感じた。
「皇位の安定的継承のために女性/女系天皇容認を、という議論が盛んである。その一方で、男系男子継承は古来の”伝統”であるとして、旧宮家男子の皇籍復帰が検討されている」。本書はこうした議論に直接答えるものではないと、著者はあとがきで書いている。 ”伝統” の重要性が言われながらもその伝統の内容や成り立ちをほとんどの国民が知らないのではないか、という危機感(?)があるようだ。
著者は、伝統はそれぞれの時代において創られるものであり、本書のあとがきにおいて、「王権構造は社会の変化に応じて組み替えられ、”伝統” の中身も時代ごとに塗り替えられてきた」ことを示している。「主権者たる国民の象徴として位置づけられた現行憲法のもと、天皇/皇室のあり方も時代の要請に応じて変わり、新たな ”伝統” が国民によって共有されていくのは当然のこと」と語る。再々僭越ながら一読を薦める。
← 絵画作品で初めてショックだったのは、中学時代、月刊の学研に付いてたモディリアーニの絵だった。サイズはその月刊誌ほど。ゴッホやルノワールなどの作品との出合いも同じ月刊誌で。それまで絵というと、漫画か童話、絵本に限られていたのが、一気に世界が広がった。ムンクやキリコ、ダリ、クレーなどと出合ったのは、高校の美術の授業で。ゆったり緩やかな授業で。同じクラスに後に美大の先生になった奴が居たっけ。彼はダリが好きだった。……しかし我輩はモディリアーニだ。好きになったわけじゃない。絵の可能性に気付かされたんだ。 (04/29 23:50)
カルヴィーノ作の『パロマー』(岩波文庫)を昨夜半から読み始めた。
古書店で発掘した本。美麗な状態。ハトロン紙でカバーしてある。勿体ないので、その上からカバーして読むことにする。
古書店で本書を見付けた時、題名の「パロマ―」に、え、あのカルヴィーノがパロマ山天文台の話題を? と、びっくりした。(04/30 00:15)
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