アインシュタインと冷蔵庫
← 遠藤 周作【著】『海と毒薬 (新装版)』(解説:夏川草介 講談社文庫) 「生きたままの人間を解剖する―戦争末期、九州大学附属病院で実際に起こった米軍舗虜に対する残虐行為に参加したのは、医学部助手の小心な青年だった。彼に人間としての良心はなかったのか?神を持たない日本人にとっての“罪の意識”“倫理”とはなにかを根源的に問いかける不朽の長編」
シェイクスピアのハムレットを読もうとした。古書店でゲットした岩波文庫。外見は新刊っぽい。が、読み出したら、書き込み多数。クソッ 気が付かんかった。読むの止めた。 (04/12 00:00)
遠藤 周作【著】『海と毒薬 (新装版)』を今朝未明読了。過日、石井部隊関連の本(青木 冨貴子著『731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く』)を読んで、本書のことを知った。知ってはいたが、題名だけ。「九州大学附属病院で実際に起こった米軍舗虜に対する残虐行為」を巡る本とは知らなかった。本書が刊行されたのは、一九五八年。当時は日本人にはあまり知られていなかった陰惨な事件を世に知らしめた小説で、衝撃的だったようだ。何しろ、「無抵抗の捕虜を生きたまま解剖し、死に至らしめた事件」なのである。今でも読まれているのか。解説を担った医師の夏川草介氏によると、「神を持たない日本人にとっての“罪の意識”“倫理”とはなにかを根源的に問いかける」小説だとか。731事件は軍が主体となっていたが、この事件は医師らの蛮行。この小説の眼目は、事件を告発することにあるのではなく、そこは作家である遠藤らしく、医師らの良心の在りよう、ひいては神なき日本人の良心の拠り所を問うところにあったと、解説の夏川氏は言う。キリスト教もイスラム教も、ユダヤ教も砂漠の宗教。誰も見ていない砂漠にあって、対峙し得るのは神だけという宗教。一方、日本は八百万の神々が跋扈する。温帯の気候だからか、罪の意識が湿気と黴とに韜晦されてしまう…のだろうか。絶対者という存在は日本人には馴染まない発想なのか。問いは重い。何をどう考えるかは読者なのである。
マーク・ミーオドヴニク著の『Liquid 液体 : この素晴らしく、不思議で、危ないもの』を読み続けている。気になる記述に遭遇。
「アインシュタインとシラードの冷蔵庫では、1920年代ドイツで物理学者アルベルト・アインシュタインと物理学者レオ・シラードが考案し特許申請した3種類の形式の冷蔵庫について述べる。電気式の冷蔵庫は当時普及しはじめたものの有毒な冷媒を用いていたために死亡事故を引き起こしていた。アインシュタインとシラードの冷蔵庫では可動部分をなくすことで冷媒が漏れる心配をなくすことを目指していた。それぞれの形式でプロトタイプが作成されたものの、いくつかの技術的問題やドイツの経済状況のためにいずれも商品化されることはなかった。」(Wikipediaより)
アインシュタインが冷蔵庫の安全な冷却装置の開発に関わっていたとは、初耳。冷蔵庫の出始めの頃は、冷却液が漏れだしての死亡事故があって、アインシュタインは心を傷めていたとか。(04/11 23:56)
← 板垣 千佳子編『ラドゥ・ルプーは語らない。沈黙のピアニストをたどる20の素描(デッサン)』(アルテスパブリッシング)「ルーマニアの生んだ至高のピアニスト、ラドゥ・ルプー。(中略)伝説のピアニストとなったルプーの素顔を、彼を敬愛する20人の音楽家、関係者などの寄稿やインタビューで描きだす。(中略)音楽評論家・青澤隆明による珠玉のルプー論も収録。 口絵にはルプー夫妻提供の貴重な写真を掲載! 日本オリジナル企画にして、本人公認の唯一の書籍が誕生!」
板垣 千佳子編の『ラドゥ・ルプーは語らない。沈黙のピアニストをたどる20の素描(デッサン)』を読了した。名うての演奏家や聴き手が、その演奏に接した瞬間、魅せられ忘れられなくなってしまうという至高のピアニスト。「伝説のピアニストとなったルプーの素顔を、彼を敬愛する20人の音楽家、関係者などの寄稿やインタビューで描きだす」というもの。演奏するルプーがそこにいる、音は今そこで鳴っている。が、誰も真似のできない世界が脈動する。本書を読んで、ルプー理解が深まるというわけじゃないだろう。ルプーを廻り彼の世界に浸りたい一心なのである。本書の感想などない。彼の音源に触れつつ、本書を読むのが一番いいのかもしれない。
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