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2022/03/19

梅は花の盛りだが

Hagaki ← 『中島敦の絵はがきー南洋から愛息へ』(編:山下真史 発行:中島敦の会 神奈川県立近代文学館


中島敦の絵はがきー南洋から愛息へ』を一昨日(金曜日)読了した。仕事の合間の楽しみで読んだ…というか葉書を眺めた。昭和一六年七月から翌年一月にかけて、中島敦は、赴任先の南洋から、家族や友人たちに宛てて、数多くのはがきや手紙を送って」いた。「現在、一五五通が残っていて、県立神奈川近代文学館に所蔵されて」いる。「本書には、そのうち息子桓(たけし)と格(のぼる)に送った書簡・はがき八一通をカラーで収録」した(はがきは原寸大)。


 中島敦は、赴任中の一時期、南洋諸島のあちこちの公学校を視察した。敦はこの旅で委任統治の実態をつぶさに見ることになった。土人(ママ)たちが大好きな敦だったが、彼らへの教育が彼らを不幸にすると痛感した。彼らのための教科書作りは無意味に感じた。公学校の教育はひどいものだ、人間の子を扱っているとは思えない、そう日本への手紙に書いている。敦は病気になったり、日本による土民教育に嫌悪感を抱いたりしたが、素晴らしい出会いもあった。民俗学者で彫刻家・画家でもあった土方久功(ひさかつ)と出会い、意気投合した。帰国後、土方は日本のゴーギャンと新聞で紹介されたりして有名になったとか。
 とにかく、中島敦の息子への自筆のはがきを見ることが出来るのは、あの『山月記』や『李陵』などの敦とは違う面が見られて、楽しい。

 

Photo_20220320210301 ← 買い物から帰宅して、庭を観て回る。梅は咲いたが、水仙やムスカリは未だ。木瓜には、ボの濁点くらいな可愛い蕾。 (03/20 18:59)

 

  テレビで伝えてた……「ウクライナ情勢を受け、1970年公開の名作イタリア映画『ひまわり 50周年HDレストア版』の劇場上映&自主上映会の開催が全国に急拡大している」とか。ウクライナで撮影された? (03/18 14:30)
 滅多に一人で映画館に足を運ばない我輩がわざわざこの映画を観に行った。その動機…切っ掛けは覚えてない。(03/18 14:34)
「本作は、『靴みがき』(1946年)、『自転車泥棒』(48年)などで知られるネオレアリズモの名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督が、互いに思いながらも戦争によって引き裂かれた夫婦の姿を、ヘンリー・マンシーニによるあまりにも有名な甘く切ないテーマ曲に乗せて描き出す悲しき愛の物語。  イタリアを代表する名優ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが演じる、」
 またいつかゆっくり観たいものだ。

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