うんちくを傾けたい?
← ローランド・エノス著『「木」から辿る人類史 ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る』(水谷淳訳 NHK出版)「類人猿の樹上の巣から、交易に活用された木舟、多様な建築技術、エネルギー源としての木炭まで、つぶさに語られる木の驚くべき汎用性を通して、今まで見えていなかった新しい歴史の姿が現れる」
今日も安静に。除雪もしない。屋根の雪や庭の根雪もかなり溶けてきた。仕事復帰へのウオーミングアップを兼ねて、昨日に続き書斎などの片付け。書斎というとかっこいいが、本の他、いろんなものを積み重ねたり、物置きになってる。B5のコピー紙が何束も。使い道がなくて。古い日記(キャンパスノート)が何十冊も。父母の日記、父の鉄道員時代の記録などなど。(01/24 16:51)
ローランド・エノス著の『「木」から辿る人類史 ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る』を昨夜半に読了した。分野的にあまり手にしない本だったからか、自分が知らない間に人類学では随分と研究が進んでいた。読みながら何度も付箋を貼りメモしてきた。ブログ日記にもそれなりに書いてきた。
そもそも本書では、「定説では、石・青銅・鉄が重要な役割を担ったとされている。しかし、じつは「木」こそが歴史をつくった最も重要な鍵だと著者は言う」。
以下、彼の主張を順不同で羅列してみる:
イギリスやフランスなどの植民地時代(軍拡)の背景には巨木の獲得競争があった。それが嵩じて目が南北アメリカ大陸へ向かった。
イギリスの有名なストーンサークルを作るには切り出した木が役立っている。古代ギリシャの神殿でも木材があってこそ成り立った。
イースター島のモアイ像。「ダイアモンドのベストセラー『文明崩壊』(草思社)の中で、人類による環境破壊の象徴として紹介されている」。「島にあった森林をモアイ像の運搬用にすべて切り倒してしまった」結果の荒廃だ…云々。が、実は、「無人のイースター島でゆっくり育まれてきた森林は、13世紀に突如やってきた人間とネズミによって急速に破壊され、再生産できずに消滅したのである」(「イースター島の環境崩壊とモアイ | 国立民族学博物館」などを参照のこと)。
ヒトが体毛を失ったのは、狩猟仮説(長距離移動で汗で体熱を発散するのに役立っていた)ではなく、寄生虫対策だった。
(オランウータンの樹上生活の観察結果や)「化石の証拠からも、私たちの祖先は胴体や上肢がいまだ樹上生活に適応しているうちから、直立歩行できるよう下肢を徐々に変化させたことがわかっている。」
つまり、地上でのナックルウォークから直立歩行へと進化したわけじゃない。樹上生活で既に直立歩行が可能になっていた。
あのルーシーは、まだ樹上生活していた。木から落下して死んだ。腰骨などが落下により骨折していた。
調理(火…焚き火の利用)が、顔や歯などの骨の変化はもとより、消化の負担の減少、消化の時間の短縮、ひいては生活のゆとりをもたらした(食べ物探しや消化の悪いものを長時間で消化しないといけない云々など)。
従来の人類学では、石器が重要視されていた。石器の形などで、旧石器時代とか新石器時代に分ける。従前の教科書で見慣れた時代区分だ。
これは石器は痕跡として残りやすいことからの立論。一方、容易に木の使用があったはずと想像されても、木製品は腐食するなどして遺跡から見つかることはなかった。
が、近年、木製品の遺跡が次々と発見されてきたことから、人類史での石や木などの道具の位置付けも変貌を遂げつつある。石を加工するにも木を使うし、木を道具にするには石器を工夫する必要があった。両者を駆使することが脳の発達につながった…あるいは、脳の発達が道具の工夫に繋がっただろうということだ。
近年日本でも「三井不動産と竹中工務店は、日本橋において、木造高層建築物として国内最大・最高層となる賃貸オフィスビルの新築計画の検討に着手。2023年着工、2025年竣工を目指す」など、木材を使っての高層ビル建築への研究実用化が進んでいるようだが、欧米ではさらに研究が進んでいる。耐火の面でも鉄筋コンクリートの高層ビルより性能が勝っている:「日本橋に国内最大・最高層の木造ビル。三井不動産と竹中工務店 - Impress Watch」
以下、きりがないのでやめておく。あるいは各分野の専門家には常識の類かもしれないが、メモする値打ちはあったろう。
吾輩としては、縄文時代以来、樹木の利用が盛んになされてきたわけだし、国土の三分の二が山であり森であるわけで、日本人研究者の手でこうした人類史を書いてもらいたかったという思いが強い。せめて縄文時代から現代までの人と木の通史くらいは書いてほしい。あるいはすでにある?
← 増田隆一著『うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か』(ブルーバックス)「うんちとは……、進化の結晶にして生存戦略の武器だった! 思わず誰かに話したくなる「うんちのうんちく」が満載!」
増田隆一著の『うんち学入門 生き物にとって「排泄物」とは何か』を昨夜半から読み始めた。書店で平積みされていて、気が付いたら手にし、買い物かごに収まっていた。
読書にポリシーも変だが、2冊(2種類)の本を並行して読むようにしている。1冊は文系で小説や戯曲 俳句あるいは短歌などなど。もう1冊は理系……といっても一般向けのサイエンス本。両者は出来るだけジャンル的にテーマ的にもかけ離れているほうが望ましい。其々に新鮮に感じられる。今はもう1冊は、チヌア・アチェベ作の「崩れゆく絆」でアフリカの古典。これから読む本書とは世界が違う。(01/24 01:54)
内容紹介:「うんちに秘められた生き物たちの「すごい生きざま」! なぜするのか? いつからしはじめたのか? しない生き物はいるのか? なぜ茶色いのか? 臭い理由は? 「うんちに擬態する」生き物や、「他の生き物のうんちを食べる」動物がいる!? 仲間やライバルの行動を支配する、うんちを使った「情報」戦略とは? うんちとは……、進化の結晶にして生存戦略の武器だった! 思わず誰かに話したくなる「うんちのうんちく」が満載!」
著者は: 現在、北海道大学大学院理学研究院教授。哺乳類を中心に、分子系統進化学および動物地理学に取り組んでいる。研究では、動物を捕獲せずに非侵襲的に得られる排泄物を用いた遺伝子分析を取り入れてきた。2019年度日本動物学会賞、日本哺乳類学会賞を受賞。
上記の一般向けのサイエンス本には、経済学や社会学なども含めるので、理系というより一般向け啓蒙書かな。文系には、風俗も含めるか。では、音楽や絵画(アート)、建築は? 廃墟や古民家探訪ものは? やはり、文系じゃなく、文学(虚構作品)とその他全て(ルポやドキュメントを含む)か。(01/24 03:29)
いつか、父母の遺品室を作りたい。蔵が空っぽ。農機具や炭や煉炭、火鉢、謄写版、でっかいアルミのケース、黴だらけの漆の食器などなど。十数年前、父が蔵の中を整理したので、大半が処分された(布団や衣類など)。蔵の作りは立派。改装して父母の遺品室にしたい……。
さて今日も二時間弱の軽作業をやった。運動のうちには入らないが、リハビリにはなった?
父母の遺品室。父の鉄道員時代の諸々や篆刻作品の数々。母は民謡……三味線など。父母の賞状も10枚以上ある。父の蔵書も数百冊。もっとあったはずだが、時代小説や歴史小説だけ遺したようだ。父が最後に買ったのも時代小説だった(「のぼうの城」だったかな)。
父母は、十数巻の立派な百科辞典もいつしかなくなっていた。奥の座敷にあって、ガキの頃、親の目を盗んで、何かエッチな写真がないかと、鵜目鷹目で探しまくってた。あるいは病気の項目とかも好奇心で物色したっけ。我輩の大切にしてた漫画類も処分したようだ。「のらくろ」とか「忍者武芸帖」とか。(01/24 17:56)
百科辞典は、立派な磨硝子の書棚に収まってた。ホームズなどの岩波文庫などがぎっしり。ガキの我輩には活字の多さに、目がクラクラ。何故に、残してくれなかったのか。(01/24 18:00)
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