福井県年縞博物館へロングツーリング
北陸道を降りて、一般道を博物館目指して走り出して、いよいよ最後の曲がり角という箇所で、対向車とのすれ違いに気を奪われ、転倒しかかった。なんとか堪えたが、ガードレールとバイクの間で中途半端な体勢になり、傾いたバイクを起こせない。見かねた対向車の方がわざわざ降りてきて、バイクを起こすのを助けてくれた。手を振るくらいの挨拶しかできなかったのが情けない。有り難かった。あそこで倒れていたら、博物館へ行くなど論外だったろう。今、振り返っても冷や汗ものだ。
往復で450キロ余りのツーリング。我がバイクで高速を使って県外に行ったのは初めて。今までは県内だけ。往復で百キロほどのミニツーリングだった。正午に出発し、夜8時前に帰宅。明け方に寝て昼前に起きる生活。なのでスタートが遅い。余裕があれば、1泊くらいしたかったな。いつかは、水月湖など三方五湖を一周したい。読み友にも勧められたが、琵琶湖一周もしたい。それを「びわいち」と呼称するとか。
← 宵闇の予感の漂う水月湖の湖面。水鳥たちが憩っていた。水月湖に辿り着いた頃には、宵闇の予感。一周するという望みは諦めた。この湖の下 数十メートル底から年縞が始まっている。
入場券売り場のすぐ脇に小さなショップがあると気付かなくて、うっかり手ぶらで入場券売り場の前を通り過ぎて帰ろうとした。すると、誰か来館者が何かを買い求める声が。もしかしてと振り返るとショップがある! 小さすぎて見えなかった。お陰で、中川 毅著の「時を刻む湖――7万枚の地層に挑んだ科学者たち 」(岩波科学ライブラリー)や「年縞博物館 解説書」などをゲットできた。
自分なりの表現を目指す。いつかまとまった作品を書きたい。そのための素材集めを淡々と:
「あの日から始まっていた (26 古ぼけた障子紙)」
「あの日から始まっていた (27 ぬめり)」
← 塩田純一著『アルフレッド・ウォリス 海を描きつづけた船乗り画家』(みすず書房)「アルフレッド・ウォリスの絵はなぜか忘れがたい。絵とは何か。(中略)ウォリスは87年という生涯をどう生きたのか。〈船乗り〉としてどんな暮らしをしていたのか。〈芸術家〉としてどのような作品を遺したのか。〈船乗り〉であることと〈芸術家〉であることは、いったいどのように結びついていたのか。その生と芸術の細部に分け入ってみたい。」(本文より)
塩田純一著『アルフレッド・ウォリス 海を描きつづけた船乗り画家』を昼前、それこそツーリングへ旅立つ間際に読了した。時間が押して、レンチンの赤飯だけ食べて出発した慌ただしさ。240頁余りの本だが、画像がカラーや白黒も含め豊富だし、著者のアルフレッド・ウォリスへの思い入れも感じられ、一週間ほども費やして読んだ。後書きを読んで、著者が世田谷美術館に勤めていたり、数々の展覧会で日本でも80年代後半以降、ウォリスの作品が紹介されていたことにショックを受けた。当時は東京在住で趣味と云えば、展覧会巡りくらいだったので、世田谷美術館も含め目にする機会があったのではと思えてくる。観たのか、観たが気付かなかったのか、すれ違いに終わったのか、当時マメに買い求めていた図録は手放してしまっただけにいまとなっては確かめようがない。いずれにしろ、記憶にないのだから、今になってウォリスに出会ったと思うべきなのだろう。
先日のブログ日記に、「衝動買いの本。表紙の絵に惹かれた。アルフレッド・ウォリスは、アンリ・ルソーとは描かれる世界も手法も違うが、専門の絵描きでは望めない素朴さと描きたい世界への 郷愁の念に近い切迫感がある。どちらも、一度みたら忘れないタッチの絵」と書いた。それに尽きている。
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