« ホトトギスや秋明菊など | トップページ | ウルシ(漆)の木は野草 »

2021/10/07

車検は二年ごと…なのに車検へ

Fire ← ネルヴァル 作 『火の娘たち』(野崎 歓 訳 岩波文庫)「珠玉の短篇「シルヴィ」ほか、小説・戯曲・翻案・詩を一つに編み上げた作品集。夢と幻想の作家の代表作を爽やかな訳文で。」


 ネルヴァル 作の『火の娘たち』を本日読了。一週間ほどを費やして。
 ジェラール・ド・ネルヴァル(1808~1855)の名はかねがね知っていたが、読むのは初めて。ウンベルト・エーコが絶賛していたし、プルーストも高く評価していた。本書…本作は、小説、戯曲、翻案、詩を一つに編み上げた作品集である。ギリシャやローマの古典や旧跡を知悉しているとネルヴァルの世界はもっと奥行き深く楽しめただろう。自分の素養のなさを呪うばかりである(むろん、豊富な注釈は施されている。地図も)。


 正直初めは退屈な感があって、やや飛ばし気味に読んでいた。何処が面白いのか分からない。が、途中中東を含めたギリシャローマの古今の世界を自在に、あるいはまさに幻想の中で往還することが感じられてくると俄然、作品の世界が楽しめる。プルーストの『失われた時…』では、マドレーヌ効果が印象的なように、本作ではふとした機会に主人公は嘗ての世界の現前を目の当たりにする。そんな幻想。本書の半ば頃になって遅まきながら丁寧に読んでいくようになった。彼の世界を存分に楽しむには(特に馴染みのない吾輩のようなものは)たっぷりの素養か、幻想文学への馴染みが必要なのだろう。書庫に本書は収めないで、近いうちに再読したいと思った。

 

Hakrraku_20211007214401 ← 中西 進著『源氏物語と白楽天』(岩波書店) 「『源氏物語』の展開に沿って白楽天の詩文を読み,物語の主題や構想との関わりを考え,作者の意図を探る」

  中西 進著の『源氏物語と白楽天』を昨日読了した。二週間以上を費やした。
 『源氏物語 A・ウェイリー版第1巻』(著者:紫式部 英訳:アーサー・ウェイリー 日本語訳:毬矢まりえ+森山恵姉妹訳 左右社)を読了したが、第二巻が店頭になく、注文。届くまでの間の勉強に、20年以上前に読んだ本書を引っ張り出してきた。だから再読なのだが、少しは源氏関連書籍を読んできたのに、やはり手強い中身の濃い本。源氏物語の構成の卓抜さや物語の奥深さ、人間の業の抗い難さをつくづく学んだ。式部は白楽天の漢詩などを如何に深く巧妙に織り込んでいるか、溜息の出るほどである。
 吾輩の感想など野暮で無駄ですらある。筆者の結語の一部を示すだけにとどめる:「男の一代記としての光源氏物語は、幻を求める心を首尾とした物語であり、次代までもとり入れた物語は生死の境を超えて愛の因果に仕組まれた非情さをも主題とするものであった。白楽天の詩文を協奏する『源氏物語』の作業とは、こうした大きな宇宙観を読者に提示することだったのである。」
 本書を読む苦労は、そもそも「源氏物語」を地では読めないのに、それに輪をかけて、白楽天の詩文の書き下し文すらまともに理解できない自分の素養のなさに起因する。
 つまり、『源氏物語』自体が原文では読めないのに、白楽天(白居易)の白文(原文としての漢文)が読めない。,断っておくが、白文には「訓読文」を日本語の語順で書き表した「書き下し文」(「読み下し文」)が付されてある。その中の漢字熟語が読めない、まして意味が分からない。今回は再読なのだが、昔、全く源氏物語に接してなかった頃によく本書を手にしたものだ。ちゃんと通読はしている。右の目から左の目を通過したのだろうか。
 「白居易の詩は中国国内のみならず、日本や朝鮮のような周辺諸国の人々にまで愛好され」てきた。我輩ですら名前くらいは知らないではない。「844年には留学僧恵萼により67巻本の『白氏文集』が伝来している。平安文学に多大な影響を与え」た。菅原道真や清少納言はもとより、「紫式部は『源氏物語』「桐壺の巻」のほとんど全般にわたり、白居易の「長恨歌」から材を仰いでいる」。(中略)  ウェイリー版源氏物語の第二巻を入手するまでのつなぎの勉強と、永らく…二週間以上…読んできたが、なんとか読了。

 さて、今日、予約注文してあった「源氏物語 A・ウェイリー版第2巻」などを引き取ってきたので、早速、読み出した。

 

 全くの余談。「源氏物語」などには風情のある虫……鳴き声はでてくる。ところで蚊は出てこない(← 恐らく)。なぜ?

 

 車を車検に。その後、自転車を転がして町中の書店へ。本を物色中、電話が。車検は来年ですよ、だって。買って10年経過してる。毎年車検じゃないの? 何と法律が変わって 10年経過しても2年毎に車検なんだとか。買い物から帰って、荷物を置いてディーラーへ。車を引き取ってきた。出費を覚悟していた車検の経費10万円以上が浮いた!
 いつの間に法律が変わったのか。車の性能が上がり、故障が減ったからだとか。
 10年というのは一つの節目。毎年車検になるなら買い替えるかと、結構真剣に考えました。新しい車もいいかな、と。でも今は車の大転換期。ハイブリットか電気か、まだしばらくはガソリン車か、判断がつかない。2年車検ということで、考える猶予ができました。おカネも浮いたし!
 電気自動車にして、蓄電池代わりにするとか、我が家は築70年近いので、耐震基準どころか、台風が来たら倒壊の恐れがあるし、その際は避難場所を兼ねてワンボックスの大型にして、数日なら車で過ごすかとか(← 結構マジで考えてる)、あれこれ迷ってます。

 

Susuki_20211007214101 ← 我が家はススキ叢が方々に。ススキなど植えたはずがない。雑草? かなり引っこ抜いたが、生える勢いに勝てない。秋が深まると枯れススキに。……俺は我が家の枯れススキ~♪♪ 庭を散策してたら、紫露草や百合などがまだ。紫露草は1本だけだが、花が咲いてる。百合も開花しそうに身構えてる。でも、時期外れで蕾のまま固まっている。

 

 ブラタモリ……東京・白金の回の再放送。白金は昔 10年ほど住んでいた高輪の間近。近隣はウロウロした。藤村が教授した明治学院も近い。聖心の入り口にもチロッと入った。悔いているのは、白金の庭園美術館に足を運ばなかったこと。友人にも勧められていたのに。あまりに近くて結果的にスルーした。近隣は坂道曲がりくねった道が一杯。大使館も幾つも。
 住んでいた団地からは白金高輪駅に近い(居住当時は駅はなかった)。坂を登ると旧東海道(古代の東海道)が。高松宮邸や東海禅寺など。10分ほど歩くと赤穂浪士でも有名な泉岳寺が。
 参照:拙稿「東京は坂の町でもある」「坂のある町への想い

|

« ホトトギスや秋明菊など | トップページ | ウルシ(漆)の木は野草 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書評エッセイ」カテゴリの記事

思い出話」カテゴリの記事

恋愛・心と体」カテゴリの記事

写真日記」カテゴリの記事

読書メーター」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ホトトギスや秋明菊など | トップページ | ウルシ(漆)の木は野草 »