土偶の謎が解けた ! ?
← カラヴァッジョ作「聖トマスの不信 」(画像は、「聖トマスの不信 (カラヴァッジョ) - Wikipedia」より) 下記する岡田温司 著『ミメーシスを超えて 美術史の無意識を問う』への感想を参照のこと。
情けなくも、スマホのデータ制限量に達したとかで、今のところ、使用不能。今は自宅でパソコンから。仕事中など外出の際はスマホは使えません。格安スマホだから? あと一週間はスマホとおさらばです。
…と書いたが、我慢が出来ず、データ通信制限5ギガを超えることをOKに。今月の請求はどうなる?
← 竹倉史人 著『土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎』(晶文社)「日本考古学史上最大の謎の一つがいま、解き明かされる。土偶とは――「日本最古の神話」が刻み込まれた<植物像>であった!」
竹倉史人 著の『土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎』を読了した。土偶好きは少なからずいるに違いない。吾輩もその一人。特にあの遮光器土偶! その謎が解けるなら、なんとしても読みたい。
「現代までに全国各地で2万点近くの土偶が発見されている。 ・一般的な土偶の正体として 「妊娠女性をかたどったもの」 「病気の身代わり」 「狩猟の成功を祈願する対象」 「宇宙人」……」などの説がこれまでに展開された。が、実はいずれも確証が得られていない。」「実はいずれも確証が得られていない」というのは、呆気にとられた。そういえばあくまで土偶の外見や齎す雰囲気からの思い入れや勝手な解釈に過ぎなかったのだ。本書ではいやー、イコノロジー研究の手法を取り入れるなど、論旨が明快で痛快なほど。「縄文人の感性的世界の発露そのものである土偶を研究するのに、感性的アプローチを排除・抑圧した方法論によって土偶の謎に迫れるわけがない」という思いが強かったとか。考古学的な実証研究の成果が蓄積されているのに、過去合理的な理解が一つもなかったというのも驚き。考古学界の狭い発想を超えての探求は面白い。ネタバレになるので、具体的な論を示すことは避けておく。今は奇説扱いだろうが、説得力がある。お勧めだ。
← 表の畑から剥がしたシート。かなり古い。でも使えそう。と思って庭の通路に張ろうとした。が、ゴワゴワ。固い。悪戦苦闘。諦めるか。仕方なく、庭木の剪定開始。庭木、びっくりするほど伸びている。脚立に昇って頑張った。今日は休みということで庭仕事。二時間ほどの作業だったが、疲れた。その疲れは明日まで取れそうにない。
ニュースでも報じてたけど、「文科省の調査。家の蔵書数が多いほうがテストの正答率が高くなる傾向が明らかに。」経済的格差も大きな要因かも。ま、確かにおカネがあっても、本に費やすとは限らないけどね。
実を云うと我が家にも父の蔵書が多かった。昔の伝で、日本文学全集やら十巻物の百科事典や岩波文庫がずらっと。が、吾輩は一貫して漫画の本のみ。たまに、事典でHな項目を目を凝らして探すくらい。というか、本を読むことに後ろめたい思いがありました。この感覚が薄れたのは(今もある)社会人になってから! ということで、我が家については、蔵書と成績には相関がないです。
← 岡田温司 著『ミメーシスを超えて 美術史の無意識を問う』(勁草書房) 「絵の見方、美術の歴史を「父の機能」の一党支配から開放する戦略とは?」
岡田温司 著の『ミメーシスを超えて 美術史の無意識を問う』を読了した。仕事の合間の楽しみで読んできた。2000年5月刊だが、書物復権という11の出版社共同の復刊のコーナーがあって、2021年復刊の本を発掘してきた。美術書は読書の大きなジャンル。過去、百は超える本を読んできた。本書は題名(テーマ)からしてかなりハイトーン。表題の美術史の無意識を問うとは、これまでの美術を支配していたのは、絵の見方にしろ、そもそも美術の歴史自体が「父の機能」だったことを示すこと。本書で圧巻だったのは、第五章の「「傷」のメトニミー」だった。その副題は「カラヴァッジョの<聖トマスの不信>をめぐって」である。「メトニミー」とは換喩。
カラヴァッジョの<聖トマスの不信>なる作品はコピーされることの多かった作品だとか。そのオリジナルとされる作品には、「指でキリストの脇腹に触れる聖トマスの物語を描いた半身像…云々」とある。キリストが磔刑となった。脇腹に槍が突き刺された。復活したキリストが本物だと示すため、キリストが自らその傷口に聖トマスに指を指し入れさせる場面である。詳しい議論は避けるが、この有名な絵画には、傷口を近くから眺め、さらに三本の指で傷に触ることで、視角と触覚で傷の大きさを測ることで、男性であるキリストが女性となり、男性のトマスに指を挿入される構図…解釈も可能だという論である。ある人物は、「強く私が入っていったので、私は、私の魂が焦がれるものをとらえ、それを引き寄せて抱き、一日中深い接吻をした。(中略)口づけのなかでその唇を開き、私に深く口づけされるので」…その傷が信仰世界で重要な役割を果たしたという。フロイトの理論も援用されていて、何処か倒錯的。
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