2021年7月のPICK UP レビュー!
← 『須賀敦子が選んだ日本の名作: 60年代ミラノにて』 (河出文庫) 「須賀の編訳・解説で60年代イタリアで刊行された『日本現代文学選』から、とりわけ愛した樋口一葉や森?外、庄野潤三等の作品13篇を収録。解説は日本人にとっても日本文学への見事な誘いとなっている」
川端康成「ほくろの手紙」坪田譲治「お化けの世界」の2つを読んだ。川端の作品は初読。妻の黒子(ほくろ)を巡る夫婦の他愛ない話。……そんな夫婦の何気ない日常に康成は憧れていたのかな。坪田のは処女作だとか(今時 処女作なる文言はまずいかも)。坪田作品を読むのは初めて。大人の生活破綻の重苦しさが子供の世界にのしかかる。子供たちのやり取りを透かして時代の暗鬱が垣間見える。
第7作目は、太宰治の「ヴィヨンの妻」。主人公は、大谷! 断っておくが、あの大谷翔平とは関係ない……が、妙に明るく読んでしまった。しまった!
書店さん。レジ袋有料化の波に乗って……。一昨年までは数冊も買うと、紙袋に入れてくれた。書店の名前入りの。が、突如紙袋廃止。レジ袋に。無論 有料。やることがセコい。追い詰められてるのね。こっちも切羽詰まってるんだが。淋しい時代だ。
← 大津 栄一郎 編訳『20世紀アメリカ短篇選 上』(岩波文庫)「上巻には,オー・ヘンリー,ドライサー,ロンドン,フォークナー,スタインベックら,主として20世紀前半に活躍した作家達の秀作を収める.(中略) 鮮かな人間描写で20世紀前半のアメリカ社会をも浮彫りにする短篇集」
最初は、オー・ヘンリーの「平安の衣」。別に平安時代の衣じゃない。ちょっと切れ味 鈍いな。
2作目は、イーディス・ウォートンの「ローマ熱」。未知の作家。自慢の子を持つ夫人二人が避暑地で退屈な時を過ごす。一人は話すこともない所在無さに編み物してる。物語の初めは短調で退屈……余程 次の作品に飛ぶかと思ったくらい。が、我慢して読むと……そうか、初めチョロチョロ中パッパだったんだ。嵐の前の静けさ。二人の若い頃の若さ、若さの持つ浅慮 過ちが深く交錯して……。恋する情熱の過ち……その傷が泰平なはずの今になって痛いほどにぶり返す。傑作かどうか分からんが、印象に残る作品だった。
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