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2021/06/07

セルバンテス『ドン・キホーテ』と長い旅へ

Don_20210607210301 ← セルバンテス【作】『ドン・キホーテ〈前篇1〉』(牛島 信明【訳】岩波文庫)「騎士道本を読み過ぎて妄想にとらわれ、古ぼけた甲胄に身を固め、やせ馬ロシナンテに跨って旅に出る。その時代錯誤と肉体的脆弱さで、行く先々で嘲笑の的となるが…。登場する誰も彼もがとめどもなく饒舌な、セルバンテスの代表作」

 

 買い物に出掛けようとして、ふと胸のポケットを探したら、ない?! いつからポケットがなくなった? 改めて見直したら、裏返しだった。いつから裏返しのままだった?

 セルバンテス作の『ドン・キホーテ〈前篇1〉』を読了した。仕事の合間の楽しみに読んできた。仕事が暇なもので、今朝未明、休憩中に読了となった。


 予想外に面白い。訳もいい。騎士物語の読みすぎで吾こそは救世の騎士と思い込んでしまった挙げ句の狂気 という設定。本を読む。物語に没頭する。リアルな日常とは全く位相の違う世界が脳裏に渦巻き展開し、ついには虚構の世界がリアルを圧倒する。仮に狂気に至らなくとも人は(それを思い込み 偏見 色眼鏡……)何らかの思い入れ 思惑なしに生活することはできない。いや、物語を虚構して、いまここに居るのは仮の姿であり、本当は大金持ち 凄いタレントの持ち主 こんなぞんざいな扱いをされる謂れのない 格別な存在なのだ……
 40年あまり前に全体の3分1ほど読んで頓挫した。退屈だった? 1頁三段組みの部厚い本に霹靂した? 挫折の理由は多々あろうが、いま読んでいて人間にとっての物語の持つ意味……力をつくづく感じている。物語なしに人は生きられないのだろう。

 

Hoaru ← 生け垣のホタルブクロ。網の隙間から首を出して……。

 

 今日、数日ぶりに庭や畑仕事。ほとんど先日に続き、表の畑の草むしり。昨日だったか、一斉に草刈りされていた。この一角は、近所の奥さん方が畑として野菜作りしていたのが、みんな止めてしまったようだ。何か他の用途が決まったのか。
 さて、二時間半、ずっと蹲踞擬きの恰好。夏日……29度くらいで、汗びっしょり。これだけやると、今日はグッタリ。本を片手に寝落ちだな。
 それにしても暑い。早くも夏日が始まった。三日には扇風機を使い始めた。
 そういえば、二日(水曜日)病院から帰宅して、運動不足解消のためもあって、庭仕事に汗を流した。午後の四時から六時半まで。内庭の草むしりから、昔我が家の田圃だったのが今は他人の土地で畑になっている場所の草むしり。

 

Sense ← 岩堀修明/著『図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ水中から陸上へ』(ブルーバックス)「感覚器(中略)。そこには動物たちがくぐり抜けてきた試練の歴史が刻まれている。全身にあるミミズの原始的な視覚器から再び水中に戻ったクジラの絶妙な聴覚器まで、眼、舌、鼻、耳、皮膚…に秘められた壮大な進化の物語」

 

 岩堀修明著の『図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ水中から陸上へ』を仕事の合間の楽しみに読んでいる。書店で衝動的に手にしてしまった。帰宅して、本書が10年前の刊行と知った。やや教科書的な記述が単調に感じる。それでも、感覚器のことを知ることは楽しい。図解ということで、図が豊富なのは助かる。感覚の不思議。世界を認識する…。我々は世界をリアルに把握できているのだろうか。

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