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2021/05/10

マドレーヌ効果?

Hukumitu ← 富山県南砺市にある「福光美術館」へ。バイクが不調で、仕方なく車で。ここへは今まで数回は来ている。最初は、この美術館の目玉である、棟方志功(常設)を見に。訪ねた都度 外観は載せたので、今日はホールからガラス越しの庭園の眺めを。思えば内庭をじっくり眺めたことがない。

 ちなみに目当ての催しは昨日まで。片付け作業に入っていて、係員らが壁から作品を取り外していた。幾つかチラ見。すぐに会場から追い出された。催しの図録もないという。がっかりである。美術館…3密どころか、あんな立派な美術館に来館者は我輩一人。職員がパラパラ。何しに来たの?という顔……


 郊外を車で走る度に気付くこと。年々山が森が荒れてきている。藤……ツル性の植物などの蔓延りの目立つこと。

 美術館の売店でカタログなどを物色していたら、「織田一麿」の画集があった。珍しい。まさかここで。明治期から昭和期の芸術家、版画家である。十数年前、我がブログで扱ったことがある:「織田一磨…消え去りし世を画に遺す
 上掲の記事でも書いたが、織田一麿は富山は福野にゆかりのある版画家だった。ブログに書いたことをすっかり忘れていた。この美術館に図録があるのも故なしとしないのだ。

 

 久しぶりに入浴。恐々。入浴前に水。水のお陰か分からないが、湯中りはしなかった。これまた久しぶりに垢すり。これがしたかった。

 

Zariga  ← ディーリア・オーエンズ著『ザリガニの鳴くところ』( 友廣 純訳 早川書房)「ノースカロライナ州の湿地で青年の遺体が見つかる。村の人びとは「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。幼いころ家族に見捨てられてから、人々にさげすまれながらたった一人湿地で生き抜いてきたカイアは果たして犯人なのか」

 何かのデータによると(ある専門書にて知った)、ヒトは毎週クレジットカード1枚分のマイクロ・プラスチックを食べている勘定になるとか。ま、食物連鎖からして当然かな。自業自得?

 

 ディーリア・オーエンズ作の『ザリガニの鳴くところ』をこのところ読んでいる。いい作品なので、ゆっくりじっくり読んできた。が、さすがに明日には読了しそう。
 ところで、本書の中には、素敵な詩が幾つか載せてある。主人公である女性の好きな詩、思わず口ずさむ詩だが、恐らく作者が好きで、作品の流れにふさわしい詩を紹介したのだろう。
 ある詩に触れ、ふと、H・Wロングフェローの「矢と歌の行方」 という詩を思い出した。あるサイト(「「矢と歌の行方」 H・Wロングフェロー | そら およぐ うお 。」より)に日本語訳が載っていた:

私は矢を大空に放った

 

矢は私の見知らぬ大地に落ちた

 

飛び去る矢はあまりにも速くその行方を追うことなぞできはしなかった

 

私は大空に向かって歌を唄った

 

歌は私の知らぬ大地に消えた流れゆく歌の行方を見定める力など誰が持とう

 

幾多の歳月が流れ去ったのち私は樫の木に矢が折れてささっているのを見た

 

そしていつかの私の歌がそっくりそのまま友の心に宿っているのを知った…

 

         「矢と歌の行方」 H・Wロングフェロー

 

Hagi_20210510205001  ← ……かな。自信がなくて調べてみた。やはり、萩の新芽。今冬の豪雪で影も形も無くなっていた。が、先週だったか、葉っぱというか茎というのか、野草が生えているのに気付いた。周辺にはいろんな野草や雑草が生えてるので、しばらく放置してた。毟しらなくてよかった。

 

 せっかくなので、原詩を載せておく:

The Arrow and the Song ― H. W. Longfellow

 

1. I shot an arrow into the air,
It fell to earth, I knew not where;
For, so swiftly it flew, the sight
Could not follow it in its flight.

 

2. I breathed a song into the air.
It fell to earth I knew not where:
For who has sight so keen and strong,
That it can follow the flight of song?

 

3. Long, long afterward, in an oak
I found the arrow, still unbroke;
And the song, from beginning to end,
I found again in the heart of a friend.

 

 詩にも疎い吾輩である。確か中学の英語の教科書に載っていた。無論、英語だったが、出来の悪い我輩にも理解できる平明な詩。我輩が初めて感動した詩。あるいは我輩には唯一無二の詩かもしれない。
 上記したように、本書には主人公の女の子……女性の好きな詩(恐らく作者こそが好きな詩)が何編か載っている。いずれも素敵。ふと、中学生だった(当時も既に窓際族だった)我輩を感動させてくれた詩……その詩に接した歓びを思い出させてくれた。
 プルーストのマドレーヌ効果?

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