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2021/04/08

一日は24時間です(続々)

Hemi  ← ヘミングウェイ/著『老人と海』(高見浩/訳 新潮文庫)「自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る」

 会社が揺れている。コロナ禍にあっての苦境。売上向上のため、あるいは乗務員や社員への喝なのか、勤務体制を変更するとか。詳しくは承知しないので書けないが、あまりに長いコロナ禍。国など当局の無策無能がコロナ禍を加速させ縺れさせている。
 勤務体系、勤務時間帯、つまりは日常生活の変更は、始めてから一か月になっても、体も意識も慣れない。通勤時間も含めて日に十時間あまりの勤務拘束時間は、残りの自由になる時間は、洗濯や買い物、雑用などを鑑みると、数時間どころか、せいぜい二時間。庭仕事など論外だ。

Lathi ←  清水 透 著『ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー』( 岩波現代文庫)「メキシコを主なフィールドとし,長年にわたり「発見」される側に寄り添う視点から考察を重ねてきた著者が,既成の歴史観に根底的な問い直しを促す講義録」

 清水透 著の『ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー』を昨日、読了。
 南北アメリカの 特に先住民の歴史は、我輩の読書のテーマの一つ。欧米の植民地政策の エグさ! キリスト教の宣教は露骨に植民地政策に加担してる。苦悩と悲惨に満ちた歴史。ラテンアメリカは今 変貌を遂げつつあり、体制の液状化の様相を呈しているとか。当たり前だが、今も受難の歴史が築かれ津々あるのだ。
 ただ、「メキシコを主なフィールドとし,長年にわたり「発見」される側に寄り添う視点から考察を重ねてきた」という。前半はそういう視点があって興味深いが、後半になると、各種文献などを使っての歴史紹介風で、勉強にはなるが、本書の独自性はどうなのか…。

 

Houki  ← ホウキ草だろうか。枯れてしまっていた下草の間から新芽がスクスクと。

 

 この数年 見る夢のテーマ(?)が大学受験。難関大学らしい。なんで遠い昔のことが? そもそも受かりそうな大学しか受けてないし。受験日が迫ってるのに、全然勉強してない。教科書など開いたことない。
 今朝のこのテーマの夢は凝っていた。試験日が迫って のんびり屋の我輩もさすがに焦って勉強しなきゃとテキストを引っ張り出す。懸命に……が、まっさらな教科書に呆然。兎に角やらなきゃ。が、傍にいる兄貴がお袋とお喋り。その声が煩い。喧しくて勉強出来ないじゃないか! と捨て台詞して、兄貴の声の届かない部屋へ逃げ込もうとする。その我輩の背中に兄貴の冷笑する罵りが。お前 さんざんサボってきて、今さら俺の声が煩いって、お門違いだろ……
 ちなみに我輩には兄貴は居ない。大学受験で苦しんだ記憶もない(実力の範囲で受験する大学を選んだ)。せいぜい、滑り止めで受験するつもりだった大学に入試の申込みができないと冬休みになって気付いたことが汚点。大学の受験科目には、高3の夏から冬休みにかけて勉強していた科目がなかったのだ。気付くの遅すぎ。結果、第一志望の大学は一発勝負になった。
 どっちにしたって、遠い昔のこと。この先 受験の予定もない。何が心に圧し掛かっているのか。

 

Kiwi ← 死んだようだったキウイフルーツが芽吹いてる。同じ畑では、アンズの花が盛り。茶の間の出窓からは遠い。直下に眺める隣家の居間が羨ましい。

 ヘミングウェイ作の『老人と海』を読了した。数十年ぶりの再読。
 自らのフィッシング体験を駆使しての巨大なカジキや鮫たちとの格闘場面は迫力がある。老人の呟きはパートナーたる不在の少年への期待なのか、自らへの叱咤なのか。若き日のいかにもヘミングウェイ風な叙述の歯切れの良さに、時に後期になって磨かれてきたジョイス風な意識の流れ的手法の試みなのかと思える表現が加味され、大海の中での人間ドラマが一層 効果的に描かれている。ライバルたるフォークナーや親交あったジョイスもだが、メルヴィルの「白鯨」を一瞬 想起しそうになったが、ちょっと野暮な臆測かな。傑作。

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