一日は24時間です(再)
← マリオ・バルガス=リョサ著『悪い娘の悪戯』(八重樫克彦・八重樫由貴子訳 作品社)「世界各地の大都市を舞台に、ひとりの男がひとりの女に捧げた、40年に及ぶ濃密かつ凄絶な愛の軌跡」
マリオ・バルガス=リョサ作の『悪い娘の悪戯』を先月末に読了。最初にひと言。僭越ながら、(翻訳の)題名が気に食わない。バルガス=リョサは、ファンというわけでもないのだが、『密林の語り部』、『チボの狂宴』、『緑の家』など、何冊も読んできた。が、本書はノーマーク。古書店で偶然遭遇。ノーベル文学賞作家という大御所の作品で、敢えてゆっくりじっくり読んできた。 でも、段々、読む手が止まらなくなる。昨日そして今日で残りの150頁ほどを一気に読んでしまった。
実に面白い。愛する女性に散々翻弄されつつ、愛することはやめられない。愛を捧げる性愛の描写も読み手を飽きさせない。上手いものだ。というより、どの場面も読み手を楽しませる技術に秀でている。それは言うまでもないこととして、日本人が日本を至上の文化や伝統、人間味のある世界とするように、ペルー人たる主人公(語り手)は、日本を含め世界を股にかけて活躍する。現地の料理や男女や言語、文化を語り尽くし味わい尽くす。感想は、読みながら随時書いてきた。贅言は避ける。さすがの作品であることは断言していい。
余談だが、冒頭に書いたように、僭越とは思いつつ(翻訳の)題名が気に食わない。古書店で発見した際、著者が著者だけに一旦は手にしたが、すぐに放棄しそうになったよ。新品同様の古本。そうか、読まずに売り払ったのかなと、邪推すらした。パラッと捲って、読むに価すると直感したから買ったけどね。
← 天気晴朗。黄砂も去って庭仕事。その御褒美かな、今年は顔を見せなくて淋しかったのが、咲いているのに気付いた。ムスカリ。あちこちに。水仙群の黄色とムスカリの青紫と、ネーブルの白、木瓜の赤、葉っぱの緑などとの競演。(2021/03/31)
勤務体系(勤務帯)を変更して間もなく一か月になる。相変わらず馴染めないでいる。それでも、遅々ながらではあるが、一日の過ごし方のリズム感の片鱗みたいなものを掴みかけているような。
(通勤や着替え、出勤前のシャワーなどの準備を含めた)勤務時間帯は12時間。睡眠時間帯はだらだらと(寝たり起きたりの繰り返しながら)8時間。残りは計算上は4時間。その中に、少なくとも一度の食事や洗濯、買い物、団欒(?)と読書がある。となると、庭仕事などできないと分かってきた。
休みの日に雑用を片付ける。読書も勤務の日は一時間読めたらラッキー。あとは、仕事の合間の楽しみに読めたら幸いってところ。当面は勤務の日は月に22日から23日。休みの日が8日ある。そこを有効活用すればいいわけだ。
タイミングを掴めていないのが、ブログ日記を書くのをいつにするかである。2004年から続けている。止めたくはない。ブログを普段書くと、本を読む時間がさらに限られる。そこが問題だ。
[参照:「一日は24時間です」(2021/03/29)]
← 山口 椿(著)『闇の博物誌』 (青弓社) 「一塊の肉と化した屍体の群舞、阿片中毒者の阿鼻叫喚、残虐きわまる拷罰の歴史、現代にいたるこの世の闇の側。美麗と醜悪、此岸と彼岸、大いなるアンビヴァレンスに魅入られた世界を、アンダーグラウンドの白眉が硬質の水晶体で透徹する、哄笑と哀惜の一大博物誌」
山口 椿著の『闇の博物誌』を先月末に読了。
著者は戦後の混乱期などに貧困に喘ぎ、大人になっても自殺を図ったり、自身ダークな生き方をしてきた。アングラ風な芝居にも関わった。内容案内によると、「一塊の肉と化した屍体の群舞、阿片中毒者の阿鼻叫喚、残虐きわまる拷罰の歴史、(中略)大いなるアンビヴァレンスに魅入られた世界を、アンダーグラウンドの白眉が硬質の水晶体で透徹する、哄笑と哀惜の一大博物誌」といった本。 ダークサイドへ傾きがちな人間の性(さが)だろうか。この手の本への嗜好はいくら下世話で後ろめたかろうが、触手は隠せない。著者の世への忿懣炸裂の書か。
← 親戚の者が来る ということで昼前 眠い目を擦りながら慌てて掃除。過日 大掃除したので一時間も掛からず終える(やめる)。が、昼頃 電話が。急用で行けなくなったと。ガクッ。ま、いいか、寝直しだ。[画像は、内庭のカエデ。枯れ木のようだったのが、新緑に覆われてきた](2021/04/04)
「2021年3月の読書メーター」(2021/04/01)アップしている。
仕事の合間の楽しみには、パット・バー著の『イザベラ・バード 旅に生きた英国婦人』と清水 透著の『ラテンアメリカ五〇〇年――歴史のトルソー』 を、自宅では斎藤 幸平著の『人新世の「資本論」』 (集英社新書)とマーカス デュ・ソートイ著の『レンブラントの身震い』 (新潮クレスト・ブックス)とを読んでいる。日々少しずつ。
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