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2021/03/30

黄砂の書店ツーリング

23619 ← マリオ・バルガス=リョサ著『悪い娘の悪戯』(八重樫克彦・八重樫由貴子訳 作品社)「世界各地の大都市を舞台に、ひとりの男がひとりの女に捧げた、40年に及ぶ濃密かつ凄絶な愛の軌跡」

 三週間ぶりに書店へ。但し、前回は古書店。普通の書店へは二か月ぶり? 古書店での本の発掘が楽しいので、つい新刊本の書店へは足が遠ざかる。天気がまずまずだったので、久しぶりの休みだし、バイクでのツーリングを兼ね、往復60キロほどの書店へ。花粉なのか、黄砂なのか、濃霧のような大気の中、バイクで淡々と走る。アクセルは軽くしか開けないのだが、車はあっという間にはるか後方に。


 今日訪れた書店。大型書店でチェーン店の本店。前回は雰囲気がよかったのだが、中の配置が変わっていた。それはともかく、アニメかゲームの宣伝の音楽が煩い。ここは書店だぞ。読書メーターで買いたい本を登録してある。が、ほんの数年前やせいぜい十年前の本なのに、在庫がない、そんな本が多い。スマホは諦めて、書棚を物色して回るという地道な渉猟に切り替えた。読みたい本があまりに多い。
 物色の挙句、十数冊を籠に入れてレジへ。これだけまとめ買いしても、レジ袋はなかった。前回はあったのに。両手にたくさんの本は、なんとなく不格好。期待していた(趣味で集めている)栞も数種類だけ。残念。


 バルガス=リョサは、ファンというわけでもないのだが、『密林の語り部』、『チボの狂宴』、『緑の家』など、何冊も読んできた。ただ、この数年は、並行して読んできていたガルシア=マルケスにかまけて、やや遠ざかっていた。だからか、本書の存在は全くノーマークだった。古書店で見つけてびっくり。こんな作品あったの、という状態。
 しばらく読む予定の本を集めた棚に鎮座させておいて、背表紙をちらちらしながら、手にするタイミングを計ってきた?
 ノーベル文学賞作家という大御所の作品で、敢えてゆっくりじっくり読んできている。ブランデーを嗜むように? でも、段々、読む手が止まらなくなる。昨日そして今日で残りの150頁ほどを一気に読んじゃう見込み。
 実に面白い。愛する女性に散々翻弄されつつ、愛することはやめられない。愛を捧げる性愛の描写も読み手を飽きさせない。上手いものだ。というより、どの場面も読み手を楽しませる技術に秀でている。それは言うまでもないこととして、日本人が日本を至上の文化や伝統、人間味のある世界とするように、ペルー人たる主人公(語り手)は、日本を含め世界を股にかけて活躍する。現地の料理や男女や言語、文化を語り尽くし味わい尽くす。感想は読了してから書くが、さすがの作品であることは断言していい。

 自宅では、仕事の合間の楽しみに読んできた、山口 椿著『闇の博物誌』 (青弓社)を読んでいる。
 内容案内によると、「一塊の肉と化した屍体の群舞、阿片中毒者の阿鼻叫喚、残虐きわまる拷罰の歴史、現代にいたるこの世の闇の側。美麗と醜悪、此岸と彼岸、大いなるアンビヴァレンスに魅入られた世界を、アンダーグラウンドの白眉が硬質の水晶体で透徹する、哄笑と哀惜の一大博物誌」といった本。
 ダークサイドへ傾きがちな人間の性(さが)だろうか。この手の本への嗜好はいくら下世話で後ろめたかろうが、触手は隠せない。明日も休みなので、本書も今日明日で読了してしまいそう。

 

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