光明は見えない
← ヘンリー・ミラー=著『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』(田中西二郎=訳 文遊社)「『北回帰線』などを世に送り出したヘンリー・ミラー(1891-1980)が、その自然の美しさに魅了され、15年以上のあいだ居を構えたアメリカ西海岸のビッグ・サーでの生活を綴る。 風光明媚な土地、ビッグ・サーをミラーはアメリカの消費社会から隔絶したユートピアとして発見し、そこに生きる人々や自らの、いきいきとした暮らしぶりをユーモアたっぷりに描く」「ヘンリー・ミラー流の楽園論」
一昨日、仕事の日。昼前、不意に事務所(部長)から呼び出し。えっ、なんだ? 何かオレ やらかした? 思い当たることなど ないが……営業実績は惨憺たるもの。滅多に部長に呼ばれることなどない。あるいは、エッセンシャルワーカーの職種である我が会社に何かあったか。つい数日前、同業他社が廃業というニュースが(地元の)マスコミを賑わした。幸い廃業はしない。が、業界自体、厳しさがヒシヒシと。お先 真っ暗……ではないが、光明が遥か先なのは確かだ。
今朝、茶の間のカーテンを開け、外を観た瞬間、驚いたこと、それは畑一面の霜。滅多に霜を観た記憶がない(このこと自体 不自然?)。もう、二時間経ったのに、まだ真っ白。
目覚めは例によって夢……尿意で。真っ暗な中、手元のスタンドの明りを灯す。焦って時計を観る。大丈夫だ、間に合う……いや違う、今日は休みだ、出社に及ばない。それより、ほぼいつも通りの時間に目覚めたことに驚いた。体のリズムが仕事中心に合ってしまっている。休みの日でさえ、仕事が生活の基本。心どころか体さえ馴れてしまった。何だか淋しい気がする。
← アリス・マンロー/著『小説のように』(小竹由美子/訳 新潮クレスト・ブックス)「ロシア史上初の女性数学者をモデルにした意欲作「あまりに幸せ」など、人生の苦さ、切なさを鮮やかに描いて、長篇を凌ぐ読後感をもたらす珠玉の十篇」
ヘンリー・ミラー著の『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』に代わり、アリス・マンロー作の『小説のように』を読み始めた。ノーベル文学賞作家であるマンローの本は2冊め。
自宅では、ヴェリコフスキーの『衝突する宇宙』(鈴木 敬信:訳 法政大学出版局)を読み続けている。
ヘンリー・ミラー著の『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』を読了した。「1934年に『北回帰線』をパリで出版。その大胆な性描写ゆえにアメリカで発禁処分となった」ミラーだが、LAとサンフランシスコのちょうど中間に位置する風光明媚なビッグ・サーにある種の理想の地、40から50年代後半までのビッグ・サー一帯はほとんどが原生地帯だったようで、人影も疎らで、楽園を見出したのかもしれない。ジャック・ケルアックやリチャード・ブローティガンも訪れたことがあるとか。「自然とともに暮らしながら現代文明を批判する作品を生み出し、その精神はビート・ジェネレーションやヒッピー・カルチャーに継承されてい」たのかもしれないが、今となってはどうだろう。やや波長が違う感がある。時折、精神の閃きを感じることもあるが、凡庸な吾輩だと、退屈に感じることが多かった。もっと若かりし日に読むべき本だったかもしれない。
ちなみに、題名の「ヒエロニムス・ボスのオレンジ」だが、有名な「天国と地獄」や「最後の審判」のグロテスクで幻想的な世界とは違って、「至福千年」は楽園を描いていて、訳者によると「ミラーはそこにボスの魔術的ビジョンを、「現象的世界を透視し、それを透明にし、かくて原初のすがたをあらわにし」た異様なリアリティを発見した」という。ミラーはボスの絵に感じたオレンジとは? 本書の最後でミラーは、「この驚くべき土地を見たとき、ぼくはひそかに思った――「ここならば平和が見いだせるだろう。ここならばおれがやるべく定められた仕事をする力を見いだすだろう」と書いている。
参照:「AMERICAN BOOKS カリフォルニアを巡る物語 Vol.46『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』×ビッグ・サー | Fashion | Safari Online」
← パイプ車庫のあった場所。整地して、バイク置き場に。解体したパイプ車庫のパイプ類を使ってバイク用の車庫を作るか思案中。
雪の季節が終わり(← 若干期待先行)、バイクを移動させようと、エンジン点火してみたが、最初キュンキュンと弱々しい反応。なんとか始動してくれた。バッテリー上がり寸前だった。冬の間に乗らなくてもアイドリングだけはさせるのだが、今年はついサボってしまった。やばかった。
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