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2021/02/23

春の到来は憂鬱

Izmo_20210223203801  ← 関和彦【著】『古代出雲への旅 幕末の旅日記から原風景を読む』(中公新書)「神々の集う国・出雲。いまでもそこかしこに神社が見られる。これらのなかには『出雲国風土記』の時代に起源を求められるものも多く、古代史を封じ込めたタイムカプセルとも言える。幕末期、この風土記社を丹念に巡り、旅日記を残した男がいた。その男・和四郎は時に酔い伏し、時に神の娘と出会いながら、美保関から出雲大社まで足を伸ばす。新発見の日記を手に、私たちも古代史への旅に出よう」

 庭にはいろんな野鳥がやってくる。藪のような庭だからか。以前は野鳥はデジカメで撮ってた。レンズに黴が蔓延って使用不能に(畑仕事に常に携帯。汗だくで黴なのかな)。今はスマホのカメラ。近場の昆虫などは撮れるけど、木立の野鳥は遠くてアカン。
 バードウオッチャーではない。が、せっかく庭へのお客さんがいろいろ観られるんだし、撮りたい。植物はもちろん昆虫、カナヘビ、野鳥、近所の猫。一番撮りたいのは、月影。1度も成功したことない。

  関和彦著の『古代出雲への旅 幕末の旅日記から原風景を読む』を読了した。16年前に刊行。古書店で発見。幕末の旅に随行しちゃう! ということで読みだした。
「出雲国風土記」には、神社390社が載っている。出雲はやはり神々の国、神話の国だ。神在りの国だ。神社に大社に大明神が数知れず。歩き回るだけで神々を感じそう。
『出雲国風土記』の時代、幕末に出雲を旅した和四郎、その和四郎の足跡を彼の日記を手に旅した十数年前の出雲(本書は2005年の刊)、そして仮に今、旅したとしたら、四つの時代の出雲を訪ねることになる。失われた神社もあるようだ。干拓などで地形自体変貌している。それでも、神主さんら関係者が懸命に地道に古来の事績を保っておられる。こうした本や旅の試みは貴重だ。

 チャールズ ブコウスキーの「くそったれ!少年時代」と本書とを仕事の合間に交互に読んでる。バチアタリなのか、神代の生で素朴な男女の営みこそが古代以来の原始な世界だというべきか。

 

 ヘンリー・ミラー=著『ビッグ・サーとヒエロニムス・ボスのオレンジ』(田中西二郎=訳 文遊社)を読み着受けている。
 ヘンリー・ミラーって案外 お人好しみたい。あの「北回帰線」の作家とは思えない。訪ねてきた頓珍漢を謝絶したいのに招き入れて、このスットコドッコイ野郎と思っても罵倒も追い出しも出来ず、貴重なプライベートタイムを浪費して。生真面目でもあり、かなり真っ当。真っ当過ぎるのか。スタインベックの「チャーリーとの旅」をちょっとだけ彷彿。
 ミラーにしてもスタインベックにしても、小説を書くモードとエッセイなどを書くモードはかなり違う。


 ある種の幻想を抱いている。「チャタレー夫人の恋人」の作家 D・H・ロレンスの「無意識の幻想」ほどにアポカリプス的次元には程遠いけど。つまりヘンリー・ミラーは健全で理解や追随可能。D・H・ロレンス「無意識の幻想」 (中公文庫)は飛んでる。あるいは、フロベールの「聖アントワヌの誘惑」も幻想性は極みにある。

 

Shotou2-2 ← I.ヴェリコフスキー:著『衝突する宇宙』(鈴木 敬信:訳  法政大学出版局)「紀元前15世紀、彗星が地球に大接近して太陽は停止し、海水は山と盛り上がった。さらに前8世紀には、彗星に軌道を乱された火星の接近により、さらなる宇宙大災変が起こる。旧約聖書をはじめとする、世界各地に伝わる神話・伝説・古記録などを渉猟してその事実(!?)を大胆に論証し、欧米に大論争を巻き起こした問題の書。」著者は、「1895年ロシアに生まれる。イギリスに渡ってエディンバラで自然科学を学んだ後ロシアに帰り、法律・経済・歴史を学び、雑誌Scripta Universitatisを創刊(これは世界のユダヤ人学者をまとめるのに大いに役立ち、エルサレム大学創立のきっかけとなった)。その後、パレスチナで医者を開業し、チューリッヒとウィーンで精神分析学を研究。1938年アメリカに渡り『衝突する宇宙』、『混沌時代』など、古代史に関する未解決の問題に取り組む。1979年没。」

 I.ヴェリコフスキー:著『衝突する宇宙』を読み始めている。異端の書。金輪際 定説に寄与することはないだろう。でも、ウェゲナーの大陸漂流説なんて、彼の生前はケチョンケチョンだったし、大地は不動であって天界が巡るのが常識な中、地球が動くとか、地球が円いなんて、ガリレオの奇矯な説など誰が信じるものか。そういう意味では古代ギリシャ人は凄いね。観察して地球が丸いと洞察したし、それどころか地球の大きさもかなりの精度で割り出していたし。プラトンやアリストテレス、デモクリトス、パルメニデス、ターレス……ソクラテスは……。ゼノン、医者の祖ヒポクラテス。
 異端だが、正しい説と信じきって書いている。ある意味、どんなSFより凄いかも。

 

 トンでも本として定評ある本書:「紀元前15世紀、彗星が地球に大接近して太陽は停止し、海水は山と盛り上がった。さらに前8世紀には、彗星に軌道を乱された火星の接近により、さらなる宇宙大災変が起こる。旧約聖書をはじめとする、世界各地に伝わる神話・伝説・古記録などを渉猟してその事実(!?)を大胆に論証し、欧米に大論争を巻き起こした問題の書。」しかも法政大学出版局刊。うーん、フトコロが広い。驚いたことに、 2014年に新装版が出てた。まさか、新たな解説をサボったりしてないよね。

 サツキなどが積雪に大きく傷つけられた一方、このすぐ傍では、水仙たちの群生が。庭を歩いてて、私たちのこと忘れちゃダメよとばかり、ニョッキリ顔を覗かせているのを観て、ああ今年も咲いてくれるのかと、小さな感動。

 

Shuro_20210223202501 ← ああ、春が来る。庭仕事がうんざりするほどいっぱい溜まってる。確定申告も。嫌だ、面倒だ。税を払うかどうかギリギリの貧乏所帯。2月になる前から憂鬱になる。……豪雪で庭木がかなりやられた中、このひょろ長い棕櫚の木が無事ってのが不思議。確か葉っぱの上にもたっぷり積もっていた。

 

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