スタインベック『チャーリーとの旅』にアメリカの病根を知る
← ジョン・スタインベック著『チャーリーとの旅』(竹内 真訳 ポプラ社 2007年3月)「58歳の転機。人気作家スタインベックが愛犬チャーリーと旅に出た。アメリカ一周・16000キロ! まるで人生そのもののような旅が始まる!」
ジョン・スタインベック著の『チャーリーとの旅』を本夕読了した。本書については、昨日、以下のように書いた:
原書は1962年刊の本。スタインベックは1968に死去。58歳になって目的地のない旅を決断。本書を読んで感じるのは、フレンドリーでオープンな性格。旅先のあちこちで見ず知らずの人と出会い、コーヒーで語らい酒を酌み交わす。決して人間嫌いがゆえに当てのない長旅に出たのではない。あくまで天性の放浪癖。アメリカという移民国家は、大半の国民は、親か祖父母の世代はヨーロッパなどからの移民。ルーツはアメリカにはない。根付いていない。
本書は、スタインベックファンなら楽しめるだろう。スタインベックならではの小説ワールドはなかなか垣間見ることはできない。そもそも、彼は敢えて作家たることを隠して旅している。ノーベル文学賞受賞者だろうと、誰もが彼の風貌を知るわけもないのが広大なアメリカなのだろう。
本書で一番印象的なのは、愛犬チャーリーとの交流。そしてテキサスなど南部を旅しての印象記。「ニューオーリンズのチアリーダー」という節がある。チアリーダーだからって陽気な記述を期待してはいけない。それは徹底した人種(言うまでもなく黒人)差別で、彼らへの侮蔑軽蔑差別の念を魔女的な激しさで示すのだ。黒人は人間ではなく家畜以下の存在。魂など持つはずがない。当時、バスや学校への黒人同居政策がすすめられ始めていたが、断固拒否する意思を示すものだった。その感情は本書が書かれて60年近い今も露わだ。
← 大石 善隆[著]『コケはなぜに美しい』(NHK出版新書 588)「初期の陸上植物の面影を残す植物、コケ。花を咲かせず地味な存在と思われがちだが、その清楚でみずみずしい姿は「わび・さび」に代表される日本の美意識に深く関係し、生き方に目を凝らせば、環境に応じて変幻自在にスタイルを変える知恵が満載だ」
大石 善隆著の『コケはなぜに美しい』を昨日から読み始めた。コケ絡みの本も過去、何冊か読んできた。
本書によると、もともとコケは、特定の生物を指してわけではなく、木に生えた毛のような小さなものをまとめて木毛(コケ)と呼ばれていた。だから、コケでない生物(地衣類)もコケと。
10日ぶりに仕事。やはり暇。日中でこうだと、夜はもっとやばいはず。車内灯が明るければ 読書も進むんだろうが。
除雪。ママさんダンプで雪を引きずって、用水路近辺に雪を捨てる際、ダンプを両腕、特に右腕を使って反転させる。それを日に百回どころじゃない回数行う。それを一週間日夜の二度ずつ続けた。入浴の際には、腕などを摩ったりするが、しばらくは除雪しないで済むことが一番の回復の道だろう。
← チャールズ・ブコウスキー 著『詩人と女たち』(中川 五郎 訳 河出文庫)「現代アメリカ文学のアウトサイダー、ブコウスキー。五十歳になる詩人チナスキーことアル中のギャンブラーに自らを重ね、女たちとの破天荒な生活を、卑語俗語まみれの過激な文体で描く自伝的長篇小説」
チャールズ・ブコウスキー 著『詩人と女たち』を仕事の合間に読んでいる。パイプ車庫トラブルで仕事を休んでいたので、十日ぶりに昨日、手に取った。
本書の感想ということではないが、ブコウスキーに限らないが(ウエルベックとかね)、欧米などのカネに不自由しない連中の、セックス、ドラッグ、酒、色とりどりの高い あるいはファストフード、壁の抽象画、高級家具備品、移り変わる家(部屋)、際限のない消費、食い散らされる少年少女幼児、そうした蕩尽の数々は、貧困層……特に中南米やアフリカ諸国の摩耗の上の空中楼閣だと感じる。阿片戦争で中国を食い物にした大英帝国のような。
車だろうが家具だろうが、どんどん破壊する。家だって土地だって。壊れたらパーツを変えればいい。カネさえあれば代わりは幾らでもある。人間だって代わりはありあまるほど。
衝動と本能と発作と気紛れと、富裕者特有の酷薄さと。
最初に読んだのは、青野 聡訳の「町でいちばんの美女」。次は、中川五郎訳の「死をポケットに入れて」。そして今の中川五郎訳の本書。訳の良さより、ブコウスキーワールドに惹かれている。きっと、我輩、言葉のセンスが鈍いのかな。本書も楽しんでます。日本で最初に(本書で)ブコウスキーを紹介したのかな。まさに、中川氏は好きで訳しているって感じですね。やんちゃな感じが合っている気がします。
← 過日、テレビや新聞で大々的に宣伝していた、リモートでテレビの音声を聴ける商品 衝動買い。エアコンの音が邪魔ってのもあるけど、台所でも聴けるってのが嬉しい。試したら2部屋 離れたトイレでも聴ける。テレビで電気代が掛かるのは音声だとか。ラジオも聴ける。自粛で自宅で過ごす時間が増えたこともあっての発売なのかな。四年前だったか、違う機種だが、使ったことがある。ある日突然、カーナビなどと併せ故障してしまった。便利だったのだ。
昨夜來の冷たい雨。今日も終日。これが雪だったらと思うと ゾッとする。今夜半には雪? 憂鬱。
大雪(除雪 排雪 融雪 仕事を休む 在宅の日が増えてエアコン酷使)で、次に来る電気ガス水道代が怖い。給料ダウンだろうし。今月も来月も本屋さんへは行けない。3月には行けたらいいな。
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