久しぶりの五輪真弓特集に感激
← 細井 和喜蔵(著)『女工哀史 改版 』(解説=大河内一男 岩波文庫)「紡績業は日本の資本主義の発展にあずかった基幹産業の一つである。ヒューマニスト細井は、この産業を底辺で支えた女子労働者たちの苛酷きわまりない生活を自らの体験と調査に基づいて克明に記録した。本書をひもとく者は誰しも、近代資本主義の残した傷痕のいかに深く醜いかを思い知らされずにいない。」
今日も「明暗」所収の角川版『夏目漱石全集〈13〉』 と、リンダ・リア著の『レイチェル―レイチェル・カーソン『沈黙の春』の生涯』とを交互に読んでいた。
「明暗」流石、漱石。物語にぐいぐい引き込んでいく。男女……夫婦の機微を描く卓抜さ。実体験が重い?
「レイチェル」はやはり名著だ。浩瀚な書だが、読ませる。慌てず弛まず読んでいく。
細井 和喜蔵著の『女工哀史 改版 』を読了した。
読めば読むほど、当時の女工らの惨状に絶句するばかり。大正時代の女工を雇う際の証文や誓約書に呆れる。雇われたもの(女工)がどのように扱われても苦情なし、だって。証文でさえこうなら現場は想像を絶する。日本人の女工に対してこれじゃ、日本が朝鮮で徴用工をどんな目に遭わせたか察せられるというもの。
徴用工問題は不可逆的に解決したという。法律的にはそうなのかもしれない。が、それは政府間の解決。謂わば、悪事を為した親分同士が手打ちしたようなもの。肝心の朝鮮の当時のひがいしゃたる徴用工らの気持ちなどはないがしろのまま。日本人としては、忸怩たる思いを否めない。
読めば読むほど、昔の資本家らの悪どい遣り口に腹が立つ。昔の……だよね? ……今は女工の責め苦を海外の労働者などに負わせてるってことか。資本主義の性格……本性が変わるはずないものね。
ちなみに、著者の細井 和喜蔵は、初校を書き終えて間もなく本書の刊行を見ることなく急性腹膜炎にて死去した。
富山県ても鳥インフルエンザか。人間のインフルエンザは今年は流行してないのに。また、ニワトリは殺(埋め立て)処分。テレビでもだが、SNSでもニワトリが可哀想という声は聞かない。我輩は、生き物はたとえ食用に屠殺されるのだとしても、生きている間は一定の生存状態を確保すべきと考える。鶏卵用だろうが同じ。ブロイラーなんて論外。せっかく吉川元農水相らの賄賂でニワトリに脚光を浴びているのだし、鳥インフルエンザ問題の奥に潜む惨状に関心を持つべきじゃなかろうか。
毎年のように数百万羽のニワトリを殺処分する費用(消毒などもろもろ)を国費で補うなら、その分を業者に補助金などとして使い、ブロイラー方式を国際標準化したほうが安心につながる。
NHK-FMで、「五輪真弓」の特集。いい、ただ いい!
創作だろうか声にならない呟きだろうか:
まだるっこしい。粘りつく何か。纏わりつく細い腕。波の音が体をなぶる。潮の香が鼻腔を貫く。真っ赤な闇が瞼を焦がす。中空に漂っている。白い脚が波打つ髪のように絡み付いている。あっさりと溺れてしまいたい。半端に慰撫するんじゃない。蜜の味の舌が体を這う。歯噛みするそれ。ああ、私は何処にいる? お前は誰? 際限のない愛撫が回転する螺旋階段に抉られている。目覚めはまだか。出口はないのか。
へどろが口内を満たしている。黒い血と褐色の唾液が入り交じった甘露の嘆き。咽頭弁が嗤ってる。下鼻甲介の震えは絶妙のハーモニーだ。アモンティラードの渦が私を招いている。潜ってこいよと甘い誘惑の笑みを浮かべてる。眼窩に凍てついた涙の結晶は切っ先となって貴方を刺す。ああ、それだよ、それこそ待ち望んでいた出口なんだ。
違った。全くの勘違いだった。あれは黒檀。違う、タールだ、アスファルトだ、塗り込めている。封じ込めている。大気を遮断している。ダメだよ。息が出来なくなるじゃないか。壁に押し潰されるよ。世界が彼方だ。
感覚が感性が摩耗する日々の始まり。
買い物などで、さあ出発だと玄関を出た途端、あ、マスクしなきゃと気付く。くそッ面倒くせえなーと、靴を履いたまま、廊下を歩き茶の間にまで上がるのは、まずいな。この癖……習慣は、何とか止めなきゃと思って早 10年余り。独り暮らしの特権だな。
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