コロナ禍の時間を有効に
← ガブリエル・ガルシア=マルケス【著】『誘拐』(旦 敬介【訳】 角川春樹事務所)「政府・マスコミの要人を狙った連続誘拐事件を繋ぐ一本の糸とは?ノーベル賞作家の著者が、綿密な取材をもとに現代コロンビア社会の暗部を鋭くえぐる」
今日は、半勤の日。五時過ぎには仕事を切り上げ、納金や洗車を済ませ、六時半には帰宅。夜は季節柄とコロナ禍で暇。夕方までの売り上げへの上積みは期待しづらい。特に日曜は。なので、早めの帰宅は嬉しい。尤も、暇なので、車中で読書できるので、吾輩の場合は時間を有効に使えるとはいえる。
今は車中では、ガブリエル・ガルシア=マルケス著の『誘拐』と、チャールズ・ブコウスキー 著『死をポケットに入れて』とを読んでいる。後者は、今夜半までには自宅で読了しそう。
ガブリエル・ガルシア=マルケス著の『誘拐』を過日より読みだしている。
一時期のコロンビアは、政情不安の極の国。誘拐は政治的交渉駆引きの道具の一つだった。作家だが、政治家の経験もある。人間を描く線が繊細で且つ深く太い。並のジャーナリストじゃ書けない。
この作品については、下記が非常に参考になる(ファンブルロスト):
「「メデジン・カルテル」という言葉を耳にしたことがあるだろう。それは当時全盛を誇ったコロンビアの強大な麻薬組織の名称である。この「メデジン・カルテル」の生産する上質のコカインが、コロンビア国内だけではなく米国にも大量に流出したために、怒り心頭の米国政府がコロンビア政府に対して「メデジン・カルテル」のメンバーを逮捕して米国に引き渡せ、と要求したことから事件が始まる。
仮にコロンビア国内で逮捕されて刑務所に入ってもどうにでもなるさ、とタカを括っていた組織の長のエスコバルは、米国に引き渡されたら確実に残りの人生を米国の刑務所で過ごさなければならなくなる。彼はこれに恐れをなして、コロンビア政府に揺さぶりをかけることにした。前置きが長くなりましたが、それが本書のメインテーマの「誘拐」である。つまりエスコバルは各界の著名人を誘拐監禁してコロンビア政府に圧力をかけて、米国政府の要求を拒否するようにしむけるのだ。
ガルシア=マルケスは事件後実際に誘拐された人たちや、警察及び政府関係者に例によって綿密な取材をしてこの素晴らしく魅力的なドキュメンタリーを創り上げた。誘拐されたひとの中には殺されたひともいるし、解放されたひともいる。彼らが誘拐されていたときにどんな扱いを受けたかは監禁者の人間レヴェルによって大きく異なる(ヒドイ扱いを受けたひともいるし、優しくされたひともいる)。そして政府関係者の誠実な対応と努力には心底感動する。それらのさまざまな状況と展開を「予告された殺人の記録」でもお馴染の、時系列をバラバラにして構成し直すことによって、単にドキュメンタリーとしてだけではなく、物語としても楽しめるように工夫がなされているのが凄い。そして米国政府の南米諸国に対する不条理かつ高圧的な態度や、コカインは値段が高い割には効果が薄い、所謂「バブリー」なお薬で、当時に比べて経済状況の良くない現在では流通は下火になっているなど、新聞、TVそして雑誌では知り得ないことがてんこ盛りであるので、ホントに読んでいて飽きない。」
1990年頃(に限らないが)のコロンビアは連続するテロ 暗殺で世情騒然、暗澹たるものだった。日本のマスコミもしばしば報じていた。その日本も バブルが弾けて他国に関心を払う余裕がなくなったのだが。
とにかく読ませる。
← 『夏目漱石全集〈9〉』 (1974年) 「彼岸過迄」や「現代日本の開化」などのエッセイ、日記、書簡、同時代人の批評(赤木桁平)、作品論(山田智彦)など。吉田精一:解説と注釈
『夏目漱石全集〈9〉』所収の「彼岸過迄」を過日より読んできた。が、「三四郎」「それまで」「門」の純愛(?)不倫ものに比べ、この作品の話の筋立て、方向性が見えない。新聞連載作品で、その都度の叙述や展開(翌日へ興味を繋げる技術)は向上してると感じるのだが。
昔 読んだはずだが、内容 忘れてる。いらいらしてきて、ついWikipediaを覗く。「 「修善寺の大患」後初めて書かれた作品。自意識の強い男と、天真なその従妹との恋愛を描く。短編を集めて一つの長編を構成するという手法が具現化」とか。なるほど先が見えないのも宜なるかな。
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