雪の中 ブコウスキーからルクレーティウスへ
← チャールズ・ブコウスキー 著『死をポケットに入れて』(中川 五郎 訳 ロバート・クラム イラスト 河出文庫)「郵便局勤務の傍ら創作活動を行う。50歳から作家に専念、50作に及ぶ著作発表。『町でいちばんの美女』『詩人と女たち』等」
昨日からの雨が、朝の9時頃から雪に。午後の3時にはすっかり雪景色。買い物からの帰り、小学生(低学年)の下校に遭遇。雪の礫(つぶて)を投げ合ったり、はしゃいでる。無邪気でいいな。
先程三時過ぎからエアコン(暖房)使用開始。20年モノのエアコン、頑張れ! 20度に設定。これまでは、体感室温15度以下だったので、暖かい。
← 台所の傍の小さな藪。茶の間から見える。防風林のつもり ? ! 朝の九時頃、いつの間にか雨が雪に変わっていた……30分も経たないのに雪の色に染まってきた。積もる。どこまで積もる?
ルクレーティウス 著 『物の本質について』(樋口勝彦 訳 岩波文庫)を読み続けている。自然哲学の考察を詩文風に。
過日、プルタルコス著の「食卓歓談集」(柳沼重剛 編訳 岩波文庫)を読んだことがある。プルタルコスは一世紀から二世紀にかけてのギリシャの著述家。その中で自然現象について語り合うことがしばしばある。本書『物の本質について』はまさに自然現象を題材とする。当然ながら、魂や精神、肉体、死なども大きな関心事。近代以降の科学的発想のない中、プルタルコスより一世紀ほど前の自然哲学者ルクレティウス(紀元前99年頃 - 紀元前55年)は懸命に思考する。ヒトが死ぬと魂は消える? 見えるってどういうこと? 遠くのものが霞むのはなぜ? 鏡って何? なぜ映る? 死んで肉体が腐るのに、精神も腐る? 魂は腐らないの? 実験という発想のなかった中、観察と考察と想像力と先人や同時代の人たちとの議論が全て。ひたすら考え抜く。予想外に面白い。
ということで、今日は、買い物(歳暮)以外は、ルクレーティウス の『物の本質について』を読みことに終始した。と云いつつ、漱石(彼岸過迄)も読んでいる。
チャールズ・ブコウスキー 著の『死をポケットに入れて』を読了した。仕事の合間に。
ブコウスキーが亡くなったのは94年3月、73歳で。この日記風作品が書かれたのは、彼が70歳の頃か。日記の日付けは91年になっている。売れ出して貧乏生活から抜けたしたようだ。50歳を超えての売れっ子ぶりに戸惑い気味。人目を避けて、それとも頭を空っぽにするためにか、競馬に明け暮れる。出始めたパソコン(アップルか)との相性が良かったようでペンも進む(キーボードが快調)。
ハリウッド映画嫌いのブコウスキー。夜の街と糞ったれとか悪態をつくブコウスキー。競馬場が居場所のブコウスキー。競馬場の酒の飲める席で、男たちが競馬の話に夢中。傍で子供らが音声の煩いテレビを脇にはしゃいでいる。ブコウスキーは、テレビの音が煩くて音量を下げてほしいと思う。が、男たちは黒人。そんなことを云うと、人種差別主義者と誤解されそうで言えない。彼は黙ってテーブルを離れるのだった。そんなナイーブがブコウスキーと彼が尊敬するセリーヌとは違うところ。
随所にあるロバート・クラム( Robert Crumb 「Welcome to rcrumb.com - The Official Crumb Site」 )の挿画が本作品を味わい深いものにしている。名前は知らなくとも、何処かで目にしているはず。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 連休中は薪ストーブ使わず(2023.12.05)
- 薪ストーブの薪は高い!(2023.12.04)
- 思い付きは危ない(2023.12.03)
- 指紋認証は止めた!(2023.11.29)
- 敢えて茫漠たる液晶画面に向かう(2023.11.28)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 連休中は薪ストーブ使わず(2023.12.05)
- 薪ストーブの薪は高い!(2023.12.04)
- 思い付きは危ない(2023.12.03)
- 指紋認証は止めた!(2023.11.29)
- 敢えて茫漠たる液晶画面に向かう(2023.11.28)
「哲学・思想・宗教」カテゴリの記事
- あんな衝撃の場面に遭遇しようとは!(2023.11.05)
- 今日は朝から大忙し(2023.11.02)
- 透水コンクリート体験(2023.10.09)
- 読むなら心して(2023.08.14)
- 多極化、多様化する世界が訪れる(2023.07.20)
「恋愛・心と体」カテゴリの記事
- 連休中は薪ストーブ使わず(2023.12.05)
- 薪ストーブの薪は高い!(2023.12.04)
- 思い付きは危ない(2023.12.03)
- 指紋認証は止めた!(2023.11.29)
- 敢えて茫漠たる液晶画面に向かう(2023.11.28)
「写真日記」カテゴリの記事
- 薪ストーブの薪は高い!(2023.12.04)
- 思い付きは危ない(2023.12.03)
- 指紋認証は止めた!(2023.11.29)
- 敢えて茫漠たる液晶画面に向かう(2023.11.28)
- その須藤斎の著書なの?(2023.11.27)
コメント