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2020/12/24

風呂場の修理完了だよ

Willem_de_kooning ← ウィレム・デ・クーニング「Litho -2」 (「ウィレム・デ・クーニング - Wikipedia」)

 本日は幸いにしてお日柄もよく お風呂場の工事は順調に進むものと期待してます。今夕には まともな入浴が出来るかと(朝の呟き)。
 ガス風呂、工事終了。先程 入浴。久しぶりに自宅の温かい風呂。工事の間、煩いし人の動きも気になるので、晴れてたし、庭仕事。チェーンソーを使い、脚立に登って木の天辺を伐採。裏庭はほぼ完了。伐採作業が終わった頃、風呂工事も終了。早速、入浴した(午後五時前の呟き)。

 「クリスマスってなんだっけ...?」という呟きがあった。また、とんでもないコメントしそうになった。危うく思いとどまった。やばかった。栗でスマス…。

 「どこにも出かけられないのはそれなりにストレスが溜まるけど、読書が趣味の一つであって良かったなぁと感じるこの頃。」という呟きに、そうそう 納得! ここまではいいが、危うく「刑務所に居ても本さえ読めれば問題ないよね」なんてコメントしそうになった。やばいよね、本音でも。……いや前科はないですよ。自制してよかった!


 マル・キ・ド・サドの世界。昔は内容に惹かれて散々読んだ。絵空事と思いつつもまさかね、だった。が、幾星霜を重ね、人間のやらかすありとあらゆる蛮行乱行を鑑みるに、実際にあったし、それどころかサドワールド以上のことが現実に起きている……起きていくと思い知る。

 

Lover_20201224200701  ← デイヴィッド・マークソン 著『ウィトゲンシュタインの愛人』(木原善彦 訳 国書刊行会)「地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト。彼女はアメリカのとある海辺の家で暮らしながら、終末世界での日常生活のこと、日々考えたとりとめのないこと、家族と暮らした過去のこと、生存者を探しながら放置された自動車を乗り継いで世界中の美術館を旅して訪ねたこと、ギリシアを訪ねて神話世界に思いを巡らせたことなどを、タイプライターで書き続ける。」

 デイヴィッド・マークソン 作の『ウィトゲンシュタインの愛人』を読了した。

 既にいろいろ呟いてきた。今日は:
  語り手の呟きに、ウィレム・デ・クーニングの名が頻繁に出てくる。何故だ?「ウィレム・デ・クーニング(1904年 - 1997年)は、20世紀のオランダ出身の画家。主にアメリカで活動した。抽象表現主義の画家で、具象とも抽象ともつかない表現と激しい筆触が特色である。」ジャクソン・ポロックと並ぶアクション・ペインティングで有名なアーティスト。ちなみにポロックの名は全くと言っていいほど出てこない。我輩はデ・クーニングの作品よりポロックが好き。彼の作品名を冠した短編も書いたことがある。
 本作の語り手がしばしば口にする(タイピングする)フレーズの一つ: ”世界はそこで起きることのすべて“ 言うまでもなく、本来はウィトゲンシュタインの「論考」からだが、”正気“を失っている(out of mind)語り手はどういう意味で語っているかがポイント。

 さて、読了しての感想だが、なかなかまとまらない。まず、内容案内で示される語り手の設定だが、「地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト」とある。それがまず真に受けていいのか分からない。語り手は自分でも幾度となく、”正気“を失っている(out of mind)”と認めている。ウィトゲンシュタインの愛人。語り手は、同性愛の彼に愛人はいないと断言するが、同性愛だって(同性の)愛人が居たっておかしくない。あるいは、小学校の教師だったことのある彼は子供に性的な悪さはしなかったのかどうか。ま、本筋ではないのだが。いずれにしろ、彼女の呟き(タイプライターへの書き込み)は、誰に向かってというものではない。世界に無数の人が居ても、彼女は閉じた空間に独り居る。その空間とは、「語りえないことについては、沈黙するほかない」に至るような窒息しそうな閉じた球体である。死後の生、神についても語りえない時空。ゆえに彼女が語る(タイプする)のは、”正気“を失っている(out of mind)”彼女の脳裏に明滅する、際限のない堂々巡り。出口なし。彼女は、スピノザも折々名を挙げるが、むしろ、ライプニッツの窓のない「モナド」をこそ言及してほしかった。窓はない。が、モナドには予定調和の夢もあるからだ。窓はなくとも、蟻の這いまわる余地はある。現にウイルスは抜け道が無数にあると教えてくれている。そこが我々が生きる世界の怖いところであり、凄いところだと思う。

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