渡辺崋山からダーウィンへ
← ドナルド・キーン/著『渡辺崋山』(角地幸男/訳 新潮社)「田原藩士として武士の本分を堅守しつつ、西洋文明の正確な理解に努め、瞠目すべき写実を独創した、徳川後期有数の画家。不遇な幼少期から非業の自刃に至るまで、維新という一大革命の前夜、その文化状況の危機を象徴するかのように、時代を先駆けた崋山の運命的な生涯を等身大に活写」
ドナルド・キーン著の『渡辺崋山』を読了した。13年ぶりの再読。崋山 生き方も絵も素晴らしい。あたら実務的な能力が秀でていたばかりに藩の要職に。国を憂え海防を唱える。世に先んじての憂国の志だったが、生前は影響は与えなかったようだ。中心愛国のゆえに海防をと警世したが、本人は画に生きたかった。画への探求心は、同時代では類を見ない存在だと自負。牢の中でも絵筆を執る。画商が絵をせっせと売って回る。謹慎の身ではあってはならないこと。それが命取りとなった。絵が命。絵が命取り。いつか、崋山の絵を観に故地へ行きたいものだ。
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