「デカメロン」昔 読んだことがありました
← ボッカッチョ 著『デカメロン 下』(平川祐弘 訳 河出文庫)「「百の物語には天然自然の生命力がみなぎっていて、読者の五感を楽しませるが、心の琴線にもふれる。一つとして退屈な話はない」(解説より)。物語文学の最高傑作の全訳決定版、完結編」
昨夕、車中のラジオにて、久しぶりに美空ひばりさんの曲を纏めて聴けた。アルバム「愛 燦々」から10曲……全曲? 仕事の合間なのでボリュームを絞って。でも迫力がある。歌詞がはっきり聴こえる。歌手の良し悪しや上手い下手は分からない。ただ聞き入るだけ。
美空ひばり 村田英雄 三橋美智也 強烈な個性と実力を持った歌手たちがいた。生前は その個性が鬱陶しい気がして敬遠してた。亡くなる直前くらいから聴くようになった。圧倒的な存在感。
昨日、気付きながらも、まさかと思い、目を背けていたが、やはり、否めない事実だ。通勤(仕事)用の靴、底が剥がれかけている。慎重に歩かないと、パカパカする。僅かな段差に引っ掛かったら、剥がれる。頼む、今日一日 持ってくれ!
ボッカッチョ 著の『デカメロン 下』を読了した。ようやく長年の懸案を果たした気分。いつかは読み通したいと思いつつ、果たせずに来た。こんなに面白いのなら、もっと早くによんでおけばよかった。「デカメロン」には、艶笑小説とか宮廷小説とか、いろんなレッテルが貼られてきたという。そう思われても仕方ない面は確かにある。王様や貴族、お姫様が登場する。14世紀という時代に、女性らが時に自由闊達に振る舞い、夫には夫らしい扱いを要求する。夜の義務を果たせないなら、妻は勝手に楽しむわよ。ボッカッチョの宗教家、僧の欺瞞に対する怒りが随所に炸裂するのも面白い。ペストが大流行する中、宗教者は為す術もないのだ。肝心な時に無力無能な奴らの権威が一気に崩れる。社会の基盤が根底から崩れ、あるいはルネサンスの胎動へもつながったのだろうか。
一方、前にも書いたが、「女性陣の積極性 闊達さも描かれるが、男性の我輩からしてもあまりに女性に酷と思える話も散見される。じゃじゃ馬な女は徹底的にぶちのめして、無理にも従順にしろ…。吾輩は別にフェミニストではないが、それでも憤慨する。女性ならなおさら、それらの一つを読んだだけでも、本書(本作品)を投げ捨てるだろう。徹底した女性蔑視。話の中の話手の主張なのか、語り手の口を借りたボッカッチョの考えなのか、時代の趨勢と理解すべきか。」
吾輩は今のところ、判断が付きかねている。まあ、女に限らず、息子や娘は親が結婚相手を決める。子供の意向など一切構わない。親に従うのが当たり前なのだ。まして、王や貴族や金持ちの意向に逆らうなどあり得ようはずがない。女性の気持ちなど微塵も考えない。夫や男や権威が全てを差配するのだ。やはり、ボッカッチョと云えど時代の縛りの中に居たと理解すべきだろうか。それはともかく、吾輩ごときの倫理観など度外視して楽しめばいいのだ。余談ながら、訳者の平川祐弘氏がこんな立派な学者とは知らなかった。確か、小泉八雲の翻訳で名前に接していただけだった。「デカメロン」にも、三巻に平井氏の解説が全体で200頁ほども。注も豊富に。平井氏の思い入れの程が分かろうというもの。
余談だが、本書を読みながら、おや、我輩、ずっと昔、若いころ、多少なりとも読んだことがあるぞと…。書庫へ。あった。集英社版の世界文学全集所収の「デカメロン」。訳者は柏熊達生氏。高橋義孝氏による現代風表記への手直し版。ご丁寧にも、本文の最後に読了した日が鉛筆で書き入れてある。全体の六割くらいに縮められてあるが、とにかく読み通していたのだ。大学に入学した年の秋で、記憶の遠い彼方のことだが、最後まで読んだことは褒めてやりたい。
← 密度の濃い、やや危ない力仕事なので、大概 二時間を限度にしてる。今日は四時間。多分 今日明日は筋肉痛で本を読む気力も湧かないかも。画像は 内庭の紅葉。ほぼ真赤。
快晴微風。お出掛け日和。が、明日は休みということで、精魂尽きるまで庭仕事。ほとんど脚立の上。高枝切鋏やら剪定鋏を腕を青空に向かって伸ばして、手元の枝に掴まったりして、枝葉を伐採。が、やはり一番高い枝葉には届かない。木をよじ登ろうか……。いや、無理。危ない。しがみつく腕力はない。
宇宙に進出(侵出)するとして、人間だけ? 動植物は? ノアの方舟じゃないけど、際限のない種類の生き物あっての人間じゃないの?
人間の我が儘の結果、地球環境が破壊に至るとして、それは人間の場合、自業自得。巻き添えを喰らう動植物が迷惑だよね。
「それから」など所収の「角川書店版 夏目漱石全集〈7〉」も相変わらず読んでいる。「それから」いよいよクライマックス 代助にとっての土壇場 瀬戸際へっていうところで、昨夜は時間切れ。帰宅してから……いや明朝 目覚めてからのお楽しみ。と、昨日書いた。本夕、ようやく読める状態になった。まさに愁嘆場に。代助の生き方が変わる…?
← 高いところの枝葉を伐採……なんて殊勝な心懸けは諦めて、ほどほどの高さのところで幹を切る。これが一番合理的。作業は大変だけど、一回で済む。が、それができないでいる。
シモーヌ・ヴェイユ 著『神を待ちのぞむ』(今村純子 訳 河出書房新社)を一昨日から読みだしている。今日も夕方から。
数学史にその名を刻むような天才の兄。幼少期からあの兄にこの妹と比べられてきたら、劣等感のかたまりになってしまう。シモーヌだって、尋常一様じゃない才能の持ち主。ただ、数学じゃなく人文系……宗教的センス。
相変わらず日本は単一民族国家だと言い張る奴等がいる。そう想いたいんだろうから、勝手に思えばいい。そもそも(万が一)単一民族国家だったからって、何の自慢になるのか分からない。単一って言うんなら、アフリカは分からないが、世界の大半の人々は、20万年前さらに5万年前に出アフリカした僅かな人々の子孫。近い遠いはあっても、みんな仲間みたいなもの。違いはごくわずか。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 何十年ぶりにマフラーの登場(2024.12.11)
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- 俳優の中山美穂さん死亡(2024.12.09)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
「書評エッセイ」カテゴリの記事
- 何十年ぶりにマフラーの登場(2024.12.11)
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
- 「日本航空123便墜落事故」(事件)の真相解明を!(2024.12.02)
「文学散歩」カテゴリの記事
- 吾輩は庭仕事で咆哮してる(2024.07.23)
- 徒労なる情熱それとも執念(2024.02.20)
- 指紋認証は止めた!(2023.11.29)
- あまりの寒さに我慢がならず(2023.11.19)
- 横川の釜めし今も健在(2023.11.15)
「思い出話」カテゴリの記事
- 入浴も体力消耗の因?(2024.11.28)
- タクシードライバー談義(2024.11.19)
- 玄関の戸(鍵)を交換(2024.11.17)
- 柳 宗悦著『民藝四十年』に学ぶこと多し(2024.11.11)
- 早くも暖房に縋る(2024.10.21)
「恋愛・心と体」カテゴリの記事
- 何十年ぶりにマフラーの登場(2024.12.11)
- 柴ストーブを脇目に数学エッセイを堪能する(2024.12.10)
- 俳優の中山美穂さん死亡(2024.12.09)
- しらすとちりめんじゃこの違い(2024.12.06)
- ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだ(2024.12.05)
コメント