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2020/10/15

終わらない闇夜

Birth ← 斎藤 成也 編著『最新DNA研究が解き明かす。日本人の誕生』(河合 洋介 /木村 亮介/ 松波 雅俊 /鈴木 留美子 著  秀和システム)「2020年はゲノム概念が誕生してからちょうど百周年にあたります。本書は、最新のヒトゲノム解析から得たビッグデータをもとに、日本人の起源と成立をわかりやすく解説」

 斎藤 成也 編著『最新DNA研究が解き明かす。日本人の誕生』(河合 洋介 /木村 亮介/ 松波 雅俊 /鈴木 留美子 著)を読み始めた。わかりやすく解説とあるが、第一章のゲノム解説は吾輩には難解だった。その後はまずまず楽しめているが。日本人の起源や由来を探るというテーマは、吾輩の好きな読書の対象。書店でたまたま見つけたのだが、即、手にした。

 

 曇天ながら微風の空のもと、自転車を駆って2ヶ月以上ぶりに床屋さんへ。伸びた髪より、耳毛が気になって。銀行などを巡り、市役所で富山県知事選の不在者投票し、市街中心部にあるデパート内の大型書店(紀伊国屋書店)へ。これまた2ヶ月余りぶりに纏め買い。
 店内で、スマホの画面に欲しい本を表示し、店員さんに探してもらった。店頭(棚)には見つからなくても、在庫があるかもと、店員さん、走り回ってくれて探してくれた。何往復してもらったことやら。ありがとう。
 ついで、デパ地下にある食品売り場へ。1年ぶりに好物の和菓子を買う。実は、チャーハンを食べたかったのだが、見つからなかった。でも、売り場をグルグル回っていたら、美味しそうな和牛丼があった。
 自転車の篭は、本やらお菓子、牛丼で一杯に。一旦、帰宅し、自転車ごと置いて、その足で、今度は徒歩で車検の済んだ愛車を引き取りに。高かったが、2年前より安かった。回数は多いが、乗る距離は少ないからか。
 なかなか慌ただしい日中だった。庭仕事はパス。
 自宅で寛いで感じたこと。耳毛をカットしてもらって、ひと安心。

 漱石の小説を角川版全集ですべてを目標に読み返している。「坑夫」は、意識の流れを意識した作品らしいが、漱石でないと書けない作品ではなかろうか。続く「文鳥」の味わいも素晴らしい。「夢十夜」は言わずもがな。鴎外といい漱石といい、日本の近代文学はその後の展開を考えても、いきなり高いレベルで始まっていたと今更ながら痛感。

 以下は創作:

 手探りして歩いている。何処を歩いているのかさっぱり分からない。何故に歩くのか。それは走るのが怖いからだ。早くこの場を抜け出したいのだが、漆黒の闇が辺りを覆っている。ぬめるような感覚がある。巨大なナメクジに呑みこまれているようだ。息はできている。空気はあるのだろう。吸う。溜める。吐く。意識して呼吸する。体の中に何かを取り込んでいる。肺胞がギリギリの活動をしてくれている。踏ん張って歩きたい。足元が覚束ない。押せば引く、引けば圧し掛かってくる。体が重苦しい。世界は開かれている。そう直感している。ただ、隙間が見えないだけだ。何処かに出口がある。そう信じて生きていくしかない。

 体が重い。目覚めた瞬間から体が鉛に成り果てている。起きなければならない。まともな体のはずなのだ。周りの連中はそうであることを期待している。自分でもそう思いたい。平凡極まりない奴。目立つところなど何もない。だが、重い。布団から起き上がるのが苦しい。夕べは……夕べも眠れなかった。眠りはとっくに失われたのだ。周りの誰も知らないが、ボクだけは知っている。思い知っている。睡魔が襲う。奈落の底へとボクを突き落とす。睡魔は優しい悪魔だ。悦楽の底へ誘うだけ誘っておいて、誘惑に駆られ惹かれて真っ赤な闇の沼を目にした途端、ボクは撥ねつけられる。血塗られた壁面が無限の発条となってボクを叩き起こす。寝るな! 寝るんじゃない! お前に睡眠など許されていない。意識は流れない。ぶつ切りの赤い闇夜がデコボコの隧道となって永遠に続くのだ。

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