幻の事故に遭遇
← S. ストロガッツ著『インフィニティ・パワー 宇宙の謎を解き明かす微積分』( 徳田 功訳 丸善出版)「不思議かつ素晴らしいことに、宇宙の従う自然の法則は微積分で表される。もし宇宙の謎とよぶに価するものがあるなら、それは微積分だろう。物理学者のファインマンはいった。「神の話す言語だ」」
一昨日(21日)の夜、仕事で富山市のやや郊外へ。遠目にも赤色灯が。警察。事故現場に遭遇。オートバイと車の衝突か。オートバイはメチャメチャ。ライダーでもある我輩は、思わず目を背けた。その後、事故の詳細を知りたくて、地元のニュースを注視したけど、報道の形跡なし。見逃した? あれだけの事故だと、報道関係の方も見受けられたし、全く報道されないなんて あり得ないはずだが。幻の事故?
昼過ぎ、外出するので腕時計を手にしたら、時間表示が変。変というより、動いてない。時針が動いてない腕時計なんて久しぶりに見た気がする。妙に新鮮な驚き。電池が切れたら止まるのは当たり前なんだがね。
S. ストロガッツ著の『インフィニティ・パワー 宇宙の謎を解き明かす微積分』を読み始めた。数年前、同じくスティーヴン・ストロガッツ著の「SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか」を読んだことがある。面白かったし、実績も書き手として定評もある。非線形科学では権威。なので、書店でストロガッツという名を目にしただけで、即 手にした。ソフトカバー本だけど、高くてもハードカバーで出版してほしかった。
アフラ・ベーンという名の作家がいた。イギリス最初の女流職業作家。今読んでいる『夏目漱石全集〈6〉』 (1973年)は、「三四郎」などを所収。まさにその夏目漱石の「三四郎」で言及されている作家。三四郎が大学の図書館で、どんな本を手にしても誰かが読んだ跡のあることに驚く。試しに聞いたことのない作家の本を開いたら、やはり誰かが鉛筆で印を付けていた……。我輩も初めて大学の図書館を覗いた時は、書物の多さ、何処までも並ぶ書架に圧倒されたものだ。まさか誰かこの全てを読んだ奴が居る?
← デイヴィッド・クォメン著『生命の〈系統樹〉はからみあう ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史』(的場知之訳 作品社)「ダーウィンの想像以上に生命の歴史は複雑だった―地球上のすべての生命のあいだの類縁関係を〈樹〉として描き出そうとした科学者たちの200年にわたる試行錯誤の歴史を、米国を代表するサイエンスライターが語る」「分子系統学がもたらした意外な洞察は、生命の歴史や、生物のからだの機能を担うパーツについての、わたしたちの知識体系を根本からつくり変えた」
デイヴィッド・クォメン著の『生命の〈系統樹〉はからみあう ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史』を読了した。
ダーウィンの進化理論(イメージでは、〈樹〉として描かれる)が否定されたわけではないが、生命(進化)の歴史は想像以上に複雑だったと分かってきた。本書の前書きにあるように、「分子系統学がもたらした意外な洞察は、生命の歴史や、生物のからだの機能を担うパーツについての、わたしたちの知識体系を根本からつくり変えた」という。
身近なはずのヒト族について説明する。ヒトの系統とチンパンジーの系統が分岐した正確なタイミングは(今も)誰も知らない。ただ、分岐したずっとあとになっても、ヒト族とチンパンジーの祖先は元ざやに戻って種間交雑し、交雑によってチンパンジーの遺伝子がわたしたちのゲノムの一部として残された。…正確な分岐年代が特定できないのは、初期段階でこうした交雑が起きたためかもしれない。わたしたちのゲノムの一部はいまでも、ヒトというよりチンパンジーのものにみえる。ホモ・サピエンスは独立の実体、唯一無二の存在という絶対的自信を揺るがす。わたしたちのゲノムはモザイク。
しかも、ヒトゲノムのなかにはウイルスDNAも存在する。あるウイルスはレトロウイルスから転用され、ヒトの妊娠を可能にしている。
ヒトは誰でも、健康維持、消化、その他さまざまな生理機能の必要性を満たすため、数千種に及ぶ細菌の細胞を100兆個も備えている。さらに、すべてのヒト細胞のなかには、はるか昔に取り込まれ、ミトコンドリアに変身した細菌が存在し、それらなしではわたしたちは存在しえなかった…。
生物学者と科学哲学者は、生物学的な意味での「個」の概念を未だに明確に定義できないでいる。ますます「個」があやしくなり、細菌同様、「超個体」として理解せざるを得なくなりつつある。
ダークマターやダークエネルギーが宇宙像の大変貌を促しているように、生物学においても生命体像の大変貌が避けられなくなっている。
本書には生物学者らの人間像や研究の裏話、さらには研究者間の複雑な交錯なども豊富に語られていて、本筋の話も含め、手堅い、且つ興味津々の読書体験となった。
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