街灯はオレンジ色の光を
← ボッカッチョ 著『デカメロン 上』(平川 祐弘 訳 河出文庫)「ペストが蔓延する十四世紀フィレンツェ。郊外に逃れた男女十人が面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ語りあう百の物語」
風呂場。(水道管の不具合で)入浴はできない。シャワーはなんとか。せめて、明るくと、過日、風呂場の灯りをLED電球に変えた。但し、白々しい白じゃなく、電球色の暖かみのあるLED電球。昔の白熱灯風。昔風でもある。
思うに街灯もLEDライトはいいのだが、オレンジ色のライトがいいのでは? 特にこれから冬に向かっていくだけに、寒々しい白光より、温かみのある橙色の街灯が望ましいと思う。
ボッカッチョ 作の『デカメロン 上』を読了。14世紀の物語だし、退屈だろうと思っていたら、あにはからんや、(ペスト禍に負けじと)明るくおおらかに大いに男女の交歓を楽しむ。策略に満ちている。ペストで従前からの宗教や権威が失墜した。僧侶も王権もペストには全く敵わない。助けにならない。だからだろう、ボッカッチョは権威に対しても遠慮会釈の欠片もない。充実した解説によると、ダンテ(の『新曲』という詩文)を意識しての散文だという。ダンテは詩で権威を撃ち、ボッカッチョは散文で、というわけである。ペストは中世を終わらせ近世へ転換させたのだ。
夕方近く、漱石の本を読んでる最中 どうにも気になって、ハサミ片手に気になる辺りをツンツン。30分ほどの試行錯誤の果てに、5ミリほどカットに成功しました。パチパチパチ。まだ、5ミリほど残っているけど、毛の先端が耳の穴を擽ることはなく、あとは後日 床屋さんで。
何だかんだと仕事の日を挟んで4日連続で庭仕事した。今日はさすがに脚立に登るのに、サンダルじゃなく、長靴を履いた。帽子もかぶり、手袋もした。来ているのは部屋着だが。そうしないと、延々と作業してしまうのだ。脚立の天辺に登って、主に山茶花と紅葉と松、泰山木など。一時間半の作業。汗だく。御褒美じゃないけど、作業三日目、銭湯へ行こうと準備。が、はたと気がついた。金曜日は銭湯休業。くそ、銭湯開始ならず。
ということで、今日日曜日は銭湯はやっている。9日ぶりの銭湯。垢がいっぱい出た。銭湯は嬉しいよ。
自転車を駆って、久しぶりに床屋さんへ。2ヶ月以上ぶりか。行って驚いた。順番待ちが何人も。こんな光景は久しぶり。今日は日曜だから? コロナ自粛が弛んだから? こんなはずじゃないので、本も持参してない。雑誌も置いてない。座る空きもない。ということで、ウイークデーに出直す。
『夏目漱石全集〈5〉』 (角川書店 1974年) を読み始めている。本巻には、「坑夫」「文鳥」「夢十夜」などが所収。今は、「坑夫」を読んでいるところ。世間知らずの若者の(19歳という年齢相応かどうか危ういが……ここまで内省できる奴はいるだろうか)人生煩悶内省記録みたい。実験的手法かな。単調なはずなのに、退屈させないのは、流石 漱石だ。その気になれば、漱石版「孤独な散歩者の夢想」だって書けそうだ。あるいは、リルケの「マルテの手記」の向こうを張るとか。形而上小説の可能性もある。
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