ボクの世界は真っ赤な闇
← 斎藤 成也 編著『最新DNA研究が解き明かす。日本人の誕生』(河合 洋介 /木村 亮介/ 松波 雅俊 /鈴木 留美子 著 秀和システム)「2020年はゲノム概念が誕生してからちょうど百周年にあたります。本書は、最新のヒトゲノム解析から得たビッグデータをもとに、日本人の起源と成立をわかりやすく解説」
快晴無風。庭仕事 た~~ぷり。山茶花や泰山木などを脚立に昇って、さらに木の幹にしがみついて、高枝切り鋏やら剪定鋏などを使って。同じことを2度もやりたくないので、これでもかと。普通、作業後 数時間後か半日して節々が痛みだすはずが、作業直後から痛み出している。
それでも敢えて午前中に作業を済ませた。疲れは今日中に緩和させて、明日の仕事に備えたかったのだ。
ところで、我が家の敷地の一部を燃えるゴミ置き場として提供している件。例のトラブルメーカーは、表向きは静かにしている。この際、今は簡易な置き場になっているが、金網式のケースを設置しようかという話が持ち上がっているようで、今日、その話が吾輩に。了解した。姉が敷地をゴミ置き場として提供することに反対だったのだ。まして金網を置くと、固定されてしまう。でも、個人的にはいちいち置き場に網などを展開するのも億劫になってきたので、固定式の金網に反対しないことにしたのだ。
斎藤成也 編著の『最新DNA研究が解き明かす。日本人の誕生』を昨夕から読み始め、日をまたいで本夕読了した。興味深いテーマで、吾輩には難しいところ(特に第一章のゲノム解説、中でも集団遺伝学の基礎知識が数式などもあって理解が及ばなかった)もあったが、興味に惹かれて一気読み。
本書は、日本人の誕生とあるが、専門的にはヤポネシアと表記したかったのだろう。大まかには日本列島の意味。ゲノム解析の技術が近年飛躍的に高まり、まさに今、どんどん新しい知見が生まれつつある。本書では特に、第6章の「ピロリ菌ゲノムから探る日本列島への人類移動」が面白かった。「全世界のピロリ菌を調べることにより、現代人の進化を調べる研究が進められている。特に最近沖縄で発見されたピロリ菌の系統は、沖縄を含む日本列島にたどりついた人間の独自性も示しており、興味深い結果となっている。」アイヌ人と、ヤマト人、オキナワ人の由来や関係など、興味深い成果も読めた。著者(斎藤・河合・木村・松波)らは、文部科学省新学術領域研究「ヤポネシアゲノム」プロジェクトのメンバーで、本書でもその研究の一端が紹介されている。本書は、2020年がゲノム概念が誕生して百周年に当たるということで、ある意味、経過報告でもあるのだろう。
「ボクの世界は真っ赤な闇」
暗闇の何処かから声が聞こえる。声の主は目の前にいるのだが。先生だ。「10から1まで逆に言いなさい」とか何とか。生徒らは順番にハキハキと、中にはつっかえながらも、何とか答えている。やがてボクにも番がやってくる。ボクにできるだろうか。隣の女の子は、なんて綺麗な声なんだろう。「じゅう きゅう はち なな……さん にぃ いち。」ボクだ。みんなの目線がボクに集まる。何十もの目玉がボクの顔にへばり付く。視線というハリネズミの針がボクの心を突き刺す。椅子を引いて立ち上がるボク。「じゅう…きゅう……はち……」そこで止まってしまう。「なな」が言えない。ボクには「なな」は、「なだ」だったり、「だな」だったり、「だだ」だったりする。「なな」だけは発音できない。いや、自分では「なな」と言っているつもりだけど、人にはそうは聞こえないらしい。「花」と言ったつもりが「はだ」とか「鼻」とか、「あだ」とか。体が段々火照ってくる。頭の中が沸騰しそうだ。世界が真っ赤だ。世界はボクには真っ赤な闇なんだ。「なな」さえ超えたら、次の「ろく」はボクにも言える。「ご」だって、「よん」だって……。あ、ダメだ。「よん」は言えない。「よふ」がせいぜいだ。「よふ」なんて言ったら、みんな笑うだろうな。先生だって、笑いをかみ殺してたもんな。世界が血の涙の色に染まる。
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