ハーンから漱石とナボコフへ
← 今にも降りそうな空。昨日は自転車で買い物へ出掛けた途端に雨。あと10分スタートすれば……。失敗に懲りて早めにスーパーへ。慌てて帰宅したら幾つか買い忘れ。そろそろ降るかな。暑くないのだけが助かる。画像は、内庭に立って空を撮った。どう見上げても、葉っぱが繁茂。
雨じゃないし、しばらくは持ちそうだ、庭仕事するかと、作業着に着替えようとしたら、ザーと。くそ、おちょくってんのか。も、いい、止めた。読書だ、漱石とナボコフを往還する。
やけに静か……振り向いたら、止んでやがる。
外仕事しない代わりに、縁側の廊下や玄関フロアー、洗面所脇、茶の間から玄関への廊下などをモップ掃除。モップが真っ黒、モップを洗った水も真っ黒に。縁側の廊下には、さすがにヤモリの糞は少なかった。
今の時期になると、柿本人麻呂の「天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」が思い出される。大好きな歌。七夕の歌とも言われる。あるいは一ヶ月ずれているか。たまたまハーンの本書が、夜(月)をテーマの詩の講義の章。この章の話で上記の和歌が浮かんできたってのがホント。それにしても、素晴らしい講義だ。日本の英文学を学ぶ学生に向けて。ハーンのこんな講義を受けたなんて、羨ましいばかり。
← ラフカディオ・ハーン/著『ラフカディオ・ハーン著作集 第7巻 文学の解釈 2』(池田雅之/〔ほか〕訳 恒文社)
『ラフカディオ・ハーン著作集 第7巻 文学の解釈 2』を今朝未明読了。
シェイクスピア論に始まって、英文学と聖書、ポーやロングフェロー、など興味深い話題が続く。「散文芸術論」「小説における超自然的なものの価値」「西洋の詩歌における樹の精について」「虫の詩」「英詩のなかの鳥たち」「夜の詩」「日本を主題にした外国の詩」「最終講義」などなど、気になる章が並び、詩の苦手な吾輩を夢中にさせてくれた。
本書は、ハーンの講義を受講した学生らの筆記ノートに基づくもの。ハーンの講義は喋りっ放しで想像力を掻き立てる熱意溢れるもので、人気があった。思うのは、こうしたノートを筆記できる学生の優秀さ。さすがというべきか。
人気があったが、突如ハーンは首に。政府の判断として、そろそろ日本人が先生として英文学を講義できるだろうと。後任に漱石らが着任。
ハーンも漱石も退官後、松江へ熊本へ向かってる。偶然同じルート?
初めは日に30頁や50頁ほどと、牛歩だったが、面白くて、昨日は未明にかけて残り160頁ほどを一気に。一昨日から読み出したナボコフの『ロリータ』を差し置いて。
さて、次はまたハーンもいいが、漱石のことも気になる。
先月、「文学評論」を読んだからには、その勢いでやはり本丸の本書を読む。昔、読んだ記憶があるが、読んだだけ。今、まるで気質も背景も違うハーンの英文学論を読んでいる。対比するのも気が引ける。ハーンは、東大の英文学講義の前任者。ハーンは、作家たらんとする若き学生に資するべく面白い講義を行った。人気の先生。翻って漱石は真っ向勝負の厳格な講義。志は両者まるで違う。
本丸って、「文学論」です。例の「 F + f 」って図式(公式?)で有名な講義。この「文学論」は、漱石自身は出版するつもりはなかったが、出版社のプッシュで已む無く。内容には本人かなり不満だったみたいだから、その分 割り引かないと?
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