出口なしが芥川賞作品らしい?
9時過ぎ ようやく目覚め ふとぼんやり部屋の様子をうかがうと 雨続きの最近にしてはやや明るい。雨があがってるところか、薄日が射している。トイレのついでに外へ。雨水にしとどに浸った庭木も草も精力がみなぎっている。この数日の雨で葉っぱがこれでもかと伸びてしまった。先日、せっせと剪定したのに、元の木阿弥。仕事が(あくまでスケジュール上は)通常ペースに戻っているので、連日の庭仕事とはいかない。しかも、陽射しが湿気が暑苦しく重い。梅雨の雨のあとには、夏の暑熱が待ち受けている。
← 吉目木晴彦【著】『寂寥郊野』(講談社)「朝鮮戦争で来日したリチャードと結婚して、幸恵がルイジアナ州バトンルージュに暮らしはじめて30年。その幸恵の言動崩壊が始まり、症状は目に見えて進んでいく。夫は妻の鬱病に心あたりがないでもない。国際結婚と老いと孤立を描く、現代文学の秀作。芥川賞受賞作。」映画化もされた。
吉目木晴彦作の『寂寥郊野』を読了した。書庫で発見。父の本か姉のなのか。吾輩は買った覚えも読んだ記憶もない。
小説の舞台は、アメリカ合衆国南部の州であるルイジアナ州。郊外のSolitude Point (河岸の農作地)が舞台。州都はバトンルージュ市、最大の都市はニューオーリンズ市。白人中心の州。日本人(に限らずアジア人)は苦しい立場にあった(今も?)。主人のリチャードが違法な農薬の汚染で健康被害を出したという汚名で仕事を失ったことを契機に、奥さんの幸恵の言動崩壊が始まる。アルツハイマー型認知症かどうか、医者の診断は確定しない。リチャードは収入の道が途絶えたことが原因だと思うが、物語が進むうちに日本人妻である奥さんの孤立、そのことが主人にも理解されていなかったことが主因ではないかとも思われてくる。話は錯綜する中、展望が見えないままに終わってしまう…。土壌汚染の原因も分からないままだ…。
併載の「うわさ」もなかなかの快作。やっとの思いで買ったマンション。だが、賃貸派と所有派との派閥争いやら、奥さん方の思惑の錯綜でいろんなうわさが乱れ飛ぶ。ご主人方は仕事で家庭や地域問題に関わる余裕はない中、奥さんは孤立していく一方だ。
どちらの作品も、出口なしで終わるのが特徴。安易な解決で話が終わらないのが芥川賞的?
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